第6話 ブランの来襲
リビングでカリン婆にお礼を言っている最中に、いきなりドアがバーンと開けられ、小さな男の子が飛び込んできた。
「婆ちゃん!!俺に魔法を教えてくれ!!!!!」
顔を真っ赤にしながらカリン婆に向かって叫んできた。
「おやおや、どうしたね、ブラン。魔法はアイラが教えていただろう」
「母ちゃんが教えてくれるのは、しょぼい魔法ばっかりだもん。にいちゃんみたいにバーって火を出すとか、風をゴーってさせて木を切るとか、そんなのやってみたい。
なのに母ちゃんは体に魔力を纏わせる練習とか、水を出して皿洗いの練習とか、体の汚れを落とす魔法とか、そんなのばっかりでちっともカッコ良く無い!!!」
「魔法はカッコイイ、悪いじゃないと思うでしゅよ」
私が口を挟むとブランはギロリと睨んで私の前に立った。
「なんだよ、お前誰だよ、生意気だぞ俺より小さいくせに!」
「私は桃子、小さくても常識ぐらいはわかるんでしゅよ」
「なんだよ、常識ってなんだってんだ!!」顔を真っ赤にして怒っている。
「常識も知らないのにカッコいいからって、危ない魔法を教えろって言うんでしゅか?もっと勉強をしてからじゃないとダメでしゅよ」
私は冷静に言ったつもりだが、ブランを逆上させたようだ。
「生意気だぞお前!!!」
叫びながらブランが殴りかかって来たので、咄嗟にブランの拳を払い、掌ていを顎に当ててしまった。
「あ………やっちゃった………ごめんなしゃい」
謝ってはみたが、ブランは掌ていがきっちり決まったみたいで、失神していた。
「おー綺麗に決まったのー、桃子は格闘技も出来るのか?」
「護身術を習っただけでしゅ」
孫を傷つけたのに、ドラク爺もカリン婆も平気な顔をして、私の事を感心していた。
カリン婆はブランをクッションに寝かしつけ、ちょっとアイラを呼んでくるよと、笑いながら出て行った。
「ドラク爺ちゃんは、私に怒ってないでしゅか、孫のブランを失神させちゃったのに」
落ち込みながら言うと、気にせんでいいと言ってくれた。
「桃子の言う通りじゃからな。もっと勉強をして魔法がどういうものなのか解らんと、周りの者に迷惑をかけたり、傷つけたりするからの。
アイラも口を酸っぱくして教えていたんじゃが、ブランの兄が冒険者として有名になってきたから、真似がしたいんじゃろ………困ったやつじゃ」
「じゃあこれから私と一緒に練習させたら良いでしゅよ。私も倒せないのに危ない魔法は教えられないって言えばいいでしゅ」
「それもいいかもしれんのぉ………一緒に格闘技の練習ももやるか?」
ドラク爺もやる気になったようだ。
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