第七回 特にかわらない朝
前回から続く回想終了
・・・
ひょんなわけで私は、耕輔君と律佳ちゃんとの三人で朝食を食べることになりました。
「朝と言えばカレーだよねっ!!」
律佳ちゃんが親指をぐっとして言ってきた。
いや、私的には朝からカレーはキツイなー…(汗)
「律佳、あのさ」
そう言った耕輔君の顔は真顔だった。律佳ちゃんはキョトンとし、
「ほい?」
「目の前のご飯と味噌汁、お漬物を目にして言うことじゃないよな…(汗)」
確かに食卓の上には、耕輔君お手製のご飯と味噌汁、お漬物が並んでいる。
「え?私何か言った?」
律佳ちゃんは顔を傾けた。素で気付いてないらしい。
「…もういいッス…」
ドンマイ耕輔君(泣)
「にしても」
耕輔君が私の顔を見た。
「はい?」
「美奈子さんの家に来たと言うのに、自分の料理を披露することになるとは(汗)」
耕輔君の言っていることは誠に正しい(汗)
「あはは(汗)スイマセン、朝見たら冷蔵庫に何にもなくって……(汗)」
「あっ……そうか……こちらこそスイマセン(汗)」
ん?何故耕輔君が謝るんだろう?
「?何がです?」
「え。いや、ほら律佳がー」
言われて律佳ちゃんを見る。律佳ちゃんは、ご飯に味噌汁をかけてねこまんまにして食べているところだった。
「ああ、律佳ちゃん……がどうしたんですか?」
私が言った瞬間、耕輔君は『がくっ』と右肩を落とした。右肩がダルくなったのだろうか?
「あ、肩ダルいんですか?」
「…いや、ダルくないですよ(汗)」
「うわー、この米ぐちゃぐちゃしてるー」
これはねこまんまを箸で口に運んでいる律佳ちゃんの台詞だ。
「それはお前のせいだろうがっ!(汗)」
「話は変わりますが、耕輔君」
突っ込んでいるところ悪いと思いながら、私はそう話を振った。
「大体お前は子供かっ!こうゆうのはお箸で食べずにスプーンとかで食べろよっ!」
聞こえてないみたいだorz
不毛な会話は続く。
「えー。おしゃもがいい〜」
律佳ちゃんは手や足で机をガタガタ揺らした(子供のだだをこねる具合とほぼ同じ。ただサイズと規模が違うッ(汗)。
「おしゃもじゃなくてレンゲだよ!(汗)
まったく…
はい、レンゲ」
どこから出したのか。さっと“手から出た”レンゲを、律佳ちゃんが持っていた箸とすり替えた。
「よっしゃ、おしゃも〜!!」
律佳ちゃんは満足した様子でおしゃもを持った手を天に掲げ、ものすごいスピードで円を描いた。
あまりの速さに手が六本、いや八本に見えますっ(汗)
って言うかそれは何かの宗教関係の儀式ですか!?
耕輔君は、その眼にも止まらぬ回転をバシッと掴み止め、
「レンゲだっ!(汗)」
と言い放った。耕輔君!あいや、さっすがー!!
…けど何だか、律佳ちゃんと耕輔君の朝のやりとりが見えてちょっぴり悲しくなりますな(汗)ファイト、耕輔君!!
「ぜー、はー、ぜー…
で、美奈子さん、続きどうぞ?」
うわっ、あの状況下で聞いてらしたんですかっ!(汗)。もはや聖徳太子よりスゴイですね(汗)
「は、話しは変わりますが──明日、始業式になりますね」
「え、ええ、はい。その話しでしたか」
「ええと、あの、良ければ明日、みなさんと一緒に登校させて頂きたいのですが、よろしいでしょうか…?」
「え?はい、構いませんよ」
耕輔君は、屈託なく微笑んでくれた。
今突然気付いちゃったけど、律佳ちゃんと耕輔君って釣り合わない気がするなぁ…今度、どうやって出会ったのか聞いてみよ。
何気なく律佳ちゃんを見る。見て気付く。
しまった!(汗)「おまい他の女と学校行くなんて、エエ根性しとるヤないかー?えぇ?」みたいなことを律佳ちゃんが言うのでは!(汗)
私はじっと律佳ちゃんを観察した。
「うまーうまー」
…三秒くらい集中して観察したけれど、相変わらず律佳ちゃんはねこまんま食べているだけだった。
手元をよく見ると、スプーンを握っている律佳ちゃんの手は、グーをさかさまにした格好だった。
ホント、マジでかぁいいよね……ふっ、どうせあたsy(ry。
「あと、ドク太も登校しますからね」
耕輔君がぼーっとしている私に言った。
「ほえっ!?あ、え?ドク太君も行くんですか?」
ドク太と言えば、律佳ちゃんじゃないほうのお隣さんが飼っている、?犬だ。
「ですから、そう言ってるじゃないですか」
「その言い方ムカつきますね…」
「え(汗)」
「いえ、何にも言ってませんよ♪で、どうしてドク太君までが登校を?」
「(この人割と腹黒いのか…?(汗)」
「聞こえてますよ」
私は耕輔君に軽くガンを飛ばした。
「(言ってませんしッ!?)
コホン。えっとですね、ドク太は学校の医療犬なんですよ」
「い、医療犬?名前とかけてるつもりですか?」
Dr.とドク太。どう見ても死ぬでしょ!!(汗)
「いや、僕がそう決めたわけじゃないですから(汗)」
「あ、そうなんですか、スイマセン(汗)それでその、医療犬の役割は…?」
「主に器具の郵送ですね。大きな機材を持ち運ぶ時、人間では足が遅くなりますからね(汗)」
「へー…」
時代も進んだもんだなぁ…。じゃなくて!(汗)
「人間でも運べないもの、犬じゃ無理ですよ!!(汗)」
人間と犬。積載量じゃどう見ても人間に分があるでしょ!(汗)
「いや、大丈夫なんですよ、それが」
「え…?どうして?」
「…すっごい言いにくいのと、信じてもらえそうにないので、その時言います(汗)」
「はぁ…」
メフィストフェレスもビックリの妙技を、ドク太くんは持っていると言うことだろう。確かにあの悪魔も最初は犬だったし。
「とにかく、僕たちも朝食を頂きましょう?」
「それもそうですね。…ってあれ?」
ちょっと前まで私の目の前にあった私の朝食がない。
「こうすけ〜、今日作りすぎじゃない?」
律佳ちゃんはどうやら、私の朝食まで食べちゃったみたい。
「お前が食べすぎなんだよっ!(汗)」
「ぁいたっ!!」
今日もまた、耕輔の突込みが決まりましたとさー…
…嗚呼〜、私の朝食〜…