179話 飴玉を売ろう?えっ?サンプルは無料提供!?
誠さんは飴玉を気に入った様子です。
カフェに入って飲み物を注文し、席に座って一息つく
「落ち着きましたか?」
「うん。すまないね。ついつい暴走してしまったよ···。他は大丈夫なんだけど、ラムネには目がなくてね···。しかも『今までにない再現度と美味しさで、我を忘れてしまった』よ。」
気まずそうに話す誠さんに、少しだけ親近感が湧いた。
「それでは本題に入ろう。あの飴はラムネ味だけじゃないのかな?」
「はい。何種類かあります。えっ···と、今はこれだけです。」
テーブルに『スイーツ飴』を出す
とりあえず『シュークリーム』『バウムクーヘン』『牛乳プリン』を出す。
誠さんは一つ一つ手に取り、僕は一つ一つ説明する
「ふむ···これは面白いね。話によると『他のスイーツ味とかも研究している』らしいね?」
「それならサンプルが必要だよね?『商会で販売許可を貰えれば、サンプル品を無料提供する』と伝えて欲しいのだが、頼めるかな?」
「伝えるのは構いませんが···仮に許可が出たとして『スイーツはどうやって渡します』?···焼き菓子なら大丈夫ですけど、他は難しいですよ?」
「それなんだよね···志希君は何かいい案はないかい?」
「そうですねぇ···焼き菓子限定では駄目ですか?生菓子は無理でも焼き菓子なら大丈夫でしょ?」
無難?な意見を出すと、誠さんも「それしかないかぁ···」と、残念そうにする
「えっ···と、仮なんですけど『サンプル品の購入レシートとかを確認して、後から代金を払う』とか駄目ですか?それならサンプルを無料提供の形はとれそうですよ?」
苦し紛れで案を出す
「それは···アリだね。うん。後から払えばいいか···それで打診してくれるかい?」
「わかりました。話をしてみます。」
そう返事をした時、世界樹が『待った』をかける
(志希さん。その話無理がありますよ?飴は『薬師の興味』程度の話ですよね?それにスイーツはともかく『魔法の実の成分表記』とかどうすんです?)
そうだった!!スイーツ無料の話で肝心な事を忘れてた!!
成分表記なんか出せる訳がない!!
(化粧水と入浴剤も表記出来ないじゃん!!)
(そちらは大丈夫です。それっぽいの配合してますから。しかも世に出る程売りませんよ。)
(ならいいのかな?これから気をつけよう···)
落ち着きを取り戻した僕は『何かを思い出した』風を装い、申し訳なさそうに話をする。
「誠さん···すいません。大事な事を忘れてました。この飴を貰った時に薬師に『珍しい物だから販売しないの?』と聞いたんです。」
思い出す様に話を進める。
「彼の返答はこうでした。」
『この飴は研究の合間で作った未完成品で、これを販売する気はない。しかし、また作ったらその時はまたあげるよ』
「そう言ってました。」
それを聞いた誠さんは残念そうにする。
「そうなのかい?それは残念だ···。でも、気分を害して『取引に影響があるかもしれない』のはよくないね。今回の話は白紙にしよう。」
あまりにも残念そうにする誠さんに、1つだけ提案してみよう
「販売はしないけど、『またくれる』と言っていたので、次回また貰ったらお譲りします。それなら大丈夫ですよね?」
「···確かにそうだね。でも、次はいつになるのかな···正直一週間に一回のペースで最低100個は欲しいね···」
一週間で100個って···どんだけ気に入ってるの!?
まぁ、半月に1回ぐらいで我慢してもらおう···その時は100個は無理だけど、なるべく多めに渡してあげよう。
そう決めた志希はとりあえずホテルに戻ったら、飴を一袋誠さんに渡す事を約束すると、誠さんはタクシーを呼び、2人はホテルへと帰るのであった。
結局買い物もあまりしないでホテルに戻ったが、後半の1日で買い物すればいいか··
以下、部屋に戻った後の世界樹との会話
「ラムネ味の飴は作成可能ですけど、あの時は志希さんが暴走しそうだったので、止めさせて貰いました。」
さらに世界樹が「ラムネ菓子の成分に飴の分を足せばいいのでは?」と、言ってきたのを聞いた僕は、暫く落ち込んだ。
次回『誕生日会』




