プロジェクトリーダーの一人言
「ふぅ………やっと、か……」
プロジェクトリーダーはイスに座りながら窓を見ながら呟く。
「疲れたよ………この時のために、何回繰り返したと思うんだ………」
デスクの上にある飲み物に手を伸ばす。
「もちろん、ここまで来たことは何回かあった……けど。その直後に色々と起きてしまったから、なかなかこのシナリオ通りにはならなかった。上手くいって、最後の一歩だったときも………あいつらが、邪魔をした」
鋭い目で窓の向こう側を睨む。
あいつら、に向かってだろうか。
「けど、あいつらの攻略方法も見つけた。準備はしてあるから………あとは、流れに任せれば上手くいく。そして………」
デスクの引き出しの中から一枚の写真を取り出す。
「あとは、月と星が動くだけ。その2人はもう巡りあった。やっと……やっと、歯車が噛み合った。他の、歯車も噛み合った」
立ち上がり、窓の近くに立った。
「シナリオのキャストは、完成した。このあとは流れに身を任せれば良い。敵が来ようが関係無い。あの2人は………世界を握っている。………さあ、解き放て!」
プロジェクトリーダーは窓を開けた。
強風が、部屋を荒らす。
「己の中にある…………すべての力を!!!そして………」
プロジェクトリーダーは写真を空へと放った。
「変われ!!!未来のため………このプロジェクトのために!!!あははははははは!!!!」
部屋には、笑い声が響いた。