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【第二章】第三十九話

「治療モード、身体マッサージ!」


アイラは冷たい声を出すと、歯ブラシが歯を磨くように全身を擦り、ブラシからは薄黒い光が出た。


「これを使うのは訓練以来かな。実戦では初めてかも。まずは軽く当ててみよう。」


アイラはまっすぐに腕を伸ばした。始動は緩慢で、ハナゴンは顔の前で腕をクロスさせてガード。そこへアイラの拳が軽くヒットした。刹那、音もなく、ハナゴンの体は30メートル先の岩に激突していた。


「ぐはっ!」


ハナゴンの口から生暖かい血が流れ出た。


「ちょっと力が入り過ぎたかな。テスト勉強ばかりしても実際の試験を受けとかないと、パワーの加減がわからないな。これじゃ、不合格だね。あっ、不合格っていうのは、私と君のことだけどね。君は力をもっと込めないとダメだよ。もう限界だなんて冗談はやめてくれよ。」


「こ、これはスゴいパワーだな。どうしたらこんなに強くなれるのか、教えて欲しいぜ。バタン。」


たった一撃で土マットに沈んだハナゴン。


「まさかこれで終わりじゃないだろうね。テスト教室を出る時間にはまだ早くて、ドアは閉まったままだよ。」


「言ってくれるぜ。俺は勉強苦手だから、テスト時間はギリギリまで用紙に向かってあがくタイプだからな。」


「それはまったく正反対だね。お互いに気が合わないってことだよ。ならば、早くテストを終了させるようにするよ。監督する先生がいたら、残業しなくてよかったと喜んだだろうに。」


「じゃあ、さっきよりもっと痛いヤツで行くよ。こっちも痛いけど、その何百倍かはそちらが痛いだろうけど。バキッ。」


アイラは、歯ブラシを口に持って行って、前歯を折った。それは長く伸びて矢のような形になった。直径15センチの砲丸のような太さであり、矢というよりはコンクリート棒という感じである。


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