表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
脳内ヒーロー洋二  作者: 井田雷左
57/80

第六章 バカが義体でやってくる 7



    7



洋二は再度、寺田に撮影を指示した。

巧く撮れていないんだから仕方ない。

そしてクレゼンザにも指示した。

「次曲だ」


♪朝 目がさめて

真っ先に思い浮かぶ 君のこと

思い切って 前髪を切った

「どうしたの?」って 聞かれたくて


「あ、アレ、なんだ?」

「か、カラスの大群、っか!?」

「いや、あ、あの羽音はべ、別の」

林田、桜木、大森の順に云う。

それらはじょじょに数を増していき、校庭の空を覆った。

「お、おい、オレたち、もう謝ったじゃないかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~!」

「もう、む、ムリだよ。も、もう、動けないよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ~!」

「こ、これ以上は、こ、壊れる」

林田、桜木、大森の順に云う。

そのカラスの大群と当初、桜木が間違えたものは洋二が仕込んでおいたドローン、約二百機だった。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ~!」

誰ともなく叫んだ。


♪ピンクのスカート お花の髪飾り

さして出かけるの

今日の私はかわいいのよ!


「もう、ほ、本当に勘弁してくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ~!」

「らめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ~!」

「ママぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~!」

林田、桜木、大森の順に云う。


♪メルト 溶けてしまいそう

好きだなんて 絶対にいえない

だけど


「やり過ぎだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」

「て、寺田ぁぁぁぁぁぁぁっ~! と、撮るなぁぁぁぁぁぁぁ!」

「お、おまえ、いつの間に!」

林田、桜木、大森の順に云う。

先程の奪った19機のドローンに、現在洋二が操る二百機のドローン、そして洋二の搭乗する複製生体の二つの瞳でも録画はされていた。

だが、洋二としては仲間割れで撮られた、という映像を欲していたのだ。

三人の頭上を何度も、何度も、何度も、黒塗りのドローンが絶えず、かすめる。

逃げ惑う三人。

もう足がもつれ、息が上がって、思うように動けない。

このドローンに武器を仕込んでおく準備期間はなかったのだが、全台に小型スピーカーをオプションとして取り付けることは可能だった。


銃弾やバズーカが発射される音。

急降下爆撃の音。

炸裂音。

ビーム兵器の音。

不思議ソング。


以上を奏でながら、まき散らしながら二百機のドローンは跳梁跋扈するのだ。

「もう、ダメ、だ」

林田がその場に倒れる。

「ここまで、だ」

桜木が転んだ後に虫の声で囁く。

「ママ」

大森は考えるのをやめた。

洋二は脳内のレーダーで認識していたが、あえて校庭に出て来ていた寺田と江野に一瞥をくれた。

「どうだ、撮れたか?」

洋二は面倒くさくなったのか、寺田の見える位置にいるというのに、スマホを耳に当てず、そう伝えた。

「へい、オヤビン、今度はバッチリでやんス」

寺田は興奮状態からか、スマホ等の通信機器を使わずに会話していることを特に疑問にも思わず、そう返した。

「姿を三人の前に出すとは意外だったな」

「ヘヘっ、お褒めいただいて感謝いたしやス」

洋二の脳内では数秒後に兼崎がこの場に現れることが認識されていた。


♪メルト 目も合わせられない

恋に恋なんてしないわ わたし


だって きみの事が 好きなの

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ