第34話 ニルバーナの撃破報酬
第七位階中位
ゆっくりと落ちて来る太陽。
それは多くの生物にとって、明確な終末だ。
湖の迷宮の広さは、妖精の森と同じくらいだ。
ニルバーナの放った白き太陽は、この湖の迷宮を丸々消し飛ばせる程の超広範囲魔法である。
それに対するは、ザッハーク君改め、ディルヴァ。右の首はディラン。左の首はディラナ。
彼には、元々才能があったのだろう。
何らかの転生個体だったのか、偶々その様な適性があったのか。
今、彼はアジ・ダハーカの魔石をその身に取り込んだ。
後日加工しようと思っていたそれは、その実星珠と互角かそれ以上の絶大な力を秘めている。
それでいて、星珠の様に持ち主を補助する機能は無い。
並大抵の操魔力では間違いなく暴走する。
僕ですら、完全な制御を行うにはそこそこの消耗を強いられるだろう。
そう、彼にはアジ・ダハーカの力に高い親和性があった。
ディルヴァの肉体が膨れ上がる。
いや、力が漏れ出しているのだ。
溢れ出た膨大な闇の力は、完全な制御下に置かれ、アジ・ダハーカの姿を形成していく。
空に輝く白き太陽へ……今、闇の激流が放たれた。
◇
《【運命クエスト】『楽園の守護者:ニルバーナ』をクリアしました》
【運命クエスト】
『楽園の守護者:ニルバーナ』
参加条件
・ボス『涅槃機神・ニルバーナ』と戦う
達成条件
・ボス『涅槃機神・ニルバーナ』を討伐する
失敗条件
・全滅する
達成報酬
参加者報酬
・スキルポイント5P
・ロジックポイント10P
・魔力:貨幣10,000,000
参加者貢献度ランダム報酬
貢献度100%
貢献度100%
・武器『生命の宝珠』
・防具『救世の挙身光』
・操具『再誕の蓮華』
・操具『涅槃都市・ニルバーナ』
・道具『異界迷宮・涅槃の蓮池・引換券』
・道具『シャスティアのインゴット《大》』×10
・スキル結晶『閃光魔法』×3
・スキル結晶『極光魔法』
・スキル結晶『聖域魔法』×3
・スキル結晶『神聖魔法』
・スキル結晶『快癒魔法』×3
・スキル結晶『回天魔法』
・スキル結晶『閃光耐性』×3
・スキル結晶『極光耐性』
・スキル結晶『聖域耐性』×3
・スキル結晶『神聖耐性』
・スキル結晶『光属性』
・付与結晶『絶対強者・ニルバーナ』
・理論結晶『魔導理論結晶・救済の光』
・外装『魔導外装・救世の火焔光』
エクストラ評価報酬
余裕綽々
高みの見物
・スキルポイント5P
・ロジックポイント10P
・スキル『王威』
全体報酬
・『命泉』解放
・進化条件の緩和
《レベルが上がりました》
……うむ。やっぱりそう上手くは行かない物なのだ。
——ディルヴァは頑張った。
頑張ってニルバーナの太陽に抗い、見事それを退けて見せた。
気が緩んだのか限界だったのか……身体が弾けてディランとディラナがとれちゃったが……。
そして2匹はディルヴァの元々の力と命石の効果で、独立した一体の竜へと姿を変じ、飛び散った肉片や血液も瞬く間に蛇や蜥蜴に変化していた。
ディルヴァとディランとディラナは、自力で飛び散って魔物化した血液や肉片を吸収し、元通りに戻ったが……なんかこう……子供に見せては行けない様な物だった気がする。
尚、ニルバーナは太陽が防がれたのを見届けると、その肉体を明滅させて眠りについた。
密かに魂の確保を狙っていたが……残念ながら一瞬で何処かに消えて行ってしまった。
或いはもしかすると、アトランティスもニルバーナも、鵺の集会場で出た不死者、パルナコンと同じ様に、誰かが動かしていたのかもしれない。
経験値がドバッと入るのは、システムの神とかがクエスト越しに送ってくれているのだろう。
ともあれ、撤収及び休憩である。
まぁ、ディルヴァ以外は然程休憩も要らないだろうが、一応戦った子は全員本に仕舞って休んでいて貰う。
その間に、色々と確認を済ませてしまおう。
◇
先ずは、ニルバーナから入手したアイテムの確認だ。
救世の挙身光と火焔光は、謂わば光背。または後光と呼ばれる物だ。
挙身光は円形で、常に光を放ちながら回転している。
火焔光は炎の形をしており、光を放ちながら燃え盛る様に動いている。
両アイテムは、どちらも同じ性能をしていた。
浄化に特化した聖属性の閃光魔法。所持者の継戦能力を上げる無数のバフ。結界。
閃光はニルバーナの太陽と同質だし、継戦能力の上昇は再生や魔力吸収等に加え怪力系や硬化系の能力まで付与される。
そして、結界は……ニルバーナの結界と同じ物が使える様になる。
範囲も狭く、魔力量も少ないので、レベル400半ばで300余名の猛攻撃を10分近く耐える程の性能は無いが、それでも充分だろう。
ハイスペックな装備品である。
再誕の蓮華は、蓮の花を模った円盤型の移動アイテムだ。
効果は、搭乗者の治癒と魔力供給。そして、搭乗中に死亡した場合即座に蘇生すると言う物。
蘇生機能は、円盤が持つ総合魔力の6割を使用するので、普通に使っていたら概ね一日一回が限度である。
付与結晶の絶対強者と宝珠は良いとして、理論結晶の『救済の光』は……どうやらニルバーナの太陽を発動する機能があるっぽい。
現状だと……僕か黒霧かパフィ子軍団かイェガかクリカくらいにしか発動出来ないだろう。
ニルバーナに敬意を示し、この攻撃魔法は『救世の太陽』と名付ける。
最後、涅槃都市・ニルバーナはアトランティスと違って雅な感じの池やら社やらがある浮遊都市だった。
核は『天命の星珠』。
核周辺は光属性の神霊金属、シャスティアで社が作られていた。





