【第二章】第十一話
右側ポニテは白バットを頭上でぐるぐる回転させて、その勢いでハナゴンに殴りかかってきた。ハナゴンは大ナタで受け止めた。
「ぐっ。スゴいパワーだ。手が痺れる。」
右側ポニテと離れたハナゴンは大ナタを左手に移して、右腕を2、3回振って、大ドリルを持ち直した。
『・・・。』
右腕ポニテは以前として無言であるが、すぐさま、ハナゴンに向かってきた。ハナゴンは大ドリルを再び右手に持ち替えて応戦する。
さらに数回白バットと大ドリルは火花を散らしてぶつかり合った。ハナゴンのパワーもなかなかのもので、ほぼ互角の競り合いであった。
ハナゴンは自分から攻撃せず、もっぱら大ナタでの防御に徹していた。
「このままじゃ、らちがあかないぞ。メス蚊アマ、俺はどうすればいい?」
離れた場所で左側ポニテとバトル中の木憂華に、話しかけるハナゴン。
「戦闘中に声かけするとは、余裕が出てきたじゃん。でもQもいっぱいいっぱいだから、アドバイス不能じゃん。そのうち、歯周病獣がオペするから、虫歯刺激の準備をしておくじゃん。」
木憂華の言葉に眉根を寄せたハナゴン。
「でもコイツは人間なんだろう。これ以上、コイツとやり合うと、人間を傷つけてしまうんじゃ?」
「そんな甘ちゃんなこと言ってると、やられるだけじゃん。ただのモンスターだと思ってやるべきじゃん。」
「で、でも人間と戦うなんて。それも命懸けだぞ。下手すると、人間を傷つける、いやそれ以上のこともあり得るだろう。」
ハナゴンの大ドリルを持つ手の力が一瞬緩んだ。
『ガアアア!』
右側ポニテの白バットがハナゴンの右手の甲を打った。
「うわぁ!」
ハナゴンの右手が赤く腫れて、出血もしている。ハナゴンは落とした大ドリルを左手に握った。
「いわんこっちゃないじゃん。その右手、戦闘不能じゃん?」
「だ、大丈夫だ。こんなヤツ、左手でも十分倒せるぜ。」
右側ポニテは、大きく息を吸い込んで、口の中に白バットのグリップを突っ込んで、グリグリと捻っている。額に深いシワが刻まれていることが、相当な痛みを表している。口元からかなりの出血もある。その血を吸ったのか、白バットの色が黒っぽい赤に変わった。




