22話「新たな問題発生、早理華に危機迫る?」
久里亜の後を追っていた早理華に異変が。
更に跡を追っていた三人はひとまず早理華の方へ向かわざるをえなくなってしまいます。
学園…教会…
…そして山手に隠れた大聖堂。
鬱蒼とした木々の深い森。
その中に隠されたようにソレは存在していた。
「…学園の側にあんなに立派な教会があるというのに、何故こんな場所でこんな立派な建物が?」
部屋を出た久里亜を追っていた早理華は不自然なこの大聖堂に疑問を持った。
そんな早理華に気付かぬ様子でフラフラと久里亜が大聖堂の扉の前に立った。
すると。
フッ…、と久里亜の姿が扉の前から掻き消えた。
「えっ?」
慌ててその場へ駆け寄る早理華。
キョロキョロと扉とその周辺を観察するも、特に何も見当たらない。
「おかしい…」
「まさか、さっきまでの久里亜さんの姿は幻覚…?」
『その通りだ。』
背後から声がした。
(誰っ?!)
咄嗟に振り向く早理華。
そこに居たのは早理華を追いかけて来た剣護と聖姫、そして銃吾だった。
「俺達は久里亜さんが部屋から出て行ったという知らせを聞いて追いかけて来たんだ。」
「でもさ、その前に部屋を覗いてみたら久里亜さんはベッドで寝てたんだよ。」
「ええっ?!」
「身体を揺すっても起きないから、もしや早理華を誘い出すためのフェイクかもと思ってさ。」
「そうでしたか…私を誘い出す為のフェイク…」
(ん?)
聖姫の言葉に何かがひっかかる早理華。
「とにかく一人行動は危険だ、ここは私達と一緒に寮に帰ろう、な?」
「え、ええ。」
少し何かが腑に落ちない早理華だったが、その腑に落ちない何かが何なのか分からない彼女はそのまま聖姫達について寮へ戻ってゆく。
少し歩いてから、急に早理華の両側を歩いていた聖姫と剣護が早理華の両手を握ってきた。
「えっ?…えっ…。」
更に腕をガッシリと絡められる。
「あ、あの〜?」
「ん?なんだい?」
聖姫にそう聞き返されると早理華は何も言い返せなくなった。
「何があるかわからないからね、この腕は離さないよ。」
聖姫に耳元でそう囁かれ、思わず早理華は足元から力が抜けそうになった。
「それに俺達の仲じゃないか、気にせず身を任せろ。」
今度は剣護からもそう言われた。
(は?)
「あのう…剣護さんて久里亜さんの方が良い雰囲気なんじゃないんですか?」
「馬鹿を言え、アレは向こうに合わせてるだけだ。」
「本当に気があるのは君の方だよ、早理華。」
剣護からニコッと微笑まれポーッとなる早理華。
「私もアンタの事が大好きだよ、早理華?」
歩きながらも聖姫は早理華のホッペにチューッとキスをした。
「ヒャン☆」
コレには早理華も驚いた。
「フフフ…後で三人でイイコトしましょ?」
「い…イイコトって、何なんでふかあ〜☆」
「おいおい、ソレを俺達から言わせる気かよ?」
「良いから黙ってこのまま進むんだよ?」
「ふぁ、ふぁいい〜…。」
早理華は茹でダコのように顔が真っ赤になり、思考能力が低下していた。
そしてそのまま、森の奥へと連れ去られた………。
…ちなみに一緒に来て三人の後ろを歩いていたはずの銃吾の姿はとっくに消えていた。
……………。
『三人とも待って。』
『どうした、用務員の先輩さん。』
『ああ、ちょっと様子が…』
『て、その用務員の先輩って呼び方はちょっと止めて欲しいな。』
『一応私の名前は田村早苗だ、上でも下でも好きな方で呼んでくれ。』
「ん〜、じゃあ…田村さん、何が気になるんだ?」
『ああ、まず久里亜の方はそのまま道なりに進んで止まったから直に追いつくだろう。』
「てことはそこが目標地点?」
と、ココまで剣護と田村の通信を聞いていた聖姫がこう聞いた。
「それで、早理華もその後を追ってるんですよね?」
『実はその早理華の方が問題なんだ。』
「??あのコに何かあったんですか?」
『さっきから急にコースを外れてしまったんだ、何か起きたのかも知れない。』
「…聖姫、早理華の方へ向かおう。」
「でも久里亜さんはどうするんだよ?元々あの人が心配で…」
『そうだな、彼女の居場所は今は動いてない、なら後から向かっても追いつける。』
「ああ、それに今すぐどうこうとはならないと思う、だから今は緊急事態な早理華の方が優先されるはずだ。」
「俺もそう思うぜ、二手に分かれるのも手だがそれだと片方は一人だけになるから何かあった時に分が悪い。」
「銃吾の言う通りだ、だからここは三人で早理華の方を優先するぞ。」
「…ん、分かった、そうしよう。」
少しホッとしたような顔で聖姫は言った。
内心は早理華が心配だったようだ。
『じゃあ三人とも頼んだよ、私は引き続き久里亜が移動しないか見張っておくから。』
『ちなみに三人のスマホアプリに追跡画面を送っておいた、それを目安に移動してくれ。』
「わかりました、田村さん。」
「久里亜さんの事頼みます。」
「田村先輩、あとヨロシク!」
言うが早いか、三人は早理華が移動したと思われる方向へと向かった。
………そして森の奥。
「さあ、ここだ。」
「…あのう、ココって…?」
「決まってるだろ?私達がイイコトする場所さ。」
(ヒアアアア〜〜〜ッ☆☆☆☆☆)
早理華は未知の世界を目の前にし、すっかり頭の中はお花畑になっていた。
………………。
早理華の連れ込まれた部屋はSMプレイの部屋だった。
(こ、ココって…やはりそういう趣向の?)
(じゃ…じゃあ私、コレから…)
早理華は何を期待しているのか、
「はわわ〜♡」とヨダレを垂らしていた。
そんな早理華を蔑むような横目で見ながら聖姫が命令した。
「さあ…自分で脱ぎな。」
「は、恥ずかしいです…」
「ヒヒヒ…俺が手伝ってやるよ。」
剣護がいやらしい手つきで早理華の服に手をかけた。
「ああ、そんな…♡」
スルスル脱がされ早理華の白い肌が見えてゆく。
パサッ、パサッ。
早理華の上着とスカートが床に落ちた。
「あ、脱がすと言ってもシャツとか下着までで良いからね?」
「ちえっ、分かったよ。」
「あ…そう、でふかぁ…。」
早理華まで少し残念そうな気もするが、何故だろう?
ガシン。
カシイン。
「ふえっ?」
はだけたシャツと下着の姿にされた早理華。
その彼女は立ったまま手枷足枷でX字に拘束された。
「えと…コレって…SM、とか…?」
「フフフ…。」
「拷問…いんや、尋問プレイ、だよ…ククク。」
その時、ついさっきまで甘い雰囲気で接していた聖姫と剣護の態度が冷たく豹変した。
早理華はまんまと捕まえられてしまった様子。
彼女の身に何が起きるのか?
そして久里亜は一体どうなってしまうのか?