その⑩
わたしは悩んでいた。どうしたら良いものかと・・・・
封印されていたのがわたしの夢の中の人リッカルドだったのだ。
・・・・・封印解いても大丈夫なんじゃないかな?なんて聞けるわけがない。なんせ1000年も封印を守ってきたってわけだし、口が裂けても・・・
しゅっ!
闇族は突然わたしの横に現れ、横にいたディザードの体を蹴飛ばしてわたしから退けた。
「これはさっきの借りだ!半端者!」
ディザードに対して罵った後、彼はわたしの体を担ぎ上げ・・・・
「ちょっ!??」
驚くわたし。
「ミリエルさん!?」
「ミリエル!!!」
キルド達は叫びを上げながら『待て!』と言わんばかりに手を伸ばすもわたしに触れることも叶わず・・・そしてわたしと闇族はその場から消えた。
ドスンっ!
暗闇の冷たい部屋に投げ込まれるわたし。
「ちょっと!!!痛いし!!!何なのよ!?わたし捕まえても意味ないから!」
わたしの怒り混じりの言葉を完全無視し闇族は手から炎を出し周りを照らす。
そこは長方形の石を積み上げて造った部屋で天井から水滴がたれて来る。
「お前はここにいてろ。」
闇族の男はそう言うと、辺りをキョロキョロと見渡した。
「何か探してるの?」
だがわたしの言葉を無視して3つある眼を全部つむっては歩きを何度も繰り返す。
「ねぇってば・・・闇族のおっちゃん・・・」
だが無視して何もない壁に手をかざす。
「ねぇねぇねぇ?」
わたしは彼に詰めよりしつこく聞きまくった。
あまりにもしつこくするから彼はわたしを睨みつけ。
「うるさい餓鬼が!!!俺はラズメスだ!誰がおっちゃんだ!!!お前は利用できそうな人質としてここに連れてきたまでの事。騒ぐとお前の体を力で束縛するぞ!」
そう怒鳴った後、ラズメスは再び壁に手をかざす。
バジっ!パリン!!!
かざした手を中心にして壁がガラスに光をあてたように一瞬光り、それは音と共に砕け散り霧のように消えた去った。
ラズメスは壁の一部を力で押すと・・・ゴゴゴっ!!と音をたて突然人が一人通れそうな程の入り口が出来る。
彼は躊躇う事なくその先に進み、わたしもその後を付いて行く。
先には広く暗く冷たいボロボロな部屋があり、真ん中には白い文字で書かれたよく本とかに描かれている魔法陣らしき文字が刻んであるのが見える。
「儀式の間だ。」
何も言ってないのに勝手に話す彼。
「ここキルドの家の中よね?何であんたが知ってるのよ?」
わたしの質問に彼は不敵な笑みを浮かべ・・・
「奴の行動はおかしな所が多くてな。匂いを巻き散らかしながらも森の外を普通に出たり、街に行ったり・・・死なないし力に自身があるのは分かるが、じゃこの森に結界を張ってる理由は何だ?と俺は長年考える様になった。」
・・・・確かに・・・街に行って薬売りに行ったりしてるっぽいけど、わたしを森の外に出そうとした事もあったわね・・・・
「そして数年前から奴の力が弱まってる時に、この建物を調べる事も視野に入れた。」
魔法陣の上に炎をかざし文字を読み出した。
「で・・・さっき・・・外でなんか突っかかってきた胸糞悪い人間をぶっ殺した後、屋敷の中を探索してたらここに出たってわけだ。」
文字を見ながらこっちを振り向きもせず話し出す。
・・・・あのおじさん・・・闇族に悪態ついてラズメスを捕まえようとしてたんだなぁ~と何となく想像がつくわね・・・でもだからと言って人を殺して良いってわけじゃないでしょ?・・・・
ラズメスにそう言いたいが、次はわたしの番なのかも知れないと思い口にするのはやめる。
「簡単な代物で良かった・・・・俺にも解けそうなやつだ。兎に角さっさと1つ目の封印を解除させる。ちょっと荒っぽいが・・・・」
ラズメスはわたしの腕を掴み、腹部を切り裂いて魔法陣の中に放り込む。
「く・・はっ!!!」
地面に叩きつけられそして切り裂かれた腹部から大量の血が流れ出る。
後から来る激痛・・・・
口から血を流し動ける状態では無くなっていた。
「封印解除の方法は何種類かあってな、こっちは本来やらない邪道なやり方。動き回る奴の封印を解除するのは難しいが、先にこっちを解除させてしまえば後はどうとでもなるだろう。」
ラズメスは魔法陣に手をかざし何やらブツブツと呟き出した。
するとたちまち魔法陣は赤く染まりだし・・・・
わたしの血が魔法陣の文字にそって流れ出る。
わたしは既に意識が遠退いていた。
『ミリエル!!!』
遠くにキルド達の叫ぶ声が聞こえて来るがわたしはそこで気を失う。




