第39話 エヴァ、ワルイコトイイコト
※1500万PV達成
第七位階上位
《【運命クエスト】『ガラスの靴は砕けない』をクリアしました》
硝子の魔女・エラを撃破した。
エラは、ガラスの鎧、所謂魔導鎧を装備し、魔法主体の戦いを展開したが、エヴァの暴力には敵わなかった。
生成されたガラスの兵士は瞬く間に蒸発、切断され、慌てている内に四方八方から無数の実弾と光線が襲い来る。
それをどうにか撃退したと思ったら、各地にばらまかれた次元杭を通じて次元倉庫からミサイル投下。
エヴァは連続する大爆発の中涼しい顔でジャッジメント級の光学兵器を複数台展開。
内1台は正面に。もう1台はハリボテだがそこそこ強めの隠密効果を付与して背後に。そして最後は次元倉庫内部から。
流石は神とあって、エラは爆炎の中でも冷静に正面と背面の兵器へ収束光線を放ち、これを破壊。意識の外から飛来した光線を受け、見事爆死と相成った。
いやまぁ、ジャッジメント級の直撃を受けても、エラのガラス装備ならば大したダメージにはならなかっただろう。
しかし……流石に10台分の直撃を受けてはそうも行かなかった様で、即座に鎧から緊急脱出すると、射出された勢いそのまま土下座して命乞いしてきた。
リヨンが、プランBはどうしたのよ! と怒っていたが、おそらく生身で戦うであろうプランBはエラの想定には入っていなかった様だ。
その後、半ギレのリヨンがぶちぶち言いつつ出現したガラスの靴を装備し、ありがとうございましたーと拗ね気味に言った所でクエストクリア。
次は本気なんだからね! などと宣言し、何やら準備するとかでさっさと居なくなってしまった。
エラも困った様に微笑んでその後に続き、残された僕は廃材回収をするエヴァと共に城跡地を後にした訳である。
入手した物は、スキルポイント5P。 『硝子の宝珠』。『栄光の硝子銃』。
エクストラ評価報酬は、『栄光の破壊者』でスキルポイント3P。それから……割れたただのガラスの山。
振り返るとボロ屑の城は無くなっていた。
余程作り込んでいたのだろう。城内の調度品のゴミが大量にあった。
ありがたく頂戴しておく。
さて、では早速、全く消耗のないエヴァの尋問を始めようか。
静かな森の中、白髪を左右にふりふりしてご機嫌に隣を歩むエヴァに声を掛ける。
「エヴァ、何か僕に隠してない?」
「思春期の娘の隠し事を詳らかにしようとするのは悪しき行いであると糾弾します」
無表情で食い気味に糾弾されてしまった。
と言うか、隠していたらしい。
僕はしょんぼりと下を向き、唇を尖らせ、上目遣いにエヴァを見上げる。
「隠してたんだ……ショックだな〜」
「心が篭っていないと断言します」
断言されてしまった。
……こんなに可愛いのに。
「……まぁ、それは良いとして……実際の所はどうなのかな? 言わないなら勝手に覗くけど」
「プライバシーを侵害しています。提訴すると宣告します」
エヴァは思いの外頑なだった。
これはどう言う事だ、反抗期なの? と思案しつつ、取り敢えずエヴァの懐柔に掛かる。
「撫でても無駄と報告します」
「そんな事言わずに、さ……ね」
微妙にエヴァの方が身長が高いが構わず擦り寄って頭を撫で、頬擦りしてみる。
「色仕掛けは無意味です」
「教えてくれたらもっと……イイコト。してあげるよ?」
何とは言わないが。
僕がそう言い切るや否や、エヴァは即座に返答した。
「ユキをびっくりさせる為に頑張っていると報告します」
……ふむ?
ふんすふんすと鼻息荒く、無表情でそう言うエヴァ。
「……何を頑張ってるの?」
「……それは言わなければ『イイコト』は無しかと質問します」
「……悪い事じゃないなら良いよ」
「悪い事ではないので『イイコト』を要求します」
さり気なくボイスレコーダー的な機能を使って言質をとって来たエヴァ。
まぁ、覗く事は出来るけど、気付かれずにやるのは困難だ。
拗ねられても困るし、悪い事じゃないと言っているので問題ないだろう。
……黒霧あたりとも何か裏でやってるみたいだし、仕方ない。
最悪僕が動けばどうにかなるだろうし、悪い事じゃないなら良いだろう。
そんな訳で、僕はエヴァの頭を撫でてあげた。
「よしよーし」
「……」
……ご満足して頂けないらしい。
だが、それも僕の策略である。
次にエヴァの頬を両手で押さえ、額にキスをする。これがドアインザフェイステクニック。
生意気にも反抗するエヴァは全力で甘やかしてやる。
「……ユキ」
「何かな?」
「もっとイイコト、教えてあげます」
ぐわしっとエヴァに捕まった。
◇
ぶるぶるぶると高速振動するエヴァの膝に座り、正面から抱き合う。
接触面積が多すぎて、ダイエットマシンでもない様な凄まじい振動が脳と胃を襲うが、それは置いておいて……。
「……ねぇ、これなに?」
ぶるぶる震える僕の声を聞き逃さないエヴァは、謎の高速振動を続けながら震える声を発する。
「この姿勢で揺れ動き、肉棒を食べてお腹一杯になると子供が出来ます」
「……そうなんだ」
アジムスの繁殖方法がそんな事になってるなんて、シラナカッタナー。
遠いお空を見上げ、アジムスの身体構造について思いを馳せていると、エヴァが何処からともなく沢山のソーセージを取り出し、ムシャムシャと喰らい始めた。
「もぐもぐ……ユキもソーセージを食べます」
「はーい」
しばらく、高速振動するエヴァの上で夜食を取った。
彼女に変な知識を仕込んだ奴は誰だ。





