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014 「執念」

だいたい1000字前後の短編連作となっております。

一話読むのに3分もあれば充分かと。何かの休憩にでもチラッと読んでいただければそれだけで幸いです。

毎週火曜日辺りに更新してますよ。

「うん、次の話題に移ろうと思ったんだけど、ここまでみたいだよ」

「みたいだよ?」


 変な言い回しをする。まるでこれから起きる事が分かっているかのよう。

 まだ全然話してないのに、これくらいでいいのだろうか。


「おてーつだーいくーん!」


 その時、家の中から錬金術士がリズミカルに言って出て来た。妙にルンルン気分みたいだ。いつにも増して楽しそうな声音である。


「もう入ってきてもいいよー。あ! わたがめ様だー!」


 速攻でわたがめの存在に気付き、これまた速攻でわたがめに駆け寄る。


「わたがめは捕まる前に行くよ。頑張ってね」


 お手伝いさんに少し早口でそう言い残すと、川の流れに乗って意外なスピードで遠ざかっていく。


「うわーん! もふもふしたかったのにー!」


 一足遅かった錬金術士は悔しそうに地団駄を踏んだ。


「私がわたがめ様好きだって事知ってるでしょ! 捕まえといてよお手伝い君!」

「すみません……」

「すみませんで済んだら警察はいらないのよ!」

「警察沙汰だったの⁈」

「あのふわふわもふもふは罪だよ……」


 その執念がむしろ罪になりそうで怖い。

 錬金術士がわたがめを好きな事を知っているからこそ、わたがめを捕まえておく事は出来なかった。

 一度もふもふしだしたらいつ終わるか分かったもんじゃないし、ただでさえ仕事が残っているのだ。

 王様からの依頼もあるし、そんな事に時間を使っている暇は無い。


「次見つけたら捕まえといてよね!」

「善処しますよ」


 そのつもりはない時の、前向きに聞こえる返事で返す。


「じゃ、日も傾いてきたし、部屋に戻ろ?」

「そうですね」


 錬金術士の言葉に頷き、ついて行く。


〝上手くいくと良いね〟


 脳裏に浮かび上がってきたわたがめの言葉を振り払いながら。

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