第3話 私のお葬式
心置き無くって言われても、父方のお爺ちゃんやお婆ちゃんには両親が亡くなってからとってもお世話になったのに、父を亡くし、また孫の私まで殺されてしまったら、がっくりしてぽっくり逝ったらどうするのよ。
ああ、心配だよ、私の葬式はどうなったのよ。お爺ちゃんお婆ちゃん泣いてんじゃないの?
「仕方ありませんね、心置きなく行ってもらえるように、お葬式の場面をダイジェストでお見せしましょう」
目の前に映画のようなスクリーンが現れ、《桜ノ宮桃子の最期》という字幕がババーンと現れた。
死んだその後警察から連絡があり、祖父の桜ノ宮大五郎と祖母乃梨子が駆けつける。
警官に誰に殺されたんだ!と泣き叫び、早く犯人を捕まえろと言いながら私の事情も警察に話し、私の叔父が怪しいと言っていた。
私を殺した犯人は崖の上で刑事さんに、叔父に弱みを握られ言うことを聞くしかなかったんだ〜と涙ながらに罪の告白をしていた(火サスの様に)。直ぐに警察に捕まり、叔父はマスコミに叩かれていた。証拠がかたまり次第、つかまるだろう。
お爺ちゃんやお婆ちゃんは大泣きしながらも、お通夜やお葬式はしっかりと喪主を務めていた。
お通夜には私の中学や高校、大学の友人達が来てくれ随分と泣いてくれたようだ。腐女子仲間には出来れば私の趣味の物を祖父母に見られる前に引き取って欲しかった(無念だ)。
お通夜やお葬式の様子をしっかりと見ていると、お爺ちゃんとお婆ちゃんのすぐ近くに、私が車に引かれた時に庇った女の子がいた。こんなところで座敷童が出てくるとは思わなかった。
二人を慰めるように手を握ったり、背中をさすったりしているようだが、誰も気付いていないみたいだ。
葬式が終わり、お爺ちゃんお婆ちゃんが二人きりになっても座敷童は一緒にいるようだ。
これからも一緒にいて慰められているのなら安心かもしれない。
「大丈夫ですか?お爺さんやお婆さんはこれから二人が亡くなるまで座敷童が慰め続けるそうです。桃子さんにも向こうの世界に行った時の加護も預かっていますよ」
「そう、ところでレティシアさんのいる世界ってどんなところなの?」
「私が守護する世界は、地球ではファンタジーと言われるような剣と魔法の世界で人間だけではなく、エルフや獣人、魔族魔物などがいる世界です。生活水準は地球よりちょっと劣って中世ヨーロッパみたいな感じですかね」
ファンタジー………ちょっと心踊る単語だね。私はチョットオタク気味だ。
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