二人目のまおうさま 1
「奴が来ました!第五魔王ハァグリーが単身で突っ込んできます!!」
嫌だなぁ、面倒ごとが次々と
もしやあれか、体の火も消えてねえし
前の特性引きずってね?
『肯定』
まーじーかー
勘弁してくれんかな本気で
「私が出るわ」
「無理です!?先ほどまで寝込んでらしたのですよ!?」
「あの魔王の力ならこれが一番良いのよ」
「しかし……!?」
「うっせーなあもう、僕はもうここに来てるんだけど?」
「「っ!?」」
お?なんか隣にガキがいる小生意気な感じがひしひしと伝わってくるな
「ヤッホー6番、げんきぃ?」
「あなた、どうやってここまで……?」
「そんなもん転移して来たに決まってんじゃん。便利なんだこれ」
いつのまにか豚面の後ろに移動してた
すげえワープかよ
「結界があったはずよ」
「あんなの、紙屑同然だよ?そんなことはどうでも良いのさ、僕が用があるのはそこの聖人なんだ」
目がギラギラしてるな目潰ししてやろうか
「そんな化け物どうやって呼び込んだのさあ?ここまでの聖性なんてアダムかクリストしか持ってなかったでしょ」
「私が呼んだわけじゃないわ、でも私はこの人に救われた」
「へえ、だから印まで付けたのか」
「ええ、それがどうしたの?」
「つまみ食いしても怒んないでね?」
「なっ!?まちn「五法展開、簒奪の顎、いただきまーす」
あ?
半透明のでかい口?
なんだこれ
でも噛まねえな
本当になんだこれ
「顎が……閉まらない!?なにが起きている!?」
あれ?もしかして聖性さん仕事した?
「無駄です、やめてください」
どんな気持ち?ねえどんな気持ち?
お前の能力効かないのどんな気持ち?
「嘘だろ……!?飲まず、喰わず、殺さず、身は焼かれ続け、神への奉仕をし続けているなんて……狂ってるよお前」
好きでやってんじゃねえよ
ふざけんな
つーか、なんで分かったし
口から情報でも吸ってんのか?
「お前が喰えないなら……聖性を喰らってやるよ!!」
「やめなさい無駄よ」
「うるさい!!やると言ったらやるんだよ」
本格的に吸い始めた感が出てるな
聖性を喰うってお前腹壊しても知らねえぞ?
「え?なんだ……これ……暖かく……優しい……お前は僕を……慈しんでいる?」
いや、どっちかというと侮って哀れんでいる
「まだ続けるのですか……?」
いやもう無尽蔵もいいとこだからな
だってほら、ここ魔王二人いるし
てか魔王城のど真ん中だし
そして魔王に立ち向かう場面
このシチュエーションで聖性が尽きるとしたらそれはもう何をしても聖性なんて意味ないだろ
ほら見ろ
後光もいつもの三倍くらい出てる
「その光は……ありえない……それは人間に許される光じゃない!!」
知らんがな
というか、人間じゃねえし
あ、なんか降りて来た
天使?
にしては悪魔チックな見た目してんな
「大……天使長……ルシフェル……」
へー、ヴィジュアル系みてえな感じイッケメーン
「嘘だ……堕天したはずだ……なのになぜあなたまでもが光の中にいる!?」
あん?知り合いかよ
『闇の中に光を見た……煌々と輝く灯火があった……私は救われた……主は私を赦されたのだ……我が半身ルシファーよ……もう復讐に身を焦がす必要などないのだ……』
へー、ルシファーが本名かそれで?
「……報復を誓って数千年。僕はそのために生きてきた!!あんなにも呪っていたじゃないか、憎んでいたじゃないか!?」
『そうだ、氷獄の底で牙を研いだ』
「その牙で喉笛を噛み切るためだろう!?」
『そうだ』
「なぜなんだ!?どうして光の中にいられる!?忘れたのか!?あの仕打ちを!?」
『主は我らの愛し子を沈めたな』
「そうだ!!何度も何度も愛しい人間たちを皆殺しにした!!」
こっちの神もヤベエ奴だったのか、御愁傷様です
『主は全て知っておられたぞ。我らのことも人間のことも……全て知った上で我らを愛すと言った」
「信じられるものか!!」
いつまでやってんだこいつら
このままだといつまでたっても帰れねえ
「一つよろしいですか?」
「『なんだ』」
あー、よく見るとソックリー
「あなたは主が信じられないと言うのですね?」
「……ああ」
「主の慈悲を証明しましょう」
「なんだと?あいつにはそんなものはない!!」
猛るなようるせぇから
「あなたは以前天使でしたね?」
ルシファーならそうだろ?
「羽をもぎ、輪を潰して堕天したさ」
「主はあなたを受け入れてくださいます」
お前は嫌だろうが天使にしてやんぜ




