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28 一波乱⁈

 




【セポ】を出た私たちは、更にダンジョンの奥を目指して進んでいく。

 フーちゃんが、セーフティスポットのことを【セポ】だって言って譲らないから、私もこれからは【セポ】と呼ぶことにした。



 絶対誰にも通用しないと思うんだけどなー。

 フーちゃんは

『流行の最先端やっ!』

 なんて言ってたけど。笑




 ガサッ・・・!




『きよったで!あれは・・・ホーンラビットちゃうで!』



 遠くの茂みから灰色の狼が四体、こちらに近づいてきている。

 ホーンラビットとは大きさが全然違う、大型犬ほどの大きさだ。



「あれって、狼?」


『そや、灰色狼アッシュウルフやな!身体も大きいし、足も速い!けど、全然大丈夫や!今のワイらの敵やないでー!』


 フーちゃんの掛け声と共に、ズーマがスピードを上げ狼へと向かっていく。

 前にいる四体の狼も、すでに戦闘態勢をとっている。

 スピードが速いと言っても、ホーンラビット程ではなくすぐに対応できた。

 ズーマが爆速で攻撃を交わしつつ、一体ずつ轢いていく。

 そして、すべて倒しきるのにそんなに時間はかからなかった。



「ふぅー!最初、ホーンラビットじゃなくて身構えちゃったけど、フーちゃんが言ったとおり大丈夫だったね!」


『せやな!ワイらのシンクロ率も上がってるし、体が羽根のように軽いでっ!ってワイ、鳥やねんけどなっ♪』



 初めての狼を無事に倒して、和やかな雰囲気になっていた。


 ・・・・・・あれ?システム音が鳴らない?



 いつもならとっくに鳴っているはずのシステム音が聞こえなかった。

 エラーかな?それとも聞こえなかっただけ?

 それとも・・・



 ハッとなって周りを見回す。




「っ!!フーちゃんっ!周り見てっ!」


『なんやー?・・・って、狼に囲まれてしもーてるやんっ!!!!な、何体おるんや?』


「わかんない・・・!いつのまに囲まれたんだろっ・・・」


『最初の4体は囮やったとか?・・・ワイらが戦いに夢中になってる間に、囲まれたんやろな!』



 ざっと見回しただけでも30体くらい、いそうだ。

 こんな大勢に囲まれて、どうやって戦えばいいんだろ?



『大丈夫や!ズーマの爆速と回避と硬化があれば、無敵やでっ!とにかくいままでと同じや!あいつらの攻撃を回避しまくって、轢きまくるでっ!』


「わ、わかった!」


 今まで通り、落ち着いて一体ずつ轢いていこうっ!

 少しずつ数を減らしていけばっ・・・!



「ズーマ、フーちゃん!よろしくねっ!」


『おうっ!いっくでー!!!』


 ズーマが黄色く光ったのを見て、ペダルを漕ぐ。


『まずは、一点突破や!円になってるとこ崩すでっ!』


 囲まれているうちの一点を狙って、走り出す。

 四方八方から狼が迫ってきている。


 怖いっ・・・!

 ハンドルを握る手が震えている。


 大丈夫・・・落ち着いて・・・!



 次々と襲いかかってくる狼を、回避で躱していく。

 躱したと思っても、すぐに方向転換してこちらに戻ってくる。


 くっ・・・やっぱり数が多い!

 襲いかかってくる狼たちを、躱すのが精一杯だ。




『いまやっ!!!』


 襲いかかってきた狼の顔に、フーちゃんが飛びつく。


『ワイがこいつ押さえてるうちに、轢いたれー!!』


「わかったっ!」


 フーちゃんが押さえてくれている狼に向かって突進する。

 途中、横から他の狼達の攻撃を受けてしまった。



 うっ、いったい!硬化を使ってても、少し痛みは感じる。

 でも、これくらいならっ!



 ドンッ・・・一体目!



 フーちゃんが次の狼へと飛びつく。



 ・・・二体目!・・・っ三体目!



 フーちゃんが体を張ってくれたおかげで、次々と狼を倒せている。



 ・・・十五体目っ!



 はぁ、はぁ、は、半分くらい倒したんじゃないっ⁈⁈


 一気に倒されたことで、狼側の陣形が崩れてきている。



『ええ調子やー!絃、ズーマ、大丈夫かっ?めっちゃ突進されとったやろ!』


「だ、大丈夫!ズーマの硬化のおかげで、かすり傷一つ付いてないよっ!」


『ワイらめっちゃ成長してるから、ちょっとやそっとの攻撃じゃ傷つかへんでー♪まだまだいくでー!』


 さっきと同じように、フーちゃんが狼の顔めがけて飛んでいく。

 ズーマと私もフーちゃんに続いて、向かっていく。



 ・・・二十・・・二十五っ・・・


 ・・・に、二十九体目ーーーー!!!



 あと一体っ!



 フーちゃんが飛びついている、最後の一体へ向かっていく。



 ・・・へ??




 最後の一体となった狼の後ろから、真っ白な狼が歩いてきている。


 真っ白な毛並みは、キラキラと輝いていてすごく綺麗だ。

 ゆっくりとこちらへ歩いてくる姿はとても神々しい。



『おーい!はよ最後のやつ轢いたってやっ!ワイ、しがみつくの疲れてきたでー!』


「ご、ごめんっ!」




 ドンッ——



 アッシュウルフの最後の一体を倒した。



「フーちゃん、あれ・・・」


『あぁ、大将のお出ましみたいやな!あいつがアッシュウルフの指揮取ってたんやろな!せやけど、地下二階にあんなん出でくるか・・・?』


「え!どういうこと?」


『・・・アッシュウルフは普通、四・五体で行動すんねん。さっきみたいに、何十体もおるんは異常やで。相当強いやつが頭におらな、アッシュウルフが言うことなんか聞くわけないねん!あいつら基本アホやしな!』


「そ、そうなんだ・・・」


『ワイの情報では、地下二階にそんな強いやつおるはずないねんけどなー!しかも、ワイも知らん魔物やっ!絃、ズーマ!気ぃ引き締めていかなあかんで!』


 フーちゃんも知らない魔物って⁈

 フーちゃんは、ダンジョンのこと何でも知ってるんだと思ってた。

 改めて、白い狼を見る。


 狼は、私たちの少し先で止まって、こちらを見ているが攻撃してくる様子はない。




 ふと、狼の背中で虹色に輝いている何かが見えた。










最後まで読んでくださってありがとうございます✨


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それでは、また次の話でお会いしましょう!!


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