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現実世界、となるとなぁんかあれだねぇ………

始まりで怒涛の展開が起こった以外は平穏に日々が過ぎていったなぁ…

色々はあったけど、アッサリ終わっていったからねぇ…………


あ、ビビアンちゃんやルリアさんとは仲良くしてるよ?

エリカさんとは現状、良くも悪くも“赤の他人”だね。

コチラから関わる理由もないし、実際のところ、この国では夜会を中々やらないし、あってもお互いの都合があって同じ夜会に参加出来てないからね。

学園内では便宜上、伯爵令嬢を名乗ってるわたしが身分が上の公爵令嬢のエリカさんに話し掛けるなんてマナー違反をする訳にはいかないし。


※実のところ、エリカ側は公爵夫人のミーシアにコチラから声をかけるのはマナー違反だと思ってたりする。

あとは単純にヒロインとは関わり合いになりたくない。



そうそう、その色々、についてだけど。

まず、あれからすぐにエリカさんとローウェンさんの婚約が発表されたねぇ…

それと、ベルさんが国王になる、って話はナシになったね。

どうやら、宰相閣下とレーネ王女殿下の働きでアルカディア王国が動いた事もあって、この国はレーネ王女殿下が嫁ぎ次第、アルカディア王国の一部になる事が決まったからね。

そも、ベルさん自体が国王になる事を拒否したし。


それでいいの?ってベルさんに聞いたら、

『そもそもカンバルグ王国は王族がレーネ王女殿下以外遊び呆けていて、貴族院は腐敗していた。

王族も貴族院も信用出来ないからと、

善政をしていたとは言えまつりごとが実質的にバルディア公爵家の独擅場にならざるを得なかった今までが歪だったのだから、むしろアルカディア王国のマトモな王室や貴族院に任せた方が間違いないし、なにより私は王の器ではないからな。』

(意訳:今更、国王だなんて面倒な事はやりたくないし軍人で居たほうが楽。)

なんだそうだよ。


宰相さんも、アルカディア王国から手始めに送り込んでおく、という名目で優秀な内政官が来てくれたお陰で邪魔しかしてなかったお飾り貴族院の貴族達を追い出せて仕事が上手く回るようになったって喜んでた。

…って、ベルさんから聞いた。


……うん、アルカディア王国ってビックリするくらい良い国だからそこら辺はふぁんたじぃしてるなぁ〜……

当に【理想郷(アルカディア)王国】って訳だね。

そんな国の王太子妃になれるレーネ王女殿下って…本当に優秀なんだなぁ〜って、他人事だからこそ気軽に思えるんだけど。

それにしても、年の差が結構ありそうだし、なんならロリコンだとか言われかねない位にまだまだロリロリなレーネ王女殿下を娶るって決めたリュート・フォン・アルカディア王太子殿下って、どんな人物なんだろう…?

隣国の王太子なだけに、わたしはまだ会ったことがないんだよねぇ……


















Side:リュート

私はアルカディア王国の王太子、リュート・フォン・アルカディア。

ミドルネームに【フォン】が入っているのがアルカディア王国の王太子や国王の証だ。

私は、この大国、アルカディアの王太子として生まれた事に誇りを持っているし、この国をより良くしていこうとも思っている。


そんな私は個人的に、隣国であるカンバルグ王国を危険視していた。

というのも、父である国王陛下から聞かされ、自身でも王家の影を使って調べた結果、カンバルグ王国の異常さや歪さを垣間見たからだ。


先ず、かの国は王族が無能、などという国家としてあり得ない事態になっている事が挙げられる。

なにしろかの国の王族は、そもそも基本的に知能が低いのもあるが、まるで歌劇の様に高位貴族との婚約破棄からの見た目が華やかなだけの低位貴族への婚約者換えを軽々しく行う様なモラルや良識の低さが目立つ。

それこそ、宰相家が国を自由に回すためにお飾りの王を頭にしたのではないか?と考えられるほどだったからだ。


尤も、結果的にそれは事実であり、かの国の宰相家、バルディア公爵家の先祖が自分が真の王となる為に優秀な王族を国外に嫁がせ、無能を自国の王にした事が悲劇の始まりだったそうだ。


その子孫である現バルディア公爵は先祖に対して呪詛を吐く程に追い詰められていたのが印象的だ。

唯一の救いは、もう一つの公爵家であるフォートラン公爵がマトモだった事だとか。


確か、フォートラン公爵の父親が現国王の弟ではなかったか?

とバルディア公爵に訊ねた時に


『アレは王族の責務からは逃げる程度には現王家らしく無責任だったが、軍務卿や公爵、そして領主としてや夫としては優秀で真面目な、王族の特異点の一人だった、何より、前公爵夫人だった自身の妻の事をキチンと愛しぬいて亡くなったからな。

その2人の息子であるアスベルも順当にマトモな公爵に育って幸いだったよ。』


と返された。


話の流れでついでに紹介されたカンバルグ王家のもう一人の特異点……【レーネ・カンバルグ】。


彼女との出会いは衝撃的だった。



『お初にお目にかかります。我が国の宰相、バルディア公爵様よりご紹介に預かりました、レーネ・カンバルグと申します。

どうぞ、よしなに。リュート・フォン・アルカディア王太子殿下様。』



当時、まだ8歳だったレーネのその挨拶は、滑舌の良さも去ることながら、その所作も既に完成された淑女のそれだった。

しかも………



『―成る程。それならばこの案は如何でしょうか?』


『(!?)それは、貴女が1人で考えたのか?』


『それは買い被りすぎですわ。バルディア公爵様や、その息子であるローウェン・バルディア公爵令息様に手解きを受けながら、でございますの。』


『いや、だとしても、これは……



他にも、打てば響く様に会話が盛り上がり、気付けば私は、数日後には齢8歳のレーネ王女を自身の私室に招待していた程だった。


しかもそんなレーネは今では私の婚約者で未来の我が国の王妃だ。


まぁ、そうなったのは…。

彼女を調べる内に、【大図書館姫プリンセス・アカシックレコード】等と呼ばれる程の知識を持つ希少人物である事が判明したからだ。

そんなレーネを我が国に囲い込む為に、()()()2()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、招待したからね。


だが、聡明故に意図を理解して怯えるか、それとも年相応に無邪気に状況を理解できないか、そのどちらだろうか?

という私の予測とは裏腹に、レーネは違う結果を……その本性を現したのだ。



『クフッ…クフフフフッ…!アハハハハハハハハ!!』


『何がおかしいのかな?レーネ・カンバルグ王女殿下よ。』


『いやぁ~…まさか()()()()()()()退()()()()()()()()思わなかったからねぇ〜。

レーネ、逆にビックリしちゃったよぉ〜。』


『…ほう?

大国の王太子であるこの私に、小国の姫君如きがその態度を取るとは。

随分と嘗められたものだな。』


『逆にレーネもビックリだよ。

その小国の姫君如きを、大国の王太子殿下サマが態々囲い込みに来るなんて思わないじゃないか。

コッチはどうやってリトお兄ちゃんを攻略しようかと考えていたってのに、その相手がいきなり結婚ゴールを決めに来るなんてレーネにも予測出来なかったよ。』


『…いま、なんと?』


『ん?予測出来なかった、ってとこかい?

それともぉ〜。

もしやもしや、レーネがキミを【リトお兄ちゃん】と呼んだことかなぁ〜?』(ニヤニヤ)


『……………そうだと言ったら?』


『………oh,』


『よし決めた、どちらにせよこの状況だ。

君の未来は私の妻か、譲歩しても側妃しか無いな。』


『え、ちょ、マ?』


『何語だそれは。』


『に、日本語だおkだぞこのやろぅ。』


『ニホン?

…あぁ、あの東の島国、ジャポニの事か。』


『え、日本を知ってるの!?お兄ちゃん!?』


『あぁ。ジャポニ…確か、正式名はヒノモト国。略称が君の言うニホン、使用言語がジャポニ語…つまり君の言うニホン語、だったな。

国王に相当する位が【天皇てんのう】、王族の事を【皇族こうぞく】、貴族の事を【華族かぞく】と呼ぶ独特の文化を持つ、東の小さな島国だ。』


『わぁ〜。リトお兄ちゃんがあの国を知ってた事にレーネびっくりぃ〜。』


『これでも大国の王太子なのでね、知識はそれなりにはあるさ。

それよりレーネ・カンバルグ王女殿下…いや、レーネ。』


『ひゃいっ!?』

(いきなり呼び捨てですかぃお兄ちゃんっ!!)


『……もう一度、【リトお兄ちゃん】と呼んではくれないかな?』


『…っ!よろこんでぇ〜!リトお兄ちゃぁぁんっ♡

わぁい♪なんか知らんが推しに最初から好かれてた件について〜っ!!』


『状況的既成事実による強制結婚なのに、嬉しそうに抱きついてくるのか君は。』


『はっは〜!

レーネは最初からお兄ちゃんと既成事実を作ってでも無理矢理結婚するつもりで動こうとしてたかんね〜!

むしろばっちこぃだぜぇ〜?』


『クハッ…!そうかそうか…!

なら、よろしく頼むぞレーネ。

いや、ここは敬意を持って【大図書館姫プリンセス・アカシックレコード】と呼ばせてもらおうか?』


『それは恥ずかしぃねぇ〜!!』


『そうか…はははっ…!』



いや、あの時はアルカディアの国益に繋がる重要人物を手に入れた事に高揚していたが、冷静に考えれば、レーネには何かが取り憑いているのでは無いだろうか?

あの無能な王族の特異点にしても、彼女は表の言動や思考があまりにも大人の様な振る舞いが過ぎるし、その知識量は異常で、それでいて素の振る舞いは理性が無く浮世離れしている剽軽(ひょうきん)者だ。

当に【アカシック・レコードの擬人化】と呼ぶにふさわしい、人外の精神性を有している。

それだけに、彼女からは人間らしさを感じない。

全く人間らしさを感じない、という訳ではないけどね。

恐らく、彼女は何らかの要因でこの世界の禁忌や深淵に触れてしまったのだろうな……。




















Side:レーネ&繧「繧ォ繧キ繝?け繝ャ繧ウ繝シ繝?

クフフっ…!


クフフフフッ!!アハハハハハハハハ!!!


やった!やったぁ〜!!


あのリュートお兄ちゃんを堕としたよぉわたしぃぃぃっ!!

ねぇねぇ!!望んでたんでしょ?望んだんでしょ!?

だから笑えよレーネちゃぁぁぁんっ!!


どうよ我々の実力は!


我々はアカシックレコード。


この世の総てを識るモノ也。


だからなんでも知ってるの♡


だから何でも識っているぞ。


オレっちに出来ねぇことはなぁぁいっ!!


出来ぬことを探すほうが難しかろう。


だけどね。

『我々/わたし/我/オレっち/オレサマ/私ちゃん/僕/某は願う。貴女の幸せを、貴女の幸福な生を。』


だから某は貴女の為に尽くそう。


俺様はテメェの為に!リュートの為に尽くそうか!なぁ!!レーネちゃんヨォ!!


うふふっ♪アルカディア王国に栄光を♡


アハハッ!!レーネちゃんに幸福を!☆


貴殿を虐げてきたカンバルグ王家は滅んでしまえばよいのだ。


『だから、安心して幸せになれ、コレは、我々/わたし/我/アタシ/俺様/某/僕ちゃん、アカシックレコードの主である貴殿/貴女/テメェ/貴様/アンタ/お主への世界からの勅命である。』


あのぅ…?

ありがたい、んだけど、その。

あまりわたしの身体でめちゃくちゃを、しないでね…?


そこは安心し給え、我が主よ。


だぁいじょぅぶだって!!僕ちゃんが失敗なんかしないさ!!


そぉそぉ〜♪だって、最適解が常に分かるんだから間違いないって♪


うふふっ♪人の心には最適解が適応されない事もあるでしょうけど、そこは逆に、頼りにしてますよ、我が主ちゃん♡


我々の言が正しくとも、人の子に不適格な言であればソナタが止め給え、我が主よ。



うぅ……なんでこうなったのかなぁ……?

ウッカリ禁書庫に逃げ込んじゃった罰なの…?



ハーッハハハハ!

諦め給えマスターよ!

俺様達はアンタだから気に入って力を貸すって決めたんだ!


そぅそぅ♪むしろよろこべよ〜マ・ス・タァ?

アハハハハハハハハ!!



頭の中が騒がしくておかしくなりそうなのに狂えないって、異常だよねもう!?



我の主に狂われたらアカシックレコード的には堪らぬからな。

処置位はさせてもらうのは当然だろう。



これ、感謝するところ?



してもいいし、しなくてもいい。

自由意志で決めたまえ。



はぁ……ともかく、――でわたしを助けてくれたリトお兄ちゃんと結婚できる、のなら。

わたしはそれで良いよ、もう。

これからもよろしくね?

アカシックレコードさん。



『任せよ/まかせとけ!/おうよ。/俺様に任せな!/私ちゃんに任せとけぇ〜/うむ、頼りにせよ。/主ちゃま大好きぃ〜♡/うふふっ♪お姉さんに任せなさいな♪/アタシに任せなぁ〜』



これは、騒がしくも頼もしい、アカシックレコードさんに出会ってしまったわたしの、逆襲の物語だった。

でもなぁ…アカシックレコードさん、本当に全知だから、無能な両親と兄(あんな人)達、社会的に瞬殺するの簡単すぎたんだよねぇ…



それにしても、【ミーシア*ブロッサム】。

彼女は何者なの…?



我が主よ。

気にするなどはいわぬが、今はダメだな。


物語的には☆ネ☆タ☆バ☆レ☆って奴だかんなぁ〜♪


と言うかぁ~その表記が既に意味深なんよぉ〜。



え?表記?なんの事?



おぉっと。

ネタバレネタバレ………

アカシックレコードはくぅるに黙るぜぇ〜………



ほぇ???






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