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絶欲モンスター  作者: ジラフ
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受難の意味 4


「何を考えている……!」


箱のエルフから胸ぐら掴まれてる。力強いなこいつ


「何のことでしょう?」


まっったく心当たりがないが?


「とぼけるな!最近のやつらときたら毎日虚空を見つめてため息をついているんだぞ!」


「やつら?」

誰のことかな


「お前が縁を切りたいと言ったと聞いたが」


「それは……」

だってお前らと関わっても良いこと一つも無いんだもん。むしろしんどいことばっかだよ


「お前は心が無いのか!?」


「心は主に預けました」

我ながらうまい返しじゃね?


「うぐっ……!?」


言葉に詰まったか。俺を論破したかったら超高校級のやつでも連れてこい


「だがそれでは行き場のない想いはどうなる!?」


「知りません」

知らねえよ馬鹿、そんなもんその辺の犬にでも食わせてしまえ


「あまりにも不憫ではないか……」


泣き落としなぞ俺には通じなーい、もう三人分もフラグをぶち折ってきたからな!!


無駄無駄ぁ!!


「どうか顔を合わせるだけでも良しとは出来ないか」


このまま突っぱね続けることは簡単だ、赤子の手を捻るようなもんだ。


でもな……これじゃあ面白くねえ。遊ぶか


「では一つ条件があります」


「っ!?何だ!」


食いついたな、入れ食いなんてもんじゃねえ。ちょろ過ぎる


「あなた(の持つ知識)が欲しい」


これなら縛りには引っかからねえ。知識欲は封じられてねえし


「なっ!」


フハハハハハハハハハハハ!!!肌が白いから真っ赤になると面白え


「そんなっ……うれしい…けど……これじゃ意味ない……でもでも……」


迷え迷え。その隙に俺はトンズラさせてもらう。あんまりやり過ぎると俺もきつくなるからな


「あなたは紛れもなく聖人だけれど……なんかそれだけじゃないような…」


「細けえこたあ気にすんにゃ!」


クリアに勘づかれかけている。ならば


「誹りを受けるのは当然です……。我が道はかくも厳しきもの……簡単に巻き込んで良いようなものではないのです」


涙も追加で流してやるよ。水分とってねえのになんで出るかは分からんが


「そんな……疑っているわけじゃないのよ!だから泣かないで!ね?」


こいつもチョロいな。これで終わりだ


森での俺の平穏は約束された。良い気分だぜえ!!







ーーーー森の最深部にてーーーー


「……もう……会えない……もうあえない……」


「ぐすっ……なんでだよう……」


「寂しいよー!うわーん!!」


「いや……でも…そうすると……」


フラれたエルフ達が集まっていた


会議の体裁は保っておらず


ただただ嘆き悩むのみである


「みんな聞いて!」


そこに一石を投じたのは焔のポウだった


「私に考えがある」


全員の視線がポウに注がれた


「みんなあの人に近寄るなって言われたでしょう?」


静かに頷くフラれエルフ


ただパンドラだけは微妙な顔をしていた。ポウはそれに気づいていたがあえて無視をした


「それはなぜだと思う?」


「え、だって住む世界が違うって」


ポウは頭を振ってそれを否定した


「違うの。それも理由の一つではあるけれど一番ではないの」


「じゃあ何だっていうんだよ!!」


ワツミの苛立った声が響く


「それを今から教えるわ。」


ポウが語ったことは呪いについてだった。以前に祭壇で祈った後復活した炎の中の力の残滓を見たポウはどんな呪いがかけられているかを正確に把握した。


と本人は思っているが実際にはほとんど読み取れていない。ポウが分かったことなど精々何かを封じ込められていてなおかつ制限が何重にもかかっているらしいということがなんとなく感じ取れた程度である。


しかし、彼女らにはそれだけ十分だった。


十分すぎるほどに納得した、そして十全に自己完結させた。


彼女たちが作り上げた妄想はこうだ。


あの聖者は何かとてつもなく強大で不安定なものをその身をもって封じている。それはいつ解けるとも知れないもので常に周囲を危険に晒してしまう。だからあの人は自分たちを思って危険から遠ざける為にわざとあんなことを言ったのだと。


あくまで自分たちのことを案じてそんなことを言ったのだと。決して本心などではないのだと。


そんな風に解釈した、どこまでも都合良く、どこまでも身勝手にそう決めつけた。


「そんな……言ってくれればいいのに……なんでもするのに……!」


「どこまで……どこまでお人好しなんだよ!」


「あっははー!!そうだったんだー!!」


「そんなの……全然気づかなかった……だから私を……!」


無意識下にあるブレーキ、歯止めが外れた。


彼女らがもたらす受難はこれからが本番である。


そも受難とは神が与えたもうた試練である。それは口八丁手八丁程度でどうにかなるほど甘いものではない。


























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