↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
善良なる隣人 ~魔王よ、勇者よ、これが獣だ~  作者: 壱弐参


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

54/86

054

「まず、表に出てる魔力を思い切り凝縮する」


 ニッサの説明通り、俺は精一杯魔力をコントロールしてその凝縮に努めた。


「ぬぐっ、ぐぐぐぐぐ……!」

「魔法使いはまずこれが出来ないと魔法が使えない」

「はぁ!? 一番最初が一番難しいのか!?」

「だから無理って言った。コディーの魔力大きすぎる」


 くそ、初期段階から躓いてられるかよ! ここが俺のターニングポイントなんだ!

 これをミスると魔王との交渉は失敗に終わる! ならばやるしかないだろう!


「ぐぎっ! ぐぎぎぎぎぎ……!」


 お、魔力が何とか掌サイズの球体になったぞ。何かちょっとだけどす黒いけど、この調子なら――――、


「だ、だめ! そんなに強引に凝縮すると破裂――いえ、爆発しちゃう!」

「お、おぉおおおおおおおおおおおぉおぉぉおおおおおおっ!! ぬかかかかっ!!」

「こ、こらコディー! ダメだってば!」

「ふんぎぃいいいいいいいいいいいいっ!! ぉぉおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」

「あっ!!」


 瞬間、俺たちは光とも闇とも思えないような灰色の光に包まれた。


 ◇◆◇ ◆◇◆


「…………ん~?」

「これ、何……?」


 ニッサの「もうこれダメかも」って感じの絶望感溢れる顔も面白かったが、今の顔の方が面白い。俺の前に浮かぶ灰光(はいこう)とも呼べるような灰色の球体がぷかぷか浮かんでいる。ニッサは渋面になりながら小首を傾げている。

 凄い。ニッサの新たな顔発見、って感じだ。


「で、この後どうするの?」

「普通は、こうならない」

「ん?」

「これ、完全に魔力が結晶化してる」

「それって、魔力が物質になったって事?」

「ほら」


 ニッサは自身の頭程の大きさの球体を、細い人差し指でツンと触れる。

 すると、まるでゴムまりのように動いたのだ。だが、すぐに俺の正面に戻ってくる。


「へぇ、俺もやってみよ」

「あ、だめ――」

「――へ?」


 俺の爪が球体に触れた瞬間、灰光は漆黒に染まり、闇が破裂したかのように嵐を呼んだ。


「「っ!?!?」」


 球体からバチバチと漏れ出る黒雷。吹き出る突風。今にもニッサは吹き飛ばされそうである。こ、これは……まずい!


「ふんぎぃいいいいいいいっ!」


 再び魔力を込めて押さえ込もうとすると、心なしか暴走が収まったような気がした。


「さ、さっきと同じ要領だな! 多分! むぎぃいいいいいっ!!」


 瞬間、俺たちは光とも闇とも思えないような灰色の光に包まれた。


 ◇◆◇ ◆◇◆


「どこかで見た光景だな」


 まるでデジャブのようだ。

 まぁ、ニッサのアホ毛は先程より増えてるけどな。


「…………けほっ」

「怒ってる?」

「……怒ってない。でも、そんな鋭い爪で(つつ)いたら破裂しちゃう」

「なるほど。じゃあこれどうすればいいの?」

「正直、魔力の結晶化なんて初めて見るから、わからない」

「これを投げつければ強いのでは?」

「考えたくないけど、強いどころじゃないと思う。多分、ココの町とか、一瞬で消し飛ぶ」


 え、なにそれ? 怖い。


「……え、俺これいらない」

「そういう問題じゃない。でも、結晶化したって事は、別の用途が考えられる」

「というと?」

「結晶から魔力を吸収……とか?」

「え? 元々俺の魔力なのに吸収出来るの?」


 すると、ニッサは首を横に振った。

 何だろう? 言ってる意味が理解出来ないだけなのか? 俺が獣だから?


「魔力は最大量を超える事はない。でも、使ったら減る。そういう時回復出来る……感じ?」

「あぁ、つまり魔力回復ポーションみたいな感じ?」

「そう」


 ニッサは深く一度だけ頷く。


「じゃあ、あと何個か作っておけばいいのかな?」

「まだ魔力……あるの?」

「うん」

「……魔力馬鹿」


 最近ニッサが辛辣です。

 まぁ、魔力が多いのは自覚している。今更言っても仕方の無い事である。

 さっきの要領なら、なんとなく覚えてるし、いけるところまでいってみるか。


「あ、でもコデ――――」

「――――ぉおおおおおお!!」


 ◇◆◇ ◆◇◆


「おぉ~、何かラスボスって感じがするな」


 俺の胴体をX字に浮遊し回転する球体。数にして二十。


「気持ち悪い」

「おい! 今の酷くない!?」

「それ、どうやって維持するつもり?」

「え? 別に今は魔力使ってないぞ?」

「違う。少しの衝撃で破裂する。それ、とても危険。それだけで、ココの町、二十個消し飛ぶ」

「やべえ、忘れてた」

「ヴァローナ並み」

「ちょ! いくらなんでもそれはあんまりだ!」

「動くと、危ない」

「これいらない!」

「近付かないで」

「何その拒絶!?」

「普通逃げる。ここにいてあげるだけでも、私はとても優しい」

「くそ! ぐうの音も出ない!」


 しかし、一体どうすればいいんだ?

 無駄に作りすぎちゃったし、強い衝撃は与えられないし、一つ一つが強力だし。


「あ」

「その『あ』! 待ってました!」

「解決にはならないけど、その魔球の外殻を分厚くすればいい」

「つまりもっと硬くしろと?」

「うん」

「どうすればいいの?」

「もっと」

「へ?」

「もっと圧縮する」


 ニッサがすんげえ怖い事言い出したぞ?

今回はギャグ回だったかもしれない


本日、別作品の「悠久の愚者アズリーの、賢者のすゝめ‬」第12巻が発売致しました!

よろしくお願い致します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓連載中です↓

『天才派遣所の秀才異端児 ~天才の能力を全て取り込む、秀才の成り上がり~』
【天才×秀才】全ての天才を呑み込む、秀才の歩み。

『半端でハンパないおっさんの吸血鬼生 ~最強を目指す吸血鬼の第三勢力~』
おっさんは、魔王と同じ能力【血鎖の転換】を得て吸血鬼に転生した!
ねじ曲がって一周しちゃうくらい性格が歪んだおっさんの成り上がり!

『使い魔は使い魔使い(完結済)』
召喚士の主人公が召喚した使い魔は召喚士だった!? 熱い現代ファンタジーならこれ!

↓第1~2巻が発売中です↓
『がけっぷち冒険者の魔王体験』
冴えない冒険者と、マントの姿となってしまった魔王の、地獄のブートキャンプ。
がけっぷち冒険者が半ば強制的に強くなっていくさまを是非見てください。

↓原作小説第1~14巻(完結)・コミック1~9巻が発売中です↓
『悠久の愚者アズリーの、賢者のすゝめ』
神薬【悠久の雫】を飲んで不老となったアズリーとポチのドタバタコメディ!

↓原作小説第1~3巻が発売中です↓
『転生したら孤児になった!魔物に育てられた魔物使い(剣士)』
壱弐参の処女作! 書籍化不可能と言われた問題作が、書籍化しちゃったコメディ冒険譚!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。