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3章 ー10
(今……)
起き上がり、朱奈の手の感覚が残る首に手をもっていこうとし、自分の手が震えている事に気がついた。
(朱奈さんは私を……)
透子は震える自分の体を抱き締める。
「……なんで」
朱奈は首を振って、上半身を起こしていた。
「なんで、白拓の加護を貰ってるよの!」
口惜しそうに、朱奈は唇を噛んで透子を睨む。
「加護?」
「私や白拓くらいの妖力があれば一匹くらいの眷属になら加護を渡せるのよ。でも普通それは……」
朱奈の唇がわなわなと震える。
「気にくわないわ!」
朱奈は立つとずかずかと襖に向かって歩み「私は認めない!」と言って、開けた襖を力いっぱい閉めて行った。
パァン!
と、言う音が響き渡り、透子は嵐が過ぎた事にほっとしたが、すぐさま(しまった!)と、事態を悔やんだ。
(ちっとも朱奈さんと話し合い出来なかった)
そもそもあんなにも嫌われてるのに話し合いにんて……と、透子は途方に暮れた。
「おい、さっき朱奈が来ていっただろ?」
良い関係など築ける筈がないと思っている白拓はニヤニヤしながら透子の部屋へと顔を出した。




