依頼7
どういうところが面白かった、面白くなかったなどの評価をください。
単に、面白かった、面白くなかっただけでもいいです。
少し場の雰囲気を明るくしようかと笑ってみたが、自分でも上手く笑えていないことが分かる。
自分の中でも、笑うべきときなのか、なんで笑おうとしているのか上手く理解できていないせいだろう。
そんな私に対して、優しく妹さんが声をかけてくる。今度は心配ではなく、はっきり断言して。
「大丈夫、恵琉にぃはアルちゃんのこと嫌いになってなんかないよ」
さっきの出来事を見て、どうしてそんなこと言えるんですか。
私がそう思っていると妹さんは言葉をつなぐ。
「私はさ、恵琉にぃみたいに電脳のこと嫌いじゃないから、別にPC使うのが嫌とか無いんだよね。どちかというとかなり便利だし、喜んで使ってるんだけど」
急に何の話だ、と思ったが何か訳があるのだろうと思い、とりあえず話を聞くことにする。
「だから恵琉にぃには、電脳嫌いを克服してほしくて、何度も『PCの調子が悪いから見て』とか言って電脳に触れさせようとしたんだけど、一度も見てくれなくてさ。でもある時期から急に見てくれるようになったんだよね。……あれってアルちゃんのお陰だと思うんだ。だって、アルちゃんが恵琉にぃと出会ったのと同時期なんだもん。……恵琉にぃは……言い方は悪いけど電脳の塊のアルちゃんに出会って、一緒に生活することで電脳へ触れることへのハードルが低くなったんだよ、きっと」
妹さんが言葉を切った。その隙に、私が言葉を挟む。
「で、でも、それは妹さんの努力の結果かも……」
「私もそう信じたいけどね。でも違う、アルちゃんだよ。アルちゃんが家に来たっていう二年前から恵琉にぃ、明るくなったもん。今頃、きっと後悔してるよ、恵琉にぃ」
「ホ、ホントに……そう……思いますか?」
私が恐る恐る聞くと、妹さんは苦笑しながらそう答えた。
「うん、多分。両方……ね」
両方、の意味は分からなかったが、うん、と肯定してくれたことが嬉しかった。
「恵琉にぃには私から話しておくから、安心してて。多分いっときしたら降りてくるから」
妹さんの優しさで、今まで出そうででなかった涙が滝のように溢れてきた。
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顔を枕に埋めてどれだけ経っただろう、と思い近くにあるはずのタッチ式の携帯を手探りで探す。
数秒探して見つからないことが分かり、起き上がり目を使って探す。
机の上にあるのを見つけるが取りに行くのが面倒なので壁に掛けてあるデジタル時計を見る。
部屋に戻ってから四十分ぐらい経っていた。
朝から一度もトイレに行ってないので、そろそろ尿意が半端じゃないがトイレは一階にしか無い。しかし、アルにあんなこと言った後だ。一階に行こうにも行けない。
第一、何であんなことを言ってしまったのだろうか。心にも思っていないこと、ではないが本心ではない。
確かにアルは電脳の塊だが、この二年間でアルがただの電脳とは思えないほどには接してきた、つもりだ。正直いうとアルと過ごした日々は楽しかったし、今まで生きていた中でーーいうほど生きてはいないがーー一番充実していた。
しかし、俺が電脳が嫌いなのも本当なのだ。いくら、アルの頼みだとはいえ、そう簡単にあの頼みごとを受けることはできない。
そう思っているうちに、尿意が限界に近づいてきた。
気まずさを我慢してトイレに行こうかどうか迷っていると、扉を叩く音が聞こえてくる。
「恵琉にぃ、起きてる?私コンビニ行ってくるけどいるものある?」
ノックの音に続き聞こえてきた声は妹のものだった。四十......いや四十五分前のことを全く無視した話題だったので少し驚いたがとりあえず答える。
「い、いや、別に何もないけど......」
「そう。じゃあ、行ってくるね。......あ、そうだ!恵琉にぃ、アルちゃんと仲直りした方がいいよ。一応私がフォローしておいたから」
どもです。逢楽太です。
前回の投稿から一週間で投稿という初めてのことができてとても嬉しいです。
今回の話は母方の祖父母の家で書きました。驚いたことに、家で書くより早く、筆が進みました。いや、驚いた。
今年の投稿はこれが最後です。
今年のお年玉はどのぐらい貰えるのか、楽しみですね。溜まったお金でゲームを買う予定なので、できるだけたくさん欲しいですね。
来年は始めての携帯を買ってもらう予定なので楽しみです。iPhone5を買ってもらう予定です。個人的には普通のスマフォよりiPhoneの方が使いやすかったですね。
それでは、一足早く新年の挨拶を......
新年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
感想お待ちしています。
それでは。ノシ