Case.1-1 ”GHOST”
”警備局魔術特捜課”
魔術犯罪が急増したことがきっかけで設立された特殊部署。通称、”統制局の下請け”。魔術犯罪の捜査は基本的に魔術統制局と警備局の上層部との審議の上で捜査の認可が下りる。
つまり、認可が下りない限りはどんな事件が起きようと捜査すら行えない。その代わり、他の課では手に追えない、”ブラックケース”が舞い込んでくる。
「幽霊、ですか?」
朝の定例ミーティングで辛木田班長から捜査資料を受け取った僕は思わず疑問を口にした。
「班長、魔術師がいるこのご時世に幽霊って、少し平和ボケしすぎじゃないですか?」
「そ、そうよ!第一幽霊なんてい、いるわけないでしょ!!」
そんな僕の横で顔を引きつらせながら抗議しているのはオペレーターの七瀬ユリ。気が強く姉御肌の彼女だが、幽霊やホラーの類はどうも苦手なようだ。
「そうは言ってもなぁ二人とも、魔術犯罪を専攻にしてる俺達特捜課は普通の隊員より仕事が少ないんだ。そもそも認可が下りなきゃ魔術犯罪だろうと手を出せない。」
「そ、それはそうですけど。」
「だからどんな変な案件だろうと、小さな案件だろうと受けないと、仕事にならないんだよ。安月給で雇われてる以上はやるしかないんだよ。」
「わかりましたよ。」
「ユリ、お前も怖がってないで捜査するぞ。」
「はぁい........。」
TO-KYO郊外の繁華街で不審な行方不明事件が多発していた。一人目の被害者は付近の居酒屋で働く看板娘。二人目の被害者はIT企業に勤める男性。三人目の被害者は部活帰りの男子学生。
これらの被害者達に共通しているのは、行方不明になる直前に自身にしか聞こえない声が聞こえていたという。そして目撃者が被害者のすぐ隣にいたことである。
「なるほど.....被害者達はその声を聞き、隣にいた友人などに話している時にいなくなったと。それで幽霊の仕業ってわけですか。」
「そういうことだ。今時幽霊なんざおかしな話だが、これが魔術師の仕業、あるいはERROR:CODEの影響って考えると納得できる。」
「幽霊......”GHOST”ってとこですかね。」
「まだその手の魔術は観測できていない。ありえない話じゃないわね。」
「よし、午後から早速捜査を始めるぞ。」
『了解!』
同刻、TO-KYO23区_中央区
「~それでさ、昨日隣のクラスのやつがさ、」
「あ、それね!友達に聞いた!!」
「あれやばくない?」
「やばいよね~あr......」
『コッチニキヅイテ......』
「へっ?なに?誰?」
「どうしたの?」
「い、今耳元で変な声が聞こえたんだけど.....」
「え~?気のせいじゃない?」
「気のせいなのかn.....」
「あれ?ミキ?ねぇ、ミキ?どこいったの?」
『コレデキミモボクトオンナジダネ.....ヒヒヒヒヒヒ』




