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第五話 奴隷商人と偽りました

「次の者!前へ!」

「はい」


大都市リュンゲルの門を守る衛兵の呼びかけに従って俺は前へ出る。同時に先ほど手に入れた奴隷を連れて。無論自分の角は隠しており端から見れば人間にしか見えない。加えて俺は服装に気を使いいかにも貴族に好そうな青年を装った。衛兵は後ろの奴隷たちに侮蔑の視線を向けたが直ぐにこちらに視線を向けた。


「何か身分を証明できるものはあるか?」

「それが先ほど山賊に襲われましてね。持ち物の殆どを落としてしまったんですよ」

「……そいつら(奴隷)は無事だったのか?」

「ええ、とは言っても半分ほど奪われてしまいましたが」


俺の嘘の話に衛兵はどうしたもんかと眉を潜めている。入れてもいいが決定打に欠ける、そんな感じだろう。そこで俺は山賊のアジトで手に入れた金をそっと衛兵に渡す。


「お願いしますよ。それにまだ後ろには結構並んでいますしここでもたもたするわけにはいかないでしょう?」

「……そうだな。よし、通ってよし!」


賄賂を受け取った衛兵は直ぐに許可をくれた。俺は心の中で笑みを浮かべながら奴隷の首輪と繋がっている鎖を引く。奴隷たちは一瞬苦し気な声を上げて俺に付いてくる。

都市は予想以上に栄えていた。現代の様な高層ビルはないがそれでも現代でも通じそうな建造物がたくさん並んでいる。

俺は宿に泊まるべく奴隷たちを連れて歩く。途中通行人に道を聞きながら目的の場所を探す。その間奴隷たちは都市の人々に侮蔑の視線を向けられていた。中には同情の視線を向けている者もいたが総合的に見ればそれらは極僅かだった。

そうして奴隷たちを引き連れているとようやく宿にたどり着いた。俺は中に入る。宿は比較的キレイでありカウンターには暇そうに女将さんと思われる人が船を漕いでいた。俺の姿に気づいたのかすぐにハッとして営業スマイルを向けてくる。その間女将さんは奴隷に一切視線を向けることはなかった。


「いらっしゃいませ!」

「泊まりたいんだけど問題ないですか?」

「ええ、勿論です。男性一名と奴隷7匹でよろしいですか?」

「ええ、あっていますよ」


どうやら奴隷は人ではなく匹で数えられるようだ。とことん奴隷に対しての扱いが酷いな。現在進行形で酷い扱いをしている俺が言えた物ではないけどな。俺は泊まる日数と個室部屋の希望を言うと女将さんは宿の中でも比較的良い場所にしてくれた。料金は前払いで料理とかは別料金がかかるらしい。あの奴隷商人はかなり稼いでいたのか賄賂も含めて減ったのは1割以下だ。とはいえ何時までもこうしているわけにもいかない。何か稼げればいいんだけど……。

部屋は一人部屋だったがそれなりに広く窓からは通りの様子がうかがえた。かなり良い部屋というのは間違いなかったようだ。

部屋をある程度見た俺は奴隷たちを壁側に並べる。丁度ベッドと平行になるように立たせた。俺はベッドに腰かけて一人一人を観察するように眺める。

奴隷は人間とエルフが2匹でドワーフ、鬼人、竜人が1匹ずつだった。とはいえそれ以上の事は聞いてないし自己紹介をさせないとな。


「では一人ずつ自己紹介をしてください。自分の能力を余すことなく言うように。使えないと判断した奴は資金集めのために売り払います。美しい貴方達ならきっと言い値で買ってくれるでしょうからね」

「ひっ!」


俺の言葉に人間の少女が小さく悲鳴を上げる。ほかのものも似たような感じとなっているがやっぱり鬼人の女だけはこちらを若干睨みつけてきている。同族に奴隷として扱われているのがよほど悔しいのだろう。

とはいえそんな事を気にしてやる必要もないため早速俺は自己紹介を始めさせるのだった。


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