14話 レベルアップ
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日が真上に差し掛かるまで、もう少し時間がある。
俺は、再び安静にしている、横になり太陽と睨めっこしている。
そして、幼女であるリルは、俺の腹の上に腰を下ろして、足をぶらぶらさせている。
ついでに、狼のポチもそれに便乗するかのように、俺の腹より下に陣取っている。
あれから、どれくらいの時間が経っただろうか。
ネロとヤキトリを待つ事になり、俺は直ぐ様仰向けになった。
正直、上体を起こしているのも辛かったのだ。
痛みは和らいだとは言え、完全に傷が治った訳ではないからだ。
その時、横になりながらもリル達の様子を伺っていたのだが、直ぐに後悔する事になった。
リルが狩ったウサギの首を落としたのだ。
血抜きと言うやつだ。
あの小さな手で手刀を繰り出す手際は見事だったのだか、如何せん、グロい事に耐性がない者としては、首から滝の様に流れ落ちる血には、さすがにこたえた・・・。
そして、そんな状態のウサギをニコニコしながら掲げているリルの姿は・・・ホラーだった・・・。
『精神耐性を覚えました』
【精神耐性】
パッシブスキル。
精神攻撃などによる耐性がつく。
レベルが上がれば上がる程、耐性が上がる。
うん・・・今頃どうして精神耐性と言うスキルを覚えたのかな?
今まで、称号などで精神攻撃受けてたと思うんだけど・・・。
もしかして、自分は悪くないと言う意思表示ですか・・・?
ふざけんなああああああああ!!
・・・・・・・・・・・・
まぁ…そんな事もあった訳だが、気にしたら負けだ・・・。
そして、暇を持て余していたリルが話し掛けてきたので、精神何たらの件はなかった事にした。
「おにいさんは、けがしてるですー?」
横の左腕の怪我に気が付いたのだろう。
ぶらぶらしていた足が止まり、自分の胸元をゴソゴソ漁っている。
「ああ…なかなかの強敵でな…不覚にも攻撃を受けてしまったんだ」
さすがに、ゴブリンにやられたとは言えない。
ゴブリンのステータスは、見るからに弱い部類に入る。
そんな雑魚にやられたとは、間抜けにも程がある。
「これをつかうといいですー」
渡してきたのは、首から掛けられる様に紐をが通された小壺だった。
「これは?」
「それは、きずぐすりですー。よくきくですよ」
「ありがとう。有難く使わせてもらうよ。」
「あい」
早速、傷口に傷薬を塗って行く。
薬草の時はかなりの痛みに声が出てしまったが、今回は全く痛みを感じない。
気の所為か…傷口が塞がっている様にも見えるのだが・・・。
先程まで動かすのも辛かった左腕が、動かせる程まで回復している。
この薬は、かなり優れた物のようだ。
「ありがとう。この薬のお蔭で傷が治ったよ」
「これ、おかあさんがくれたのですー」
「じゃあ…お母さんに会ったら御礼をしなくちゃな」
「はいですー」
こんな薬を持っているなんて、かなり裕福な家庭なのか?
リルの姿からはそうは見えないが・・・。
偶々、手に入った物を娘に渡したとか?
まぁ…回復出来たのは助かった。
このまま、リルの家に行くにも魔物との遭遇は考えられるからな。
「おにいさんは、なんでたびしてるですー?」
「自由を求めてさ!」
まだ、旅に出て数時間しか経っていないけどな。
職業が無職なんて言えない。
まぁ…間違いと言う訳でもない。
職業なんてものには縛られることはない!自由な職業!!・・・・・・と言う意味ではだけど・・・。
言っていて、虚しくなる・・・。
身体的な傷は塞がったが、精神的な傷は寧ろ、広がり続けている。
「かっくいいですー」
何故だろう・・・。
眼をキラキラさせて、憧れの眼差しで見られているはずなのに、止めを刺しに来ている気がする。
『精神耐性のレベルがLv.2に上がりました』
そうか・・・お前が居たな・・・。
こういうタイミングで出て来るのはこいつしか居なかったな・・・。
「ただいまー」
「カァー」
主に、精神耐性の力を発揮する相手を再確認していると、ネロ達が戻って来た。
ネロが引っ張って来ているデカイ猪が目に入る。
明らかに大きさ的にネロが引っ張って来れる大きさではない。
ネロとデカイ猪の顔の大きさが同じぐらいなのだ。
そんな自分より大きな物を引っ張って来れるネロの底が知れない。
「誰なんだい?その子達は?」
ネロは俺と一緒に居るリル達に視線を向け、首を傾げている。
それもそうだろ…自分がいないこの数時間の内に人数が増えていれば、疑問に思うのも当然だ。
「リルといいますですー。こっちはポチですー。よろしくですー」
リルはペコリとお辞儀をする。
相変わらず、ポチの方は我関せずと言わんばかりの無反応。
「ボクはネロ。こっちはヤキトリ。よろしくね」
「ヤキトリ?たべるの?」
ヤキトリの紹介はこれがお馴染みになりそうだな。
「違うよー。名前がヤキトリってだけ。食べないよー」
「カァー」
すまん。ヤキトリ・・・。これから色々苦労すると思うが、一緒に頑張ろうな。
「ビッグボアはたべるの?」
「そうだね。精が付く物を食べないといけないからね。丁度良くビッグボアが居たから獲って来たよ」
どうやら、怪我をした俺のために獲って来てくれたようだ。
ここは、俺も調理手伝うかね。
「じゃあ…俺、火を付ける枝探してくるわ」
「あれ?もう、傷はいいのかい?」
「ああ…リルから貰った傷薬を塗った直ぐ治った」
「そっか…治ったんだね。それは良かったよ」
「あ…そうだ。リルが今日家に泊めてくれるらしいんだが、いいか?」
「それは有り難いね。お願いしよう」
「そういうことだ。お願い出来るか?」
「あい」
リルが元気よく右手を上げ、了解を表す。
それから、枝を拾いに行く。
そこまで、遠くに行く必要もなく、そこら辺を探せば直ぐに見つかる。
集めた枝に火を付け、ネロがビッグボアを解体しているところへ向かう。
「解体した物から焼いていくぞ?」
「うん、人数も増えたから、これぐらいの大きさなら丁度いいね」
え?これ全部食べきるつもりなのか・・・。
人数が増えたからと言っても、5人ではどう見ても半分ぐらいしか食えないと思う。
小さい者が二人居るから、それよりも少ないか。
まぁ…余ったらアイテムボックスに入れとけば良いんだけどな。
それから、焼き肉パーティーとなった。
俺は途中で腹が一杯になり、焼き専門になった。
驚いたのは一番食べていたのは、ネロとリルであった。
どう見ても身体よりも食っている量の方が多かった。
恐るべし、ちびっ子の胃袋。
食べ終わった俺達は早速リルの家へと向かうことにする。
「リルの家ってどっちにあるんだ?」
「あっち」
リルガ指差す方向は、協会がある方向の反対であった。
つまり、俺達が最初に向かおうとしていた方向と同じなのである。
これは幸いと、リルとポチを先頭に歩き始めるのであった。
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
しばらく歩くと2つの気配を察知する。
前方からこちらへ向かってくる。
おそらく、魔物だろう。
「前方から2体くるぞ!」
俺がそう告げるのと同時でゴブリンが2体突っ込んできた。
リルとポチが避けたことによって、狙いが俺達に狙いを定めたようだ。
もう無様な姿を晒すわけにはいかない。
俺は、身体強化と体術を使い、2匹同時に蹴りを食らわせる。
2匹のゴブリンは吹っ飛んでいき、木々によって止まる。
あとは、安定の頭を潰して終わりとなる。
最初と比べると、少しはまともに戦えている気がする。
この調子で、どんどん戦っていくことにした。
気がつくと俺だけが戦っているようだ。
どうやら、ネロ達から俺のレベル上げの事を聞いたようで、リル達も後ろで控えているだけになった。
苦戦するわけでもないので、どんどん倒していくことにする。
危なくなればネロ達が出てきてくれるだろう。
それにしても、ゴブリンの数が多いこと。
もう少しで100匹行くんじゃないかと思いながら、ゴブリンを倒す。
『レベルが上がりました』
お?どうやら初めてレベルが上がったようだ。
ゴブリンも今は出て来ないようだし、この隙にステータスを確認する。
【ステータス】
名前:シュン
種族:人族
状態:平常
Lv:2
職業:無
HP 30/30
MP 30/30
攻撃力 28
防御力 18
魔力 30
抵抗力 30
はやさ 28
運 50
【スキル】
異世界言語翻訳
アイテムボックス
鑑定Lv.7
鎌術Lv.1
体術Lv.3
HP自動回復(微)
テイムLv.2
魔力感知Lv.1
魔力操作Lv.5
MP自動回復(微)
身体強化Lv.1
隠蔽Lv.1
気配察知Lv.1
精神耐性Lv.2
【魔法】
生活魔法Lv.5
【称号】
世界神レイナの知人
異世界人
解放者
ヤキトリの主人
設定小僧
中二病
【加護】
世界神の加護
やっと、レベルが2に上がった。
長かった・・・。
どれだけ、倒してもレベルが上がらないから、もうレベル1のままかと思った。
これで、少しはマシになったかな?
けど、まだまだステータスは低いと思われる。
次のレベルを目指して戦い続けるのであった。
読んでいただいてあいがとうございました。
前話でリルのスキルに採取Lv.1を追加しました。
ポチの種族をワーウルフからウルフへと変更しました。
それとスキルに嗅覚Lv.5を追加しました。
ポチの唸り声「ぐるるるる」から「グルルルル」に変更しました。




