鳴かぬなら、ジッとガマンの女の子 【11】
やったー!
遂に待ちに待った本命の話題に移ることが出来る。よくやった、マニ。誉めてとらすぞ。
「先程も申し上げました通り、何者かによって放たれた刺客の為、これまで健気に張り詰めておられたレジェナ様もすっかりお気を弱く為され」
うんうん、別に気が弱くはなっちゃいないけど、この際どうでも良いや、そんな事。
「実の兄君ではないとは言え、幼き日々を供に過ごしたお方で御座います。久しくお会いになって居られぬと言う事もあり、是非一度、お顔を目にしたいと__」
おおー。
カンゲキ、遂に、遂にこの時が__て、まだお願いしただけなんだけどね。それに対するカスモさんの答えは、またまた私を感動させずにはおかないものであった。
「ええ、お安い御用です」
再び、やったー!
わたしはその場で跳び上がって叫び出したい衝動を必死に堪えながらいびつに崩れそうになる顔の筋肉を賢明に引き締めていた。
「お一人でお家を御再興せんとその細腕を振るわれるレジェナ様のご期待に添えず誠に不甲斐無い家臣にて、慙愧の至りと存じ上げます。せめてこの程度のご希望を適えて差し上げる事位しか出来る事とて御座いませぬゆえ」
ええ、ええ、よろしくてよ。
お家再興なんてどうでも良いけど、お兄ちゃんの事を捜してくれるんだったら、私、一生カスモさんに感謝しちゃう。
「見付かるんですか?」
「それはもう__」
カスモさんは愛想の良い笑顔で答えた。
「この宿場街で宿屋を営んでおりますのは、王家復興に身を捧げ、日夜奔走為される有志達を陰ながら支えると同時に、方々に散って活動を続ける同志の連絡所としての役目も兼ねております。兄上のご消息ならば一月も有れば充分でしょう」
「ホントですか?」
「ええ、恐らく」
三度、やったー!




