涙の真相、ドンデン返し 【13】
違う。
「違うよ」
「レジェナ?」
「違うよ、お兄ちゃん__ううん、テリジノ」
わたしはお兄ちゃんの__テリジノの胸から顔を離すと、切ない想いで彼の顔を見詰めた。
テリジノは、困った、というか、辛そうな顔でわたしを見詰めた。
「わたし、テリジノの事が__」
言っちゃった。
遂にわたしはお兄ちゃんに、テリジノに、自分の思いを打ち明けたのだった。
しかし、それに対する彼の答えは。
「__駄目だよ、レジェナ」
出来るだけ、感情を抑えた声でテリジノは言った。
その、静かな一言が、わたしの胸の中を空っぽにしたように思えた。
全ての手応えを喪失した世界に、一人だけ取り残されたような想いでわたしはテリジノを見詰めた。
テリジノは、再び視線を外してわたしから目を反らした。
「それは、出来ない__」
「どうして?」
「それは__」
テリジノは目を閉じると、息を詰めるように押し黙った。
その姿を、わたしは見ていられなかった。
「あ、そうか__」
それでも、何かに負けまいとするようにわたしは懸命に声を振り絞った。
「テリジノ、好きな人居るんだよね、きっと」
彼は何も言わなかった。
「そっかあ、それじゃあ仕方ないか。幾ら血の繋がりは無いって言ったって、彼女が居るんじゃ、どうしようもないな__」
ちぐはぐな明るさで必死に自分を励まそうとするわたしの言葉に、テリジノは目を閉じたまま、まるで耐えているように見えた。
「こういうのは本人の意思が大事だもんね。ゴメンね、お兄ちゃん。それじゃ、わたし、妹として応援するから、今度その人紹介してね」




