死んだ、陰キャサラリーマン
享年三十五歳、これが俺の人生の終わりだった。
俺は普通のサラリーマンでその日も取引先の会社に会議をしに、会社を出て道を歩いていると悲鳴が聞こえて来た。
「なんだ?」
悲鳴の方を見ると遠くの方から一目見てスピード違反をしている、車があり此処は住宅街で歩道に突っ込んで弾かれたりでもすれば死んでしまう。
俺はそれを避けるためにガードレールから離れないように身をひそめる。
だがそこで横断歩道で小学生二人が渡っている所に車が向かう。
恐らくこのまま信号無視をして突っ込む勢いだったので、俺は何を考えたのか勢いよく横断歩道に飛び込んだ。
頭の奥に、誰かの声が響いた。
『神速を付与します』
その時は人生で一番早かったと思う。
陸上の選手のように早く、周りもスローモーションに見えるようで子供を抱きかかえた瞬間に体に衝撃が走った。それはそのまま走っていれば車に轢かれることはなかったが小石に躓き転び車に轢かれて意識が遠のく。
「おじさん、大丈夫!!」
恐らく頭が暖かいものが流れているので血が流れているのだろう。
「おじさん、じゃなくてお兄さんな」
周りから大人が来て、車がそのまま通り過ぎていきこのまま終わるのかと思いながらも、周りの人があまり「揺らさないで運ぼう」などそのまま歩道に運ばれた。
ああ、俺このまま死ぬのかなと思いながら段々視界もぼやけていく。
「気をしっかり!!」
そう言われながらも意識は遠のく。
そうして次に目が覚めると真っ白い空間だった。
此処は天国なのか、はたまた病院で俺はまだ生きているのか?
体を見ると着ている服はスーツでボロボロのままだった。
これはサラリーマンの仕事のし過ぎで全く綺麗にしてなかっただけで、体から血が出て無いことに気づいた。
「俺は生きてるのか?」
《いえ、死にました》
「え?」
目の前はまるで女神のイメージのままの美女が豪華な椅子に座っていた。




