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侯爵家三男は快適に暮らしたい。〜前世の知識で異世界魔導具づくり〜  作者: 西 悠希


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第96話 先にやること。



おっ! 全然大丈夫そうだな。

洗濯室のドアは余裕で通ることが出来た。あとは、置き場所だけど……棚を動かしたりしないと置けそうにないな。

奥にある棚を手前に持ってきて、その横にある棚を少しずらせば、ちょうどいい感じに置けそうだ。


……さすがに勝手に動かすのはだめだよな。

まぁ、とりあえずドア問題はクリアしたし、このまま進めるか。あ、でもそれこそ今後どこで作業するかだよなぁ。……一旦この外装はフィリップ兄さんの部屋に置いておこう。


……リリエン商会の工房の端の方で作らせてもらえないかな。

外装に関しては簡単に形成が出来たから、玄関ホールでよかったけど、洗濯槽は細かい作業もあるし、リリエン商会の工房で作った方がよさそうだな。

そうなると、先に他の部品を出来るだけこっちで作っていくのがいいか。細かいものなら作業部屋で十分作れるし。


あっ、その前にアレク叔父さんに確認しないと。


部屋へ戻り、叔父さんに手紙を書いた。

……手紙って三行で終わるものだっけ?まぁいいか。


ノアに手紙を届けてもらうように頼んで、俺は作業部屋に戻った。


さて、次は細かい部品だけど、何が必要になってくるんだろう……。

回転軸は必要だと思うけど他は……あ。扉を忘れるところだった。それを固定する部品も必要だな。

起動・停止のスイッチと洗浄・乾燥のスイッチ……。あとは……水の排出か。水を入れる時のことも考えないとな。


……いや、それが必要ないようにするのもありだな。

洗浄機能をここで使えば……。

全てに洗浄機能を組み込んで洗う物を綺麗にするより、普通に水と洗剤で洗ったあと、最後に洗浄機能を起動するようにすれば、最低限の魔核で済むし、何より洗った感があると言うか。

洗浄機能は確かに綺麗になるけど、ただそれだけというか……。洗濯後の香りだったり、ふわふわ感が出ないと思うんだよな。


それなら脱水工程を洗浄機能で応用すれば、排出の手間も省けるし、作る工程も少し簡単になりそう。それに排水するとなれば、その分、排水溝の設置とか、他のこともいろいろ出てくるし。


……排水問題はどうにかなりそうだけど、水を入れる時だよなぁ。それこそ水道管と繋いで……あっ。水属性を組み込んだ方がそれこそ楽か。でも洗う量によって、毎回水量が同じとは限らないよな。洗剤の量も関係してくるし……。

あぁ―……洗う物の重さが分かれば、それに合わせて水量もって前世で使ってた洗濯機はなってたな。

そうなると重さを測る機能も必要か……。


……洗濯機を作る前に体重計が出来そうだな。



コンコン―――


「フィン様。アレクシス様からお返事を預かってまいりました。それと、夕食のお時間です」


「あぁ、ありがとう。手紙を確認してから行くよ」


…………。

……叔父さんの許可は取れた。

とりあえず部品を作れたら工房の方で作業だな。


手紙を読み終え、食堂へ向かった。


「あれ?エミール兄さん、どうしたの?あのまま寮に戻ったのかと思ってた」


「あぁ、その予定だったんだが、荷物を忘れていたから夕食ついでに取りに帰ってきたんだ」


「そうなんだ」


……夕食ついでに荷物を取りに帰るって、荷物の方がおまけなんだな。


「そういえば、フィンは合同演習を見に来るんだろう?ティアナが行きたがっていたが」


「あぁ……そんな話あったね。忘れてた。やっぱりティアナの付き添いは俺なの?友達と一緒に行かないのかな」


「私とフィリップは演習に参加だから、付き添いはフィンだな。友人たちと行くにしても、一応保護者役は必要だろう。まぁ、近くにいてあげればいいだけだ」


「俺、ガレスと一緒にって話になってるんだけど」


「じゃあ、ちょうどいいじゃないか」


……なにが?


「……演習に参加するってことは、二人とも婚約者探しを本格的に始めるの?」


「王太子殿下が婚約されたからな。そろそろ周りも固め始めないといけない。私は次期侯爵でもあるから余計にな」


「じゃあ、早ければ来年くらいに結婚するかもしれないってことか。そうなると、それまでに一人暮らしの準備も始めないとな……」


「ん?出ていくのか?」


「え、だって、結婚したら屋敷で暮らすようになるでしょ?そうなると、俺邪魔だろ?そのくらいに一人暮らししようと前から考えてたし」


「邪魔ではないが、確かに一人暮らしのタイミングではあるな」


「でしょ?……あ、それなら食事処の近くに住むのもありだな。他は作業部屋に使える部屋があれば十分だし」


「どうせなら、自分の工房を作ったらどうだ?」


「……そんなに大きなもの作る予定ないし……いや、今大きめの作ってるけど……。工房って、管理とか大変な気がするし……めんどくさい。それこそ、大きめの部屋を借りる……借りたところで、作業部屋として使ってもいいのか?いいところを探せばいいか」


「まぁ、まだ先の話だ。ゆっくり考えればいいんじゃないか?」


「そうだね」


一人暮らしより先に、洗濯機の魔導具化をしないと。



第96話を読んでいただき、ありがとうございます!

洗濯機より先に、いろいろなことを考え始めるフィンでした。

次回も楽しんでいただけると嬉しいです!


ちなみに、本日21:00にIF作品の第8話も投稿予定です。

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