第四話 奴隷を見つけました
ガルスチィア暦
0年:ヴェーゲル帝国が最初の統一歴を使用
108年:ヴェーゲル帝国滅亡
1030年:タルカ王国建国
1067年:エルフ神聖王国滅亡
1068年:ドワーフ鉄鋼王国滅亡
1103年:ディモナス公国滅亡。
1105年:神崎龍馬転生
「へぇ、ここがリュンゲルって言う都市かー」
皆さんこんにちは。神崎龍馬です。俺は今地図に載っていた都市に来ています。都市の名は「リュンゲル」。周辺の街道の中心地に立っており交易都市として栄えている様です。その分外敵から身を守れるように重厚な壁で覆われています。ざっと見ただけで2、30メートルくらいはありそうですね。更に門の所では身分証明が行われている様ですね。
「ふむ、これでは上ることも難しいでしょうし……ん?」
都市の近くにある森から様子を伺っていると馬車が近づいてきます。こちらに気付いているというよりは都市に向かっているのでしょう。ただ、馬車の荷台には明らかに奴隷と思われる少女たちが乗せられています。ボロボロの服を着せられ手と足には重く自らを辱める鉄の枷、首には真っ赤な細いリングが填められています。見ているだけで奴隷と分かるその姿に眉を潜めます。別に奴隷に忌避をしている訳ではありません。問題はその人種です。人間の他に耳の長い美しい少女に真っ赤な髪からはみ出す角、浅黒い肌をしたちんちくりんの少女に片や足に鱗が付いた長身の女性……。こちらの世界で初めて見る鬼族と人間以外の種族です。どうやら手綱を引くデブ男が奴隷商人かなのかでしょう。
さて、どうしたものか。別にこのままやり過ごしてもいいのですがこのままでは都市に入れないでしょうし……。この男に成りすましますか。
俺は空気を凍らせ即席の細い針を作ります。そしてそれを男の眉間に向けて一気に投擲しました。男は気付く事なく即死しその場に倒れ込みました。馬が暴れても困るので死んだ男から手綱を奪い止めようとします。……しかし、俺は馬を扱った事なんてないで止められず結局馬の前に氷の柱を作り無理やりとめました。
馬が完全に止まった事を確認した俺は後ろを向いて憐れな奴隷たちを見ます。奴隷たちは驚いた様子を俺を見ており人間の少女は俺の角を見て恐怖で青くし亜人は多少驚きつつ瞳の奥に希望をちらつかせています。
「皆さんこんにちは。私は最近故郷を焼かれ放浪中の者です。この度は私の身分を偽るためにこのデブを殺させていただきました」
「は、はぁ……」
「つきましては皆さま方には私の奴隷となっていただきます」
突然の事に戸惑う奴隷たち。それもそうだろう。売られる覚悟をしていたらいきなり男が死んでその張本人の事どもがいきなり主人になるといいだしたのだから。普通は戸惑ったり怪しんだり良かったりするのが普通ですね。実際、同族と思われる奴隷が怒ったように声を荒げて反論してきます。
「ちょ、ちょっと!私達同じ人間に迫害される者同士じゃない!なのにいきなり奴隷にするなんて……!」
「別に私は貴方たちが亜人でだから助けたわけではありませんよ。丁度通りかかったから助けただけです」
「そ、それでも!」
「そんなに嫌なら死にますか?」
「……え?」
「言ったでしょう?別に貴方がただから助けたわけではないと。私は身分保障の為に奴隷が欲しいのですよ。身ぎれいな人が奴隷を持っていれば裕福とはいかなくてもそれ名入りの身分と思ってくれるでしょうからね」
その為なら奴隷は人間でもいい。むしろこの様子を見るに人間の奴隷の方が言う事を聞きそうだしな。下手に騒がれても困る。
「では選んでください。惨めに生きるか、安らかに眠るか」
俺の言葉に奴隷たちは一気に絶望の表情を浮かべた。




