口説き文句
「もうもう!」
「雅志うるさい」
「だって、だって」
「姉さんからのプロポーズ嬉しかったんでしょ? 何で、まだもうもういい続けてんのよ。あれから2週間ぐらい経ってるじゃない」
「うるさいわね! 恥ずかしいもんは恥ずかしいのよ!! それに、あたしからプロポーズするつもりだったのよ……しかも、人前でとか恥ずかし過ぎるじゃないの!!」
「乙女か」
「乙女よ! ロージャン様のあのタラシっぷり」
「しかも天然だから」
「そうなの。いつもうっかりコロッて行っちゃうのよね」
「分かる」
「お姉さん、デプス・ボムちょうだい。あたしロージャン様にプロポーズする」
「姉さんにしてもらったのに? 何で? 今さら?」
「今さらでもよ。あたしだってまだ一応男なんだから見栄ってもんがあんのよ」
「乙女だったり男だったり忙しいわね。どっちよ」
「オカマよ。そんな事よりあんたプロポーズに良さげな言葉考えてよ」
「私が!? ちょっと待ってよ。私、相手居ないのになんでそんなむなしい事しなくちゃいけないのよ」
「あら、そうだったわね。でも、本当何言おうかしら? やっぱり雰囲気も大事よね。どっか良さげなデートスポットとか知ってる?」
「知らない」
「あんたに聞いてないわよ。お姉さんどう? 知らない? 知らないの? あっそう。客商売なのに色々聞いたりしない? あら、そう」
「お姉さんに絡まないの」
「だって、ロージャン様にプロポーズするのよ。記憶に残るようなとびっきりのシチュエーションにしたいじゃない!」
「別に姉さんだったらあんたからのプロポーズだったら何でも嬉しいんじゃない」
「知ってる。だから、ロージャン様を驚かせたいって言うか……まあ、あんたには分からないわよね」
「はいはい。一生分からないわよ」
「つまんない女ね。まだ今世で初めて出会った時の方が可愛げがあったっていうのに」
「そうだっけ? まあ、そんなのどうでもいいわ。それより、気になるんだけど、ドレスはどっちが着るの?」
「まだ気が早いわよ。プロポーズだってしてないんだもの……でも、そうね。それも考えなくちゃいけないわね」
「色々考えないといけない事あって大変ね」
「そうよ。あんたも……って、相手居なかったわね。ごめんなさい」
「居なくて悪かったわね。でも、今度潤平さんとデートする事になったの」
「嘘?! どこで!?」
「行き先は潤平さんが決めてくれるらしいから当日まで分かんない」
「成功したら詳しく教えてちょうだい」
「あんたも姉さんにプロポーズ成功したら教えてね」
「とびっきり惚気てあげるわ」
「……お手柔らかに」




