表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カインズファミリー  作者: ジオサイト
1/3

気まぐれな階段辺りでは色々と起るのです



 立派な洋館がある。


 庭には垣根のアートがあって、翼のはえた馬なんかがいなないている姿だ。


 その洋館には普段ひとけがなく、空き家だと思っている者もいる。


 それから、昔は貴族の家であって今は管理人くらいしか立ち入れないとも。



 実のところこの洋館にはとある家族が普通に住んでおり、メイドや執事もいる。


 外との交流は時々だが、している家だ。


 その家の名を「カインズ」と言う。



 家長である黒髪を金髪に染めた美青年がジーキルハイド。


 その妻である金髪美女は、名をアゲハと言い新しく誕生した赤ん坊をだっこしている。


 赤子の名前はラーシュ、男の子だ。


 ジーキルハイドとアゲハの間に生まれた長女と長男を紹介しよう。


 長女、金髪美少女のアンビー。


 長男、黒髪美少年のグラッティ。


 グラッティは2番目に生まれたが、すでにアンビーの身長を超えている。


 アンビーの童顔もあって、よくグラッティの方が兄だと思われがちだ。



 常に薄暗さを感じるその室内、そこには芸術品や美術品が当然のようにある。


 二階の子供部屋にいたのはアンビーとグラッティで、自生した葡萄をもいで食べている。


 気まぐれに動く木製の階段を降りてきたふたりは、なぜか犬と猫の鳴き真似をした。


 玄関前のソファーに座って新入りをだっこしているアゲハが振り向いた。


 その横に座っているのは、家長であるジーキルハイドこと、愛称「ジーク」。



「そろそろ今晩のパーティーに向けてお客様が来るわ」


 その若々しい姿には意外なほど、落ち着いた喋り方のアゲハ。


 

 そこにインターフォンが鳴る。


「おや、さっそく誰か来たな。出迎えよう」


 更に壮年を思わせる喋り方の、二十代後半に見えるジーク。



「やぁ、ジーク!!」


「・・・ん?」


 玄関をドアマンが開けて、そこにいたのは高級車を背景にドライバー。


 その白い手袋をした手で、布のかかった鳥かごを示す。


「なんなんだい?」


 ドライバーが布をめくりはぐと、そこには首だけの美男子。


「やっほー」


「ジャック!ジャーック!どうしたって言うんだい?」


「また『うっかり』かぁ。僕は少し前に、新薬で首から下がないんだってば」


「初耳だっ」


「前にも言ったし、代筆で手紙にもして送ったよ」


「・・・そうだっけ・・・・まぁ、いい!首だけでも会いに来てくれてありがとう!」


「いいんだよう。子供達は成長しているのかい?」


「そうなんだ。いつ適合時期なのかまだ分からないんだよ」


「ほーう・・・」


 ドライバーから鳥かごごと親友を預かって、玄関先。


 玄関スペースにもテーブルがあるので、そちらに鳥かごは置かれる。


「あ、パンプキン!」とグラッティ。


「ん?ああ、アンクル」とアンビー。


「やぁやぁ、ふたりとも元気かい?首なしジャックこと、パンプキンおじさんだよ」


「・・・ねぇ」


「うん?」


「うんうん」


「・・・ああ!かまわないよ!まだその遊びがしたいのかっ!」


 アゲハが「そろそろヤバくない?」とジャックに言う。


「ちょっとしたMだから気にしないで」


「そうなのね」


 鳥かごの中から取り出された首だけジャックは、アンビーとグラッティと遊ぶ。


 トス、キャッチ、トス、キャッチ、トス、キック、アタック。


 そんな感じで首だけの父の親友をボール代りに遊ぶふたり。



「あら・・・もしかしておむつ?」


「ああ、わたしも同行しようか?」


「いいえ、大丈夫よ。あなたは子供達とお客様の相手を。わたくし人見知りだし」


「分かったよ、ハニー」


 キスをして玄関前から新入りを連れて別の区画へ向かうアゲハ。


「子供達~、そろそろ着替えなさーいっ」


「「はーいっ」」


「ほう、今日は素直だな」とジーク。


「「相槌」」とふたり。


「はっはっは」


「・・・ねぇ、ちょっと、どうしたらいい?」とジャックの声。


「親友よ、どこに行ってしまったんだっ?」


「「あっち」」


 玄関スペースの窓に、首だけジャックが横に転がっている。


「さすがに助けてくれないか?」


「そうだなぁ・・・」


 そこにインターフォンが鳴る音。


 ドアマンが玄関を開けると、そこには麗しい顔立ちの青年。


「灰色魔女様の参上でございます」


「おおっ、ワンダー!!久しぶりだなぁ」


 両腕を上げて手首をしなつくり、近づいてくるワンダー。


 そのまま熱い抱擁を交わすジーク。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ