表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『うっかり邪神(ヤクザ)を舎弟にした箱入り姫の極道スローライフ〜絶品ご飯で神様たちを餌付けして城下町の事務所で暮らします〜』  作者: 月神世一


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/45

EP 4

天然サイコパスの闇医者ムーブ

「お任せください♡ 私に、とってもいいアイデアがあります!」

絶望に包まれたヤクザ事務所(料理屋)のド真ん中で、リアナは愛用の『マイ包丁』をキラキラと輝かせながら、満面の笑みを浮かべた。

「お、おい……お嬢ちゃん? なんでそんな物騒なモン持ってんだ?」

フェンリルが、嫌な予感に尻尾の毛を逆立てながら後ずさる。

「ふふっ。3千万円なんて大金、どうやって返そうかと思ったんですけど……簡単なことでした! お二人の『内臓』を売ればいいんですよ!」

「「「…………え?」」」

フェンリル、リーザ、そして闇金のブタジマすらも、一瞬何を言われたのか理解できず、ポカンと口を開けた。

「ブタジマさん、闇金業者さんなら『裏の臓器売買ルート』って持ってますよね? 狼王さんの強靭な心臓や腎臓、それから人魚姫さんの美しい肝臓なら、きっと高く売れると思うんです!」

「い、いやァ……まぁ、ルートはありますケド。いくら高く売れるっつっても、臓器なんて取っちまったら死んじまうでしょォ?」

本職の悪党であるブタジマが、リアナのあまりにも無邪気な狂気に押され、少し引き気味に答える。

すると、リアナは「えっへん」と得意げに胸を張った。

「そこが私のアイデアのすごい所です! ブタジマさん、私が回復魔法をかければ、欠損した部位なんて一瞬で元通りになるんですよ?」

「……ハ?」

「つまり! フェンリルさんとリーザちゃんのお腹を包丁で裂いて、臓器を取り出して売る! そして私が回復魔法をかける! すると新しい臓器が生えてくる! それをまた取り出して売る!」

リアナは包丁を持ったまま、ウキウキとステップを踏みながら恐るべき『錬金術』の全貌を語った。

「これなら元手ゼロで、『臓器の取り放題、売り放題』です! ね? 3千万円なんて、すぐに返せちゃいますよね♡」

「「「ヒィィィィィィィィィッ!!?」」」

ついに、フェンリルとリーザが恐怖のあまり悲鳴を上げた。

ギャンブルで身を滅ぼした末路とはいえ、「無限に内臓をえぐり取られる(しかも死ねない)」という罰は、地獄の責め苦よりもエグい。

「や、やめろリアナ! 正気か!? いくら回復するからって、お腹裂かれたらめちゃくちゃ痛いんだぞ!?」

「嫌ですぅぅ! 私の綺麗な臓器がぁぁ! お金なら、お金なら鼻に五円玉詰めて稼ぎますからぁぁ!」

涙と鼻水を撒き散らして土下座する二匹のクズ。

「大丈夫ですよぉ。痛いのは最初だけです! すぐに慣れますから、ちょっとだけ我慢してくださいね♡」

リアナは完全に『親切なナース』の顔で、包丁を構えて二人へとにじり寄っていく。

「エグい……エグすぎるスよこのお嬢ちゃん……ッ! ウチよりよっぽどブラックじゃねェか……!」

百戦錬磨のブタジマでさえ、額から脂汗を流してドン引きしていた。

「——ストォォォォォォップ!!!」

ここでついに、カウンターの奥で顔面蒼白になっていた極道邪神・デュアダロスが、全力で間に割って入った。

「お嬢! 落ち着け! 包丁をしまえ!!」

「えー? でも、デュアダロスさん。これならすぐに借金返せますよ?」

「そういう問題じゃねぇ! お嬢、ご乱心でっせ! 仮にもファンタジー料理小説の主人公が『無限臓器売買』なんて闇医者ムーブかましたら、一発でサイト運営にBAN(垢バン)されますわ!! コンプライアンス違反の極みだろ!!」

デュアダロスの魂からのメタツッコミが炸裂する。

「うぅ……せっかくの名案だと思ったのに……」

リアナは不満げに頬を膨らませ、渋々といった様子で包丁を下ろした。

「はぁ、はぁ……助かった……」

フェンリルとリーザは、床に崩れ落ちて安心の涙を流した。しかし、彼らの借金3000万円が消えたわけではない。

「じゃあ、臓器売買がダメなら……」

リアナは少し考え込んだ後、再び天使の笑顔を浮かべて、とんでもないことを言い出した。

「お店のみんなで、『慰安旅行』に行きましょうか! ブタジマさん、お魚釣り(マグローザ漁)の船の手配、お願いできますか?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ