第84話 飽きた。
朝からずっとカードゲームをして、昼食も軽いもので済ませ、またカードゲームをしている。
……そろそろ飽きてきたな。
「……俺は一旦休憩する」
「また勝ち逃げかよー!」
「いや、ちょっと飽きてきただけ」
このままここでゲームを見てるだけっていうのもなぁ……。
……次に作る魔導具でも考えるか。
あ。
そういえば……髭剃り型魔導具の仕様書、書いてなかった。
……仕様書、ささっと終わらせておこうかな。
とりあえず作業部屋に行こう。
……メモが散らかりすぎてる。
あぁ―……どれがどの部分の、どのメモだったか……。
……先に片付けるか。
ついでに素材の在庫確認と……あ。道具の劣化も確認しないと。
……作業用のテーブルを新しくするのもありだな。
そうなると、そろそろ椅子も……。
あと、新しい棚も欲しいんだよなぁ。
魔導具に関する新刊が出るって、前に聞いてたから。今の棚だけじゃ、もう入り切らなくなってきてるし。
今ある家具は子供の頃に、じぃちゃんが揃えてくれた物だから大事なんだけど、成長したから、少し小さく感じるんだよな。
……よし。買い換えよう。
作業用のテーブルとなると……既製品でいいのがあればいいけど。
なかったらオーダーするしかないか……。
……高くつきそうだな。
――
……はぁ。
ようやく片付いた。
やっと仕様書を書ける。
えっと―……
あ。間違えた。
……これ改良前のメモだ。
じゃあ、こっちだな。
持ち手部分のサイズ変更可能なこと、ヘッド部分の交換が出来ること、それから刃の部分を取り外して洗浄出来ること、あとは……安全対策として保護板の水属性の組込みが必須。
この辺りは書いておいた方が良さそうだな。
……保護板か。
これを応用すれば、何か別の魔導具にも使えそうだな。
……あ。
そういえば……。似たような仕様だったら、鼻毛カッターが作れるんじゃ……?
髭剃り型魔導具で使った回転の仕組みと刃を、鼻毛カッター用に少し変えるだけで……。
この世界では細いI字型の剃刀で鼻毛を整えるから、たまに血が出ることがあるんだよなぁ。
……これ、鼻毛カッターを魔導具化した方が安全だよな。
アレク叔父さんなら売り出す時、髭剃り型魔導具と鼻毛カッター型の魔導具をセット売りしそうだし。
あ。
……髭剃り型魔導具より細かくなりそう。
……。
とりあえず仕様書を仕上げようか。
――……
……よし。
仕様書はこれでいい。
魔導具の劣化が気になったやつがあったから、リリエン商会に行く時に買うのを忘れないようにしないとな。
家具は……どこで買うべきなんだろう?
そういえば自分で家具を買ったことがない。
まぁ、実家だし、去年まで学生だったしな。そもそも家具やインテリアにこだわりないし。
今使ってるやつ、どこで買ったんだろう?
気に入ってるから、同じところで買えたら1番いいんだけどなぁ。
じぃちゃんに聞いてみよう。
あ。でも避暑地からそのまま領地に帰りそうだな。
……まぁ、母さんなら知ってそうか。
……さて。
ちょっとお茶休憩をいれようかな。
……茶葉があと二、三杯分しかない。これも忘れないようにしないと。
買うもの、結構あるな。
お茶を入れて、一息ついた。
そういえば、さっき思いついた鼻毛カッター……一度、簡単な試作品くらい作ってみるか。
刃の部分を鼻に入る大きさにしないといけないよな。そうなると……小指の第一関節くらいの太さまでだろうか?
小指を鼻の穴に当ててみる。
……もっと細い方が良さそうだ。
とりあえず、素材は髭剃り型魔導具を作った時と同じでいけるかな。
えぇ―と……薄型鉄板はある。 魔導金属も……これでいいか。 あとは刃の部分だな。
……刃は新しく作らないと無理か。もっと小さく形成する必要がある。あ。保護板の形も変える必要があるな。そうなると……土台と軸ももっと細くしないといけない。
……それに、この大きさだと魔導回路を描くのもかなり大変そうだ。
持ち手部分を円柱じゃなくて、四角柱にすれば多少描きやすくなりそうだけど……持つとき痛そうだな。
小さいだけならまだいいけど、鼻の中に入れるものだから、安全性もちゃんと考えないといけないし……
……え。
作るのやめようかな。
第84話を読んでいただき、ありがとうございます!
カードゲームに飽きたフィンは、作業部屋へ行く回でした。
次回も楽しんでいただけると嬉しいです!




