表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/44

中央アジア戦隊スタンネーションズ(2)

「どうしても邪魔をするというのなら、痛い目にあってもらうぞ」

 4人の中で一番体格のいいタジキスタンの館長がにゅうめんマンに言った。


「できるもんならやってみろ」


にゅうめんマンが答えるやいなや、タジキスタンの館長はにゅうめんマンに飛びかかり、空を裂く激しいパンチを放った。今までに戦ったミョクミョクの手下たちよりも明らかに技の切れが鋭い。


《見事なパンチだ。他のやつらと一緒にするなと言うだけのことはある》

 などと考えつつも、軽やかに攻撃をかわしたにゅうめんマンは、ある程度手加減しながら反撃のハイキックを敵の頭に打ち込んだ。タジキスタンの館長はたえられずに崩れ落ちた。


「タジキスタンの館長がこんなあっさりやられるとは……」

 ウズベキスタンの館長が言った。


それから、カザフスタンの館長がにゅうめんマンに宣言した。

「1対1ではお前にかなわないことを認めなければなるまい。フェアではないが全員で攻めさせてもらうぞ。こちらも遊びでないのでな」


倒れていたタジキスタンの館長もすぐに起き上がり、中央アジア戦隊の4人組はにゅうめんマンをすばやくとり囲んだ。


それから数秒間にらみ合いになったが、次の瞬間、驚くべきシンクロ率で、4人は一斉にゅうめんマンに殴りかかった。四方から完全に同時に攻撃されて、さすがのにゅうめんマンも危ないところだったが、困ったときの大ジャンプをして、間一髪で敵の一斉攻撃をかわした。


そして、跳び上がったにゅうめんマンが着地するやいなや、今度は敵のうち1人だけが殴りかかって来た。——と思ったら、それはにゅうめんマンの注意をそらすフェイントだった。残りの3人は再び一斉攻撃をしかけ、ついに、にゅうめんマンに攻撃を当てることに成功した。最初にフェイントした1人もすぐにそれに加わり、全員でにゅうめんマンを袋叩きにした。


「くっ」


にゅうめんマンは反射的に体を丸めて防御したが、まだ治り切っていない傷口を殴られたときなどは強く痛んだ。いつまでも殴られ続けているわけにはいかない。


「うおおおお!」


馬鹿力と体の丈夫さに任せてにゅうめんマンは前方に突進し、敵の包囲を突破した。それでとりあえず危機は脱したが、なかなかに気の抜けない相手だ。


中央アジア戦隊の4人は再度にゅうめんマンをとり囲もうとした。だが、にゅうめんマンにもある程度の学習能力があったので、包囲されることを警戒し、簡単にはそうさせなかった。その結果、すきをついて敵をとり囲もうとする4人と、それを許すまいとするにゅうめんマンが、神経をとがらせつつ、ひょこひょこ動き回る展開になった。


《こんなふうにひょこひょこしていても、らちが明かない。ここは1つこちらから攻めてみよう》


そう考えたにゅうめんマンは、突然、一番近くにいたトルクメニスタンの館長に疾風のごとく体当たりして、激しく地面に打ち倒した。戦いなれた残りの3人はそれにひるむこともなく、むしろ敵にすきが生まれたこの瞬間を攻撃のチャンスと見て、すばやくにゅうめんマンに襲いかかった。だが、そこまで見越していたにゅうめんマンは、相手よりも一層素早く動いて攻撃をかわし、そのままでたらめな方向へ走って逃げ出した。


ウズベキスタン、カザフスタン、タジキスタンの館長は、急に逃走したにゅうめんマンを猛烈に追いかけた。数え切れないの来場者たちの間を縫って、男たち4人は博覧会の会場を走りまくった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ