意外な一面
お待たせしました!今回もちょい長めです。
3日目を終えて4日目、5日目とあっという間に過ぎていく。2日間は特に何事もなく平穏だった。そんなトラブルがほいほい起こってたら流石に僕たちも疲れちゃう。
莉緒と2人でひたすら色んな発表を見て回った。4日目の理科は面白い公開実験があって見入ったり、5日目の社会では、今起こっている社会問題について解決方法をプレゼンテーションしてる人の発表を聞いたりした。
2日間で1つ変わったことがある。僕と莉緒が手伝った事が噂になりちょっとした有名人になっていた。
メイド喫茶の人達や演劇の人達がライブの宣伝の貼り紙やチラシの配布をしてくれて、すれ違う人達に声を掛けられる事が何度もあった。応援の言葉をいっぱい貰って嬉しくなった。
そして、6日目に至る。
今日はバンドの皆と見て回っていた。もちろん、みんなと祭りを回ることで士気を高めるといった狙いがある。本当は4、5日目も皆と、と思っていたんだけど、トラブルがあってゆっくり見て回れなかったところもあったから6日目だけにした。
「この絵、優のだよね?」
莉緒は1つの絵を見ながら山中さんに聞く。どうやら。美術作品を別に提出していたようだ。
大祭は提出、発表は一科目のみでも良いことになってるけど、希望すれば2科目以上やっても良い。
ただ、大祭の期間に発表できる時間と場所は限られているので、メイン以外は掲示物のような飾っておける物とかになる。
「絵は好きだからな、ライブとは別にやらせてもらったよ。」
うむ、と山中さんは莉緒にこたえる。
そこには綺麗な一本のひまわりの絵が1枚飾ってあった。油絵でどっしりと生き生き描かれている。
細部までこだわって作られいるのが良くわかる。
「へぇ~。山中さんって絵も凄いんだね。」
僕は感嘆の声を漏らす。相変わらず、語彙力がないと思う。
「ハハハ。照れるじゃないか。」
山中さんはまんざらでもなさそうな顔をした。
「でも、なんで秋なのにひまわりなの?夏に咲く花だよね。」
僕は不思議で聞いてみた。
「秋になると咲くひまわりの種類があるんだ。この時期のひまわりは、夏とは違った色合いなんだ。実際に見るとなかなか綺麗だぞ。」
優しい口調で答えてくれた。
「へぇ~・・・。知らなかった。」
言われてみれば、確かに夏に見るひまわりとは違った色合いで描かれている。
龍と紫音も感想こそ言わないが、じっと見ていて何かを感じ取っている様子だった。
その後、皆でなんちゃってファミレスに入り食事をした。20人以上のグループが協力して運営しているお店。席数は100%着席で100名程の広さ。
ベビーカーのお客様にも対応できるようにスペースをしっかり確保しており、とても配慮が行き届いた作り。
ここまでの事を学校内の行事で出来るのが驚きだし、それを運営しているグループも凄い。
ここでビックリしたことは、紫音が食後に大きいパフェを頼んで一人で食べた。
「紫音って甘いの好きなんだね・・・。」
僕はお店よりも紫音の意外さにビックリしていた。
「甘いモノには目が無くて・・・。」
紫音はちょっと気恥ずかしそうにしながらも、ひたすらモグモグしている。
そんな姿を見ると可愛らしいところもあるんだなって思った。
「みんな、妹の甘いモノ好きには最初ビックリするんだよな。」
ハハハ、っと龍は笑っている。
「そういう龍は辛いモノが好きじゃん。」
紫音は反抗するように言う。
「え、そうなんだ。双子なのに真逆なんだね。」
僕は龍を見る。
「あぁ、双子だから同じって事は無いぞ?ビックリされることは多いけどな。」
龍はなんてことの無い様だ。たぶん、慣れてしまっているのだろう。
「そっかそっか、なんか今日はみんなの意外な一面っていうか新たな一面が見れて嬉しいよ。」
僕は皆を見て笑顔でそう言った。
「それ言ったら、お前が一番だからな。」
龍は突っ込むように僕に向かって言った。紫音と山中さんも、うんうんっと首を縦に振っていた。
・・・確かに、僕の男の娘ぶりには皆とても驚いてた。
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