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EX3:ヒカリとメイド

これはヒカリ(エマ・二スニラ・ノヴ・イラキ)が陣と出会う1年程前のお話である。


エマは今日も自室のベランダでお世話をしている花に水やりをしていた。

すると、部屋の外からコンコンコンと扉の叩く音がした。

「姫様。おはようございます。ディアマです。」

「どうぞ、お入りください」

そう言って部屋に入ってきたのはエマの専属メイドのディアマだった。

ディアマは桃色の髪色に深海のように深い青い瞳をしている。

「姫様、今日も御早いのですね」

「お花さんたちにお水をあげたくて早く目が覚めてしまいました」

「左様でございますか。それにしても綺麗に咲いておりますね」

「はい!」

エマは自分が育てた花を褒められてとても嬉しそうな笑みを浮かべていた。

「姫様、御存じですか?花には花言葉と呼ばれるものがあり、花それぞれに意味が込められているということを」

「花言葉?いいえ、聞いたことありません」

エマは聞いたことのない言葉に興味を示し、水やりを中断しディアマに顔を向ける。

「例えば、お姫様が大切にお育てしている桔梗の花。桔梗には永遠の愛や気品と言った意味が込められているのです」

「永遠の愛・・・気品・・・桔梗は情熱的で素敵なお花なのですね。桔梗にそのような意味が込められていたなんて知りませんでした」

「姫様、お顔が赤くなっていますよ」

「そ、そ、そんなことないです!」

ディアマはエマを冷やかすように言ったがエマの頬は間違いなく赤らんでいた。

「ディアマ、他にももっと花言葉を教えてください」

「わかりました」

こうしてヒカリとディアマの花言葉勉強会が始まった。

「姫様は以前、あやめを育てておりましたね?」

「はい。育てていました」

「あやめには希望などと言った意味が込められております」

「そうなんですね!花言葉を知るともっとお花が好きなりますね」

「喜んでいただけて光栄です」

お姫様であるエマに褒められてディアマは満足げな顔をして誇らしげだ。

「他にも、他にもですね、花の色が違うだけで意味が変わってきたりもするのです」

「そうなんですか?」

「そうなんです!姫様!あちらに咲いている青色のアジサイとあちらに咲いている桃色のアジサイで込められている意味が違うのです」

ディアマは自分が知っている知識をここぞとばかりエマに教え込んでいる。ベランダから庭を見渡しながら興奮気味に話し出した。

エマも食い入るようにディアマの話を真剣に聞いている。

2人はそれほどまでに花が好きなようだ。


朝だったはずがいつの間に日が暮れていた。

「姫様、如何でしたでしょうか?満足できましたでしょうか?」

「ディアマ、今日はとても有意義な一日になりました。ありがとうございました」

「姫様に喜んでいただけてわたくしも嬉しいです」

ディアマは両手をお腹にあて、深くお辞儀をした。


「ところで姫様、どの花言葉が印象に残りましたか?」

「そうですね。どれも素敵なものでしたけど、やはり最初に聞いた桔梗の花が強く印象に残りました」

「姫様は意外とお強い愛をお持ちなのですね。ふふ」

「そ、そんなことないですって・・・もう」

またしてもエマを冷やかすようにディアマは話し出した。


「姫様が将来、本気で好きな方と出会った時に何気なく渡してみてはいかがですか?お相手の方は込められた意味など知る由もないでしょうし、きっと喜んでいただけると思います」

「私が誰かを好きになる事なんてないでしょうし、私を好きになる方なんて絶対に現れませんよ」

「来ますよ。いつかきっと。姫様が思っている以上、人生なんていつどうなるか分からないものですよ」

「そうですかね?」

「姫様には必ず明るい未来が待っていますよ。さて、日も暮れてしまいましたし夕食にしますか。ただいまお持ちいたしますのでお待ちくださいませ」


エマはベランダから優雅に揺れるラベンダー畑を静かに見つめていた。


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