180話 誕生日会①
誕生日会の始まり~
色々と凹んだが、明日の誕生日会までのんびり過ごす事にした。
気分転換に『ホテル自慢の大浴場』に行ってみた。
しかし、他の男性客にジロジロ見られて落ち着かず、すぐに部屋へと戻って露天風呂に入りなおす。
「全く···何なんだあの客達は?人の事を遠巻きにジロジロ見て···。失礼過ぎだ」
露天風呂に入りながらぶつぶつ文句を言う。
人目を気にしないとは言え、あれだけ見られると、さすがに嫌になる。
露天風呂で気持ちを落ち着かせ、転移で先程行った『ハンバーガー店』に行って持ち帰りでハンバーガーセット(大)2セットを購入して部屋に戻る。
会計は日本円で出来た···
1セット2400円(持ち帰り価格)だけど、あの量でこの値段は安いなぁ···
(『ドリンク飲み放題』分安い様だね)
買ったハンバーガーセットは白達の分だ。
テーブルにバーガーを並べて、ポテトは皿に移して隣に置く
ゴミは格納庫のゴミ箱に入れて処分する。
白達は夢中で食べていき、全部食べきった···。
相変わらず凄い食欲だね
後は特にする事も無いので、部屋で過ごす志希であった。
旅行3日目 誕生日会当日
誕生日会は朝から始まった
ホテルから移動して巨大ドームに入り、そのドーム内で立食式で行われる。
さすが『雨宮商会の現当主の誕生日会』だ
スケールが違うね
有名人がいっぱいだ
政治家や芸能人が誠さんに挨拶をして、挨拶が終わると他の人達と話している···
僕は目立たない様に気配を消して、誠さん達のやりとりを見ていた。
端から見ていて思う···
(本当に『お祝い』をしに来た人はいないのか···)
『笑顔の仮面を装着し、空っぽの言葉を発して、さっさと立ち去る』
誰も『誠さんを祝いに来ていない』···
なかには本当に祝っている人もいたが、大半は『自分の事をアピールする為だけ』に来ている···
あっ、今人気の女優と俳優だ。
凄いなぁ···笑顔が不自然だわ···『緊張してます』アピールしてるけど、本音は『顔を憶えてもらおう』って出てる。
次は大人気アイドルか···皆同じだな···本音は『自分の為』って出てるわ···
誠さんも笑顔でいるけど、やはり寂しそうだな···
(誠さんが『一緒に祝ってくれるだけでいい』と言った理由をこの場を見て理解したよ。これならやらない方がマシだ。)
しかし、大人の世界はそうはいかないのを、少なからず知っている。
これは『誕生日会』というただの『定期的な行事』だ
そう割りきってみると、しっくりくるね。
途中でミニゲーム等もあるが、いまいち盛り上がっていない様に感じる。
皆少しでも『自分の味方作り』に忙しいのだろう···
外見は盛り上がっている···
しかし、目は『興味が無い』と言っている。
一応隠しているが、時々見える。
僕は『直接関係無い』から見る事ができる。
皆『目の前と周りを警戒する』が、それは『関係者に集中』される。
『関係無い』僕を最初は警戒するが、そんなに長くは続かない
それに、精々『執事見習い』くらいにしか見られていないだろう
僕の今日の格好は『執事服』に似ているからね。
だから緩む警戒心···
一瞬見える本音の顔···
プロなら『徹頭徹尾』最後まで隠そうね?
僕は『親戚連中のお陰で』そういった顔を理解できるんだ。
誠さんの疲れを少しでも癒すために『雫』に頼んで『栄養水』を出してもらい、誠さんが一息ついたタイミングで持って行った。
「お疲れ様です。『お水』をお持ちしました。これで喉を潤して下さい。」
誠さんに『栄養水』を差し出し、後ろに控える。
「ありがとう。(すまないね···執事みたいな真似事をさせて)いただこう。」
「いえ、何時でもお申し付け下さい。(大丈夫です。頑張って下さい。)」
空になったグラスを回収して速やかに移動する。
そしてこの『誕生日会』(行事)は僕に『新たな覚悟を決めさせる出来事』が待っていた···
次回『誕生日会②』




