孔雀青色の瞳と浮遊感
「はあ~、危なかった! ほんっとうに危なかった!!」
ついさっき僕は陽が差している階段で学園長の孫である猫毅と話をしていた。
用件は転入生の恋路を妨げる手助けをして欲しいというようなものだったのだが、
カラオケで歓迎会を行う事を伝えると、猫毅が浮き足立った乙女のような、羞恥心で真っ赤に染まったかのような顔色になった。
『カラオケ』という単語だけで、照れる訳がないだろうと踏んだ僕の体は、気付いたときにはもう動いていた。
そして、落ちていた。
何が起こったのかは把握出来なかったのだが、夢の中に居る時のようなあの独特な浮遊感を味わえた。
黄金色の空間で宙に浮かび、飛んでいるような感覚。
だが、すぐに重力が加わり次第に地面に近付く。
先程まで真っ赤だったはずの猫毅の顔は驚きに染まり、しかし、両腕を広げ──抱きとめられた。
驚くのも束の間で、痛みは全くと言って良いほどになかった。
今一度、自分の置かれている状況を考える。
慌てて降りようとして、階段から落ちた。
宙に浮かびつつ混乱。
落下して、床に体を叩きつけられるかと思ったが──猫毅に支えられるように抱きしめられ、た?
落ち着け落ち着け、しんこきゅうしんこっきゅー、しんこっきゅ新国旗!?
あ、これはむりだ、かなりれいせいさをかいてる。
というかしょうたいバレた?
フードめくれた?
だいじょうぶ、バレたりしてない?
サラサラとしたと鳥の子色の髪が目に入る。
驚いたような彼の孔雀青色の瞳。
あ、これバレた予感しかしない。
そりゃ、全身押し付けてたら(不本意)、多少はあるのだから男でない事が露見しても仕方ない。
やはり、自ら正体まで教えてしまった。
歓迎会でどうせ会うし、と思い直したが、本当に危なかった。
あのまま怪我をしても、させても危なかったし………。
「ほんっとうに危なかった………」
細く長い指でそっと唇に触れた水軌の表情は少し長く伸びた前髪で窺えなかった。
頑張って本日二回目の投稿!
頑張りました。




