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万全の体制と、雑談と

一通りの報告を受け、今日の手筈に付いてお聞きしている内に、車は大使館に到着する。

何か、久しぶりな感じがするわ。

大正(こっち)では三日ぶりだけれど、現代(むこう)でも三日過ごした訳だから、実質六日ぶりだものね。

まあ、産まれてからずっとだから、こう言う感覚にはもう慣れたわ。


車から降りると、同様に、実質久しぶりに会う方に声を掛けられる。

「お嬢ちゃん、今朝は随分、御ゆっくりだな」

何時もの通り、皮肉交じりのご挨拶ですわね。

で、やっぱり何時もの通り、爺と曹長さんに睨まれているわ。

「すまん、すまん。何しろ徹夜続きなもんでな、少々皮肉がこぼれただけだ。明治神宮の件も有るからな、お嬢ちゃんに対して含む処はもう無いよ」


「お早うございます、警部補殿。お陰様で、今朝はゆっくり朝食を頂いて、お紅茶も頂いてから参りましたわ♪」

「ハァ~、羨ましい限りだ……。で、上村さんから連絡は受けている。例の検査結果は出ている、これだ」

フォーマット通り書かれた用紙を数枚渡され、一通り目を通す。


「なんで、こんなモノが出たのか、事件にどう関わるのか、正直俺には想像も付かん。だが……役に立ちそうか?」

間違いないわ。

「ええ、とってもですわ♪最後のピースがはまりましたわ♪」

これで、全て整いましたわ。


「そうか、そいつは良かった。ってデカッ!!なんだ、この犬は!?」

そう言えば、ご紹介を忘れていましたわ。

「フフフ♪この子はイシャイニシュスさんと申しますの。事件当夜、ステラちゃんが見たと言う大きなワンちゃんですわ♪」

「コイツがか!確かにデカいな……って、お嬢ちゃん犬に『さん』付けって……」


諏訪さんが笑いを(こら)えているわ。

良く見ると、曹長さんも噛み殺してる感じだわ。

まあ、爺は見事にポーカーフェイスを保っているわ。

イタズラの方は順調だわ♪


「じゃあ、そろそろ、応接室の方に行きましょうか?」

と、諏訪さんが促す。

「少々お待ちに成って。もう一つ、いざと言う時の為に準備が有りますの」


二つ結ひ(ツインテ)のリボンを解き、カメオに魔力を流す。

カメオは白く発光し、大きく成って二匹の成猫(せいねこ)に。

今日は、第二形態で召喚。

でも、このままでは、咄嗟の対応で困るかも知れないわ。

もう一つ……。


昨日と同じ手順で、さらに二匹に魔力を送り、刀印で第三形態、妖精猫(ケット・シー)の封印を解く。

ただし、成猫(せいねこ)の姿を留めたまま。

これで、この子達が自分の判断で、妖精猫(ケット・シー)の姿に成ることが出来るわ。

「本来の姿に成るタイミングは、ノワール、ブラン、アナタ達の判断に任せるわ」

「ニャー♪」

「にゃー♪」


「準備は出来ましたわ。では、参りましょう」

コヨーテと猫二匹、少々獣率は高いですけれど♪



大使館の敷地には、スーツ姿の日本人が多く目立つ。

「諏訪さんこの方達は例の?」

「ええ、大使閣下に許可を貰って、警備に当たらせている者たちよ。目立たない様にだけれど、武装もさせているわ。それと、万が一に備えて敷地の外にも、同様に人員を配置しているわ」

万全の体制が、整っていると云う事ね。



そして一応、イシャイニシュスさんと爺はに外で待機してもらって、応接室へ。

さすがにいきなり、巨大なコヨーテ姿のイシャイニシュスさんをお見せする訳にはいかないもの。


応接室に入ると、大使閣下とご家族の皆さんは既にお待ちに。

参事官さん、ストーカーさん、それと、上村さんは未だいらして無いよう。


此処(ここ)は以前通された応接室とは違うお部屋。

この応接室は、大使夫妻の意向かしら、華美に成らず、公務と言うより家族的な雰囲気を(かも)し出しているわね。

ご挨拶をして、ソファーの方へ向かう途中、有る物が目に入る。

あら?飾り棚に飾られているあれは……。

「これは、珍しいですわね。カラー写真ですわ」

写真には大きなマグロを抱いた大使閣下と、その隣にステラちゃんを膝に抱えた奥様が写ってらっしゃる。

見た所、写っているステラちゃんは、今の道彦と同じぐらいの御歳かしら……と言う事は……一年~二年ほど前のお写真。


「ウフフ♪そのお写真は、日本の方はお魚が好きだから、お招きした時に印象が良く成るからと云う建前で、飾っている物だけれど。本当は、釣ったお魚を自慢したいのと、趣味の釣りの話をしたい為の物なのよ♪」

「ハァ~……、マーガレット、余計事を言わんでくれ……」


「確か、此方(こちら)にいらっしゃる前は、アメリカにおられたとか。このお写真は、そちらで?」

「ああ、前任地はアメリカのボストンでね。総領事をやっていたのだよ。その写真は、去年……いや、もう年が明けたから一昨年に成るかな、その夏に避暑に訪れたケープコッドの港町で撮ったものだよ」

「ステラ覚えてるよ♪大きなお魚♪」

「ハッハッハ、そうか覚えてるか。ハッハッハ」

温かみの有る、家族団らんの会話だわ。

嘘は無さそう。

ともかく、思いがけず重要な事を確認できましたわ♪


ステラちゃんが、ノワールとブランに気付いたのか、チョコチョコと駆け寄ってくる。

少し小首をかしげ、私を見上げる。

「今日はウルタールちゃんは居ないの?」

「御免なさいね。ウルタールは訳有ってチョット遠くに居るの」

うーーん、この表現だと……なんだか死んじゃった見たいな印象……。

「でも、心配しないで♪すごく元気にしているから♪それで、今日はこの子達を紹介するわ。この黒い子がノワールで、白い子がブランと言うの。よろしくね♪」

「ニャー♪」

「にゃー♪」

と、二匹もご挨拶。

「よろしくね。ノワールちゃん♪ブランちゃん♪」


「どうも、遅くなりました」

そう、入ってらっしゃったのは、上村さんだわ。

続いて、参事官さんとストーカーさんも入ってらした。

これで、全員揃いましたわね。

さあ、大詰めですわ♪


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