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060 「バカだなテメーは!」

一話1000字前後の短編連作です。3分もあれば読めるかと。


毎週火曜日更新中!

 お手伝いさんは先手必勝とばかりに動き出し、まずは手始めに言ったとおり転がってた石を拾って全力投石してみる。効果があるとは思えなかったが、様子を見る分には充分だろう。コントロールにはある程度自信があったし、あわよくばこれで勝負が決まればいいと思った。


「バカだなテメーは!」


 持っていたスプーンで難なく弾かれてしまった。

 分かってはいたが、そんなに甘い相手ではない。それに聞いたことをそのまま実行したわけだから対処も簡単だっただろう。


「ほら行くぜ!」


 スプーンで地面を掘った途端、やはり土が爆弾へと変化する。どういう理屈か分からないが、今はとにかく事実だけを受け止めて行動する事に専念しないとやられてしまう。

 投石はまったくの効果無しと分かると、狙いを付けさせないように縦横無尽に走り回りながら次の手を考える。


「ちょこまかと……」


 あちこちで爆発が起こるがお手伝いさんに決定的なダメージを与える事が中々出来ず、イライラとし始めた。

 やる気になった時のお手伝いさんは手強い。


 しかしこのままだとまさしく泥仕合となってしまう。何か手は無いか師匠に意識を集中させつつも周りの状況を確認する。


 状況はこちら側が圧倒的不利。丸腰に対してあちらはよく分からない巨大なスプーンを振るっている。

 ぐるりと囲まれた壁際には師匠の実験の成れの果てが転がっている。

 勝機があるとすれば、これらに賭けるしかない。


「オラ、アタシはまだ一歩も動いてねーぞ⁈」


 挑発しながらも変わらず爆弾を放り投げ続ける師匠は脅威。そしてあのスプーンは凶器だ。

 走り回りながらもガラクタの中に使えそうな物が無いか探す。かなり神経をすり減らす作業だが、その程度は慣れっこだ。


(これは……!)


 そして見つけた。

 これさえあれば、もしかしたら何とかなるかも知れない。

 お手伝いさんの脳内に、勝利のための方程式が組み上がる。


 勝機は、戦いが終わったと思われたその瞬間。

 それまではまさしく根比べ。師匠の爆弾が勝つか、お手伝いさんの作戦が勝つか。

 とにかく最後の最後までやられる訳にはいかない。


 ガラクタの山から走りながらも適当に引っ掴んで使用する。使える物は使っていかないと一方的にやられるだけで勝負にすらならない。


「これは……剣か?」


 見た感じ市販されている普通のブロードソードだ。違うところと言えば使用済みなのか、柄も刃もボロボロで、まともな切れ味は期待出来ないところだろう。

 それでも無いよりはマシ、と割り切って戦いに集中する。


「ふっ!」


 爆弾を掻い潜り、背に爆風を感じながらも師匠に向かって一気に仕掛けた。

 剣を振りかぶって、握る手に力を込めた途端――。


 ガシャガシャガシャ……。


 ブロードソードがバラバラになった。

次回第61話「こりゃ驚いた」


お楽しみに!


【お知らせ】

6月14日(日)に開催される「サンシャインクリエイション2015 Summer」でオリジナル短編小説を出します! (部数少なめなんで)興味がある方は是非!

場所は「F-10a」です!


公式サイト→http://www.creation.gr.jp

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