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侯爵家三男は快適に暮らしたい。〜前世の知識で異世界魔導具づくり〜  作者: 西 悠希


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75/107

第75話 甘いものは正義。



疲れたから、なにか甘いものが食べたい……。


……夕食までまだ少し時間があるし。



あ。


……そういえば、まだノアが休暇中だった。


直接、厨房にいくか。



「おや? フィン様、どうかされましたか?」


「うん。ちょっと甘いものが食べたくなってね。 クリームを乗せたパンケーキ、作ってくれないかなって思って」


「分かりました。 夕食前なので、小さいのを二枚くらいにしときましょうか」


「そうだね」


「他の方々にはどうされますか?」


「一応みんなの分も作ってもらおうかな」


「かしこまりました」


料理長がパンケーキの準備を始める。


俺はその様子を、ぼぉーっと眺めていた。


……甘いもの、まだかな。


そういえば、この世界にプリンとかショートケーキってないよな。……ショートケーキ好きだったんだけどなぁ。

……作り方を知らない。


誰か、ショートケーキを作ってくれる人が出てこないかな……。


とりあえず、プリンは出来そうなきがするから、今度作ってもらおう。


……。


クリームを作るのって大変なんだな。


……泡立て器を魔導具化するのもいいかも。

回転させればいいだけだから、髭剃り型魔導具を作るより簡単そうだ。 持ち手部分に起動停止のスイッチと魔核を付けるとしても、重さもほとんど変わらないし。

今後もお菓子を作ってもらうなら、魔導具化したら楽になるよな……。


……洗う必要があるから、先端を取り外し出来るようにする方がいいのか。わざわざ洗浄機能まで付ける必要もないだろうし。

髭剃り型魔導具の場合は、部品が細かいから、分解しても洗えるし、洗浄機能で綺麗にもできるようにしたけど。


……髭剃り型魔導具を思いつく前に、泡立て器の魔導具化を先に思いついていれば、もっと早く仕上げることが出来た気がする……。


そんなことを考えていると――



「お待たせしました」


「おぉ!美味そう」


「フィン様。皆さま、応接室にいらっしゃいますが、そちらで召しあがられますか?」


横から声がかかった。


「そうだな。 みんなの分のお茶も用意してくれ」


「かしこまりました」



応接室に入ると、三人がテーブルを囲んでいた。

……リバーシか。


「みんな、ちょっと休憩しない? パンケーキを用意したんだけど」


「お!いいな!」


「これくらいの大きさはありがたいね」


「そうだな。夕食前に食べるには、ちょうど良さそうだ」


使用人がパンケーキとお茶を並べ終え、下がった。


「美味い! ふわふわだな」


「このクリーム、甘すぎなくて食べやすい」


「パンケーキとは、こんなに美味しいものだったか?」


……あぁ。

……疲れが癒されていく。


甘いものは正義だな。


……。


……ゆっくり堪能していたつもりだったが、もう食べ終えてしまった。 三枚の方がよかったか?……いや、さすがに夕食に響きそうだな。



「そういえば、いつから集まってリバーシしてたんだ?」


「俺が最初に応接室にきて、一人でリバーシしてたら途中でマティが来た」


「少し昼寝をしてから、こちらに来てみたらガレスがリバーシをしていたので、私もリバーシを」


「私はさっき、仕事が一段落してね。来てみたら二人が白熱していて、面白かったよ」


……ガレスが奮闘していたのだろうか。

それとも、全敗していて面白かったのか?


「また一勝しか出来なかった!」


「え、一勝出来たのか?」


「……フィンは俺が勝てると思ってないんだな!」


……。


「フィンは魔導具を作っていたのだろう?」


「……あぁ。 ようやく完成した。また試してみてくれ」


「じゃあ、明日の朝、またフィンの部屋に集合だな!」


「そうだね。試作品でも十分良かったけど、もっと改良したんだよね?楽しみだ」


「……ちょっと待て。 フィン、まさか……ウィルに魔導具の使い心地を試させたのか?」


「え、そうだけど?」


「……試作品を?」


「うん。 え、なに?」


「ウィルは仮にも、第二王子殿下だぞ。 試作品を試させるとは……。 フィンが魔導具を作る際、安全性を重視しているのは分かってはいるが、さすがにどうかと思うぞ」


「……確かに」


「学園時代から、試作品を試していたけどね」


「……え?」


「私が魔導具研究会に出入りしていたのは知っているだろう? その時から試作品を試していたんだよ。 もちろん、先にフィンが試してからだけどね」


「あぁ! マティアスは俺の勉強に付き合ってくれてたから、魔導具研究会の方に行くこと少なかったから、知らなかったんだな!」


「……そんな前から」


「今回に限って、俺、ちょっと考え無しだったかもな。刃を使った魔導具だし……」


「刃?! 何を作ったんだ!」


「え、髭剃り型の魔導具だけど……」


「……髭剃り?」


「うん」


「……危険なものではないのだな?」


「そうだけど。 安全性も考えて、保護板に水属性も組み込んだし」


「俺も試してみたけど、剃り残しもなくて、いい感じだったぞ」


「私も完成したら、自分用が欲しいって思ってるよ。 あれは使い心地が良かったからね。 それを更に改良したのだろう? 使うのが楽しみだ」


「……」



第75話を読んでいただき、ありがとうございます。

疲れた時には、やっぱり甘いものですね。

そしてフィンは、また新しい魔導具を――

次回も楽しんでもらえると嬉しいです!

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