第39話 vs.豊穣機神・アルカディア
第七位階上位
さて、次の機神を狩るとしよう。
……と、言いたい所だが……ティルナノグ戦では、全体的に魔力操作のし過ぎで、ルェルァみたいな昏睡とまで行かなくとも、かなり酷い消耗をしている者が多い。
魔力操作技術は特に重要な能力で、うちの子達は急速な進化によって魔力操作技術が追いついていない子が多い。
今回はとても良い修行になったが、魔力操作訓練をして来なかったツケが回って来た形である。
まぁ、つまりは脱落者が出たのだ。
勿論、無茶をすれば戦闘に参加出来るだろうし、何なら無茶をする経験も必要だろう。
だが、レベルが高い分、死んだら蘇生に掛かる時間も長く掛かり……期日以内の蘇生は望めない可能性が高い。
死んでしまったら却って成長が遅くなる訳である。
と言う事で、脱落者達にはしっかりと休んで貰い、明日また機神狩りに参加して貰おう。
現時点での脱落者は、元リーダークラスを除いたわんわん軍団。一部を除いた獣型の子達。合成獣。クレヴィドラグ達。ルェルァ。ちびっ子隊。
他の戦った子達は、脱落とまでは行かないが相応に大きな消耗があるので、注意が必要だ。
そんな訳で、次の獲物、豊穣機神・アルカディアに挑む。
◇
巨大な切り株の上に立つアルカディアは、金属質な見た目だがその実肉体を形成している物質は樹木の類いである。
形質が大きく変化しているので、何なら森属性の金属と言っても良いくらいだ。
彼の機神の特性は、巨大化と圧縮、縮小である。
——小さな巨人。
それがアルカディアだ。
今回は短期決戦で行く。
レーベと戦った時と同様に、個人個人が出せる全身全霊の一撃をアルカディアへ打ち込むのだ。
ニルバーナ、ティルナノグ、と長期戦が続いたので、そろそろ精神力が限界に近いと考えての事である。
最後に一発全力で撃ってお休み頂くのだ。
黒霧軍団が補助し、魔力操作からの全魔力を使用した必殺攻撃を体験して貰う。
単純なレベル限界の上昇にはあまり寄与しないだろうが、都市と星珠を得られるのなら、一回くらい上昇量が少なくとも問題ない。
倒し切れなかった場合は、最古参組とかが後詰をやる予定だ。
では行ってみよう。
◇
「お、おぉぅ……すごぃ」
若干引き気味にそんな声を出したのは、ルカナ。
間断なく降り注ぐ強大な魔力を秘めた魔法の嵐に、魔力の流れが良く見える彼女は乾いた笑みを浮かべている。
尚、ほぼ同じくらい良く見えているカエルとネコは、口を一文字に引き結び、光のない瞳で魔力の光を見つめていた。
程なくして攻勢は止む。
舞い上がる土煙と魔力残滓の中にいるアルカディアは……当然のように無傷。
ただし、周囲に浮いていた宝珠は4つが無くなっており、かなりの消耗を強いる事が出来たと分かる。
最後は、精霊帝6人と水精三姉妹にトドメを刺させようか。
◇
《【運命クエスト】『楽園の守護者:アルカディア』をクリアしました》
【運命クエスト】
『楽園の守護者:アルカディア』
参加条件
・ボス『豊穣機神・アルカディア』と戦う
達成条件
・ボス『豊穣機神・アルカディア』を討伐する
失敗条件
・全滅する
達成報酬
参加者報酬
・スキルポイント5P
・ロジックポイント10P
・魔力:貨幣10,000,000
参加者貢献度ランダム報酬
貢献度100%
貢献度100%
・武器『神樹の怒り』
・防具『祈祷の獣面』
・防具『樹神の重鎧』
・操具『豊穣都市・アルカディア』
・道具『伐られた神木舞台:引換券』
・道具『イロミツタマの塊《大》』×10
・スキル結晶『武術』×5
・スキル結晶『闘気法』×3
・スキル結晶『仙気法』
・スキル結晶『森魔法』×5
・スキル結晶『森樹魔法』
・スキル結晶『超圧縮』
・スキル結晶『小型化』×5
・スキル結晶『森耐性』×5
・スキル結晶『森樹耐性』
・スキル結晶『森属性』
・付与結晶『絶対強者・アルカディア』
・理論結晶『魔導理論結晶・森贄の憤怒』
・外装『魔導外装・樹腕』
エクストラ評価報酬
余裕綽々
一気呵成
高みの見物
・スキルポイント5P
・ロジックポイント10P
全体報酬
・『神木』解放
・進化条件の緩和
六精帝+αとアルカディアの戦いは、存外長続きした。
其々に獲得している神名をより強く解放し、装備の質も合わせて相当な強化をしていたのに、期待外れだ……とは言わない。
アルカディアは、残り2つの宝珠を呼び水にして、伐られた神木とやらに宿っていた死した獣の魂を呼び起こしたのだ。
それらは……森の迷宮で死んだ魔物、もとい僕が虐殺した魔物の群れの様であった。
神木の切り株の木材が魔物の形をとり、森贄と言う魔物となってわらわらと湧いて出る。
レベルはそう高くは無いものの、やたらと数が多いのだ。
それを殲滅したらしたで、ニルバーナと同じ様に膨大なエネルギーがアルカディアに集まり、戦闘能力がグンと高まった。
凄まじいまでの質量を持つアルカディアは、彼が元より持っている圧縮系のスキルの限界を越えた様で、元の2〜3倍程の体躯へと変化したのだ。
アルカディアのエネルギー量が爆発的に高まったのは、迷宮の魔物を駆逐し過ぎたのと、森贄となった魔物を一気呵成に殲滅したのが原因だろう。
超強化状態のアルカディアは、試練の魔物をも越える力を有していた。
流石に精霊帝達だけでは勝利は困難と判断し、うちのトップクラス戦力、レーベ、白羅、セバスチャン、リアラを投入する事となった。
黒霧の補助もあり、化け物と化したアルカディアは効率的且つ速やかに排除されたが。
報酬は、倒した敵の魂の一部を回収して森贄を作る仮面と、森贄が倒れる毎にエネルギーが貯まる腕甲。
重鎧は、イロミツタマと言う木材で作られた何の効果も無い重鎧で、イロミツタマは『命露満碧』と言う白っぽい青緑の金属が如き木材。
理論結晶は、仮面と腕甲の効果を合わせた物で、出力は両武具の75%程。
外装の方は、樹腕とある通り木製の腕。能力は形状自在で質量を増減させる事が可能。
木が無い場所ではこの樹腕から森贄を発生させる様である。





