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プロローグ "私"

そうね、まず、俺がまだ私だったころの話をしましょうか。


私は、一般家庭に生まれた、人より記憶力が良いだけの普通の子だったわ。

まぁ、子供ながらに周りの状況を達観視していたのは認めるけれど。


それはいいとして、私が小学生3年の時に両親が事故で死んでしまったの。

施設に引き取られて、すぐに新しい家族の所へ引き取られたわ。

そこは素性も知れない男の人の家だったのだけれど、最初こそは良い関係を築けていたものの、その男の人に恋人が出来た途端、私に対する態度が急変したの。

私を邪魔者扱いして、暴力を振るわれることも多くなった。


でも人間って案外強いのね。

私限定かもしれないけれど暴力とか愛だとか、与えられるものが普通と違うのは仕方の無いことだと思い込んで納得したの。

勿論、少しも辛く無かったと言えば嘘になるけれど、学校は成績の問題で良いところに通わせてもらっていたし高校では寮のある所に入ったから特に問題は無かったわね。

大学もそこそこ良いところに入れて、大学の研究チームでもそこそこ良い成績を残せたわ。


ただ、何処で恨みを買ったのかしらね?

帰りの電車がやっとホームに着くって時にね、線路の方に、突き飛ばされたのよ。

落ちながら首を動かして自分がいた所を見るとね、突き飛ばしたのは研究チームの同僚だったわ。

あぁ、私ってこんなに嫌われてたんだって。

結局、愛されてなかったんだなって。


そんな生涯を終えた私の趣味ってね、乙ゲー巡りだったのよ。

乙ゲーって面白いわよね。

主人公の方が明らかに立場が悪い時があるのに全て悪役の方の立場が悪くなるんですもの。

攻略対象者の心理も訳分からないわよね。

婚約者をおざなりにするとか意味不明だったわ。

まぁ、そういう所が面白くて乙ゲーをやっていたのだけれどね。


ふぅ、私としての過去といえばこれくらいかしらね。

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