21話「ミステリーナイトに誘われて…」
久里亜に異変が?
気付いた早理華は彼女の跡を一人で追跡。
残されたメンバーも向かおうとしますが思わぬ事態に…。
その日もいつも通りの日常だった。
…そして夜。
早理華は聖姫から一緒に居るとまた変な雰囲気になるかも知れないから、と寮に帰ってからは互いの部屋には行かないように言われたので一人寂しく暇を持て余していた。
その日のDDSの会合は既に早朝の用務員室で終わらせていたので特に新しい情報が入らない限りこれと言って連絡を取り合う必要も無いからだ。
だったら一応学生らしく宿題するなりすればいいのだが。
「はあ…思ったより学生生活って楽しくない…。」
「これならまだ孤児院で慌ただしい毎日送ってた方がマシだったかなあ…。」
ゴロンとベッドに横になっていたが眠気か襲って来ないので早理華は起き上がる。
そして何気無しに窓から外を眺めていると。
「…あれ?」
「あれって…久里亜さん…?」
一度寮に戻った筈の久里亜が何故か外出していた。
「何処行く気だろ、今朝一人で行動しないよう言われてたのに…しょうが無い人だなあ。」
早理華は久里亜のスマホに発信した。
しかし着信している筈なのに久里亜はスマホに出ようともせずボンヤリ前を見ながら歩き続けた。
「ちょっと、ちょっと〜?」
早理華は上着を羽織り、寮の玄関から飛びだした。
そしてスマホ片手に先ずは同じタクティカルシスターズの一人、聖姫に連絡する。
「もしもし聖姫さん?」
『あんだい?言っとくけど当面夜は顔合わさないからね!』
『いえ、それは良いんです、それより…』
………。
『ちょっと待て!アンタ一人尾行するのは危険だから、剣護にも…』
「ではそれでお願いします、私は先行して久里亜さんを…!」
『お、おいちょっと…』
プツン、と早理華は電話を切った。
「…のヤツ、先走るなって言ってんのに…」
聖姫はギリッと歯軋りした。
「とにかく、私だけでも剣護と合流しないとね!」
聖姫が状況を連絡すると五分と待たずに剣護がやって来た。
「聖姫、急ごう!」
「早かったね、寛いでなかったのかい?」
「昨日の今日だからな、寝るギリギリまで動けるように玄関で待機してた。」
「よし、それじゃ…」
「用務員室に行くぞ!」
「…え?」
「迂闊に追うだけじゃ駄目だからな、久里亜さんの身に付けられた発信器の反応を先輩用務員さんに追尾して貰ってる。」
「ついでに銃吾も拾って行くぞ、先輩用務員さんには俺達のバックアップ二回って貰おう。」
「なーるほど、…て、そう言えば居たね、銃吾ってヤツも。」
「お、おう。」
(なんか…タクティカルシスターズのアイツに対する扱い酷く無いかな?)
(それか単にヤツの影が薄いんだろうか…?)
多分その両方だろう。
二人が用務員室に着いた瞬間、
「ぶえっくしゅん!」
と銃吾の大きなクシャミが聴こえた。
「来たね二人とも、話しはもう聞いてる。」
用務員室の居間のちゃぶ台に置かれたノートパソコンにはマップの上を二つの光点が移動しているのが映し出されていた。
「青い光点が久里亜、黄色い光点が早理華だ。」
「ちなみに聖姫ちゃんは赤い光点になる…けどこのマップだと圏外だから映らない。」
「ソレは残念です。」
聖姫は抑揚の無い口調で返事した。
「ところで、青い光点は何処に向かってるんでふか?」
「…大聖堂、だね。」
「「「大、聖堂…。」」」
3人の顔に緊張の色が表れる。
「彼処の地下室で何か儀式を行っている、なんていう都市伝説じみた話しが女子生徒間で噂になりつつあるそうだ。」
「俺、教員間ではそんな話し聞いた事ありませんでした。」
「私も女子生徒間では聞いた事無いから初耳だよ、本当に?誰から誰にそんな噂が…」
この時、聖姫の頭に浮かんだのは学院での百合カップル云々を自分達に話したあの女子生徒の顔だった。
(でも…まさかね…)
確証は無いし大聖堂地下儀式と彼女とを関連付ける要素はまだ何も無かった。
だが引っかかる。
関連付ける要素は「まだ無い」だけであり、
「もしかしたら有る」のかも知れない。
取り敢えず聖姫はその女子生徒については一旦保留とした。
もし関係するならするで、その時はその時だと割り切ったのだ。
「儀式って、一体何の儀式だろう?」
「…おい、ヤバくないか剣護?」
珍しく銃吾が真顔で話しかけてきた。
「久里亜さんが、危ない…!」
剣護の言葉にコクリと頷く聖姫。
「それじゃ…タクティカルシスターズ出動だね!」
聖姫はチャッカリ着用して来たバリアブルウェア修道服を靡かせた。
「剣護君、あの二人にバリアブルウェアを渡してね?」
「分かりました!」
「銃吾は俺と聖姫の後ろから付いて来て援護を頼む。」
「おう!」
「…待て。」
「大型重火器なんていつ用意したんだ?」
ガチャガチャ音を鳴らしながら両腕いっぱいに重火器を抱える銃吾。
「いやあ、ここにせっかく置いてあったからさあ〜♪」
「…何時もの小銃やハンドガンで充分だって。」
「あ、グレネードはあってもいいかな?」
「あんまり重装備だと戦闘になる前に疲れちゃわないかい?」
「いやあ…しかし漢のロマンて奴がさあ〜。」
「単にミリタリーマニアなだけだろオマエは。」
「ハイハイお約束のコントはそこまで!」
パンパンと先輩用務員が手叩くと3人は用務員室を出た。
「…て、」
「な…ナニコレ?」
「ココって…いつの間にゾンビランドになったっけ?」
3人の目の前には用務員室を囲むゾンビの群れが居た。
「ヤバそう、シャッター閉めるよ!」
用務員室は防護シャッターで隠れた。
『反応解析よるとソイツらは人間の死体じゃない、良く出来たアンドロイドだ。』
「じゃ、安心してぶっ壊せるね!」
ボキボキ指を鳴らす聖姫が背後から鞭を取り出す。
「そんじゃそういうわけで…」
「俺らも暴れるとしますか!」
「「「わあーっ!!!」」」
3人はゾンビの群れに向かってダッシュした…!
造りモノのゾンビを相手に立ち回る3人。
久里亜は儀式とやらと関係があるのか?
そして跡を付けた早理華は無事なのか?




