【第二章】第十二話
赤バットを振りかざして、ハナゴンに襲いかかる右側ポニテ。左手の大ドリルで受け止めるハナゴン。
「うわッ!」
ハナゴンの右頬に鮮血が走っている。
「完全にガードしたはずなのに、頬をかすったぞ。」
「バットをよく見ろじゃん。」
「そんなバカな!」
右側ポニテの赤バットは、真ん中から先がブラン、ブランとゴムのように曲がって揺れている。
「それがオペの力じゃん。こっちも相手がオペを使ってきたから、バトルに専念するじゃん。あとは自分で考えて戦えじゃん。」
「そんなこと言われても。」
ハナゴンが嘆いた瞬間、曲がる赤バットの太い先が狙ってくる。慌てて避けるハナゴンは尻餅をついた。
さらに赤バット攻撃は続き、ハナゴンは地面をゴロゴロと這い回って、避けるのがやっと。腰を地面につけたまま、建物の壁を背にしたハナゴンは、逃げ場を失い追い込まれた。
右側ポニテはハナゴンを見下ろした。無表情な右側ポニテの顔が微かに緩んだように見えた。右側ポニテの赤バットはさらに大きくなり、真っ直ぐになった。いかにも堅そうな形状に戻った。
「バットが硬さを維持したまま伸縮自在だと?あれがオペなのか!」
右側ポニテは容赦なく、ハナゴンを打っていく。一撃目を避けてもその瞬間にバットが伸びて湾曲することから、ハナゴンはダメージを受けてしまう。しかも利き手でない左手での防御には限界がある。
徐々にハナゴンの体の傷と出血が増えていく。それはハナゴンの体力を奪っていき、動きが鈍くなる。
「うわぁ!」
ハナゴンは左手を打たれて、大ドリルを落としてしまった。そのまま地面にへたり込んだ。
「くそぉ!もはやこれまでか。こんなところでゲームオーバーとは情けないぜ。」
建物に背中を預けて座り込んでいるハナゴン。呼吸は荒く、もはや戦う余力も見つかりそうにない。
無言の右側ポニテは、ゆっくりと赤バットを持ち上げた。赤バットは一層大きくなり、光沢感がある。金属バットに変わったようである。右側ポニテは、金属バットを力任せに振り下ろした。
『ガン!』
腕がハナゴンの目の前で、金属バットをせき止めた。




