2-2.面白いお婆ちゃん
2-2.面白いお婆ちゃん
「だ、誰?」
「面白いことをしておるの、小僧?」
「あ、うん。いけないことだったかな?」
「お主、分かっていて火は使っておらぬな?」
「はい。母から火は、水辺だけでしかダメだと言われています。」
「ふむ。私も魔法使いじゃ。的当て競争に混ぜてくれ。」
パチンとペラギアが指を鳴らすと、対岸の堤防に、十個の手拳大の石が並んだ。
「ストーンバレット!」
コンコンコン。ラルスが三つの石に当てた。
「ほう!じゃあこれは?」
ペラギアも四つ撥ね飛ばした。そして、的を戻した。
「くそ!負けないぞ!」
ラルスが五つ、ペラギアが六つ、ラルスが七つ、ペラギアが八つ。
「わかったよ。えい!」
ラルスが十個必中した。ペラギアももちろんそうした。
「風も見せてみよ。」
「ウィンドカッター!」
バシュッ、バシュッ!
「ウィンドカッター!!」
ペラギアが待たずにその先を切っていく。
「うっそ!速い!負けるか!」
バシュバシュ!
「氷で」
「アイスボール!」
「アイスボール!!」
ラルスが繰り出すとペラギアがその先を奪おうとする。ラルスがムキになって更に繰り出す。
「ウォーターボールじゃ!」
「負けるか!」
二人は時々ミスをしたり外したが、最後の的は必ずラルスが取った。
「僕の勝ちだ!」
「私の負けじゃな。」
「わーい!勝った勝った!」
「そうじゃな。」
ペラギアはラルスを撫でた。
「おば、お姐さん、なかなかやるじゃん。」
「小坊主もな?」
「ラルスだよ。」
「ペラギアじゃ。」
二人はがっちり握手した。
「どうしてここへ?」
「ネリナという弟子を探しておる。」
「それ、母さんだよ!うちに帰ろう!」
――この人、こんなものじゃないだろう。子供相手の負けてやり方、上手だな。
――こいつ、私の底が見えてないのを知ってて子供らしく喜んだように見えたが。
孫と祖母ほど年の離れた二人は、それぞれの思惑は胸にしまいながら、手を繋いでラルスの家に帰っていった。




