第2話 小学生時代①
次の日、登校班の集合場所に行くと、マスクを着けた大悟がいた。
「あ、大悟おはよう!風邪はもういいの?」
「熱は下がったし、なんか特別な感染症じゃないから大丈夫だろうって」
「ふーん、そうなんだ。」
「大悟くんおはよー」
「みっくんおはよう。」
大悟が1年生の充希の頭を撫でている。僕は少しムッとした、
「1年生相手に嫉妬すんなよー」
旭が僕の頭にチョップを落とす。何気に痛い。
「みんなー。出発の時間だよ。」
「はーい。充希、今日は僕と手ぇ繋ごう」
「うーん」
「なに悩んでるんだよー。繋ぐの?繋がないの?」
「繋ぐ!」
「よっしゃ、手ぇ繋ごう」
充希の小さく暖かい手を繋ぎ歩きだす。充希は特に僕と大悟がお気に入りなのだ。従順で表情がコロコロ変わる充希を僕と大悟もまたお気に入りなのだ。
「おはようございまーす」
「はい、おはよー。気をつけてねー。」
緑のおばさんに挨拶をし、信号を渡る。そういえば何で緑のおばさんって言うんだろう。
「ねぇ、リゲモン見た?」
「見た見た!今回のバトル良かったよね。」
「かっこよかったー!隼人くんは見た?」
「いや、見てないよ。」
「ほら。隼人は女の子向けのアニメが好きだから。」
「そうなの?」
「そうだよ。少年マンガ系はほとんど読まないからだよ」
「どうして?」
遠くを見ると別の登校班の子どもたちがキャッキャとわらている。
「なんで隼人くんはリゲモン見ないの?」
「女の子向けのアニメとかマンガが好きだからだよ。」
「そうなの?」
「少年マンガみたいなバトル物よりも平和だからね。」
「ふーん。あ、大悟くん、でね、アクスモンがね…」
充希は僕の手を払い、大悟の方へ行ってしまった。大悟は色々なことを知っているから、充希にとっては飽きがこないだろう。
校門には、校長先生と2年2組の担任の福田先生が立っていた。
「おはようございます。」
「おはようございまーす!」
「あ、隼人くん。拓郎くんと一緒に放課後に校長室に来るように。」
「やっべ!バレた!」
「バレた!じゃないだろう。とにかく校長室に来るように。」
「はーい…」
席に座ると、大悟が話しかけて来た。
「また怒られたの?」
「怒られるの。3組のヤマ先泣かせたから。」
「泣かせたの?」
「勝手に授業に乱入して質問攻めしたら泣いたの。」
「隼人らしい嫌がらせだねぇ。」
頬杖をつきながら穏やかに笑う。そんな大悟の表情が好きだった。
「1時間目体育かぁ。早く着替えちゃおうぜ。」
「あはは。まだ待ちなよ。朝の会すら終わってないんだよ?」
「あ、そうか。早く動きたくてさ。」
「隼人らしいや。あ、先生来たよ。」
「きりーつ、れーい、おはようございます!」
「おはよーございまーす」
担任の森崎先生はとても優しい。いつもうるさい僕を優しく諭してくれる。
「最初に宿題集めるぞー…はい、全員分な。今日は登校班会議だから給食無いからなー。」
「あ、やっべ、お母さんに言ってなかった。家お母さんいないや。」
どうしようかな、と考えていると、大悟が言った。
「じゃあうち来なよ。今日はお母さんいるから。」
「いいの?」
「構わないよ。」
「はーい、1時間目は体育だからな、今日はドッジボールだからなー。」
ドッジボールの単語にら僕たちは喜んでいた。しかし1番喜んでいなかったのは理玖だろう。彼は体育が大の苦手なのだ。
体育館
「大悟!理玖空いてる!」
「ごめんね理玖!」最後の3人だから!」
「うわっ!」
「理玖外だよ!」
「悔しい」
散々ドッジボールを楽しんだ後は授業に戻る。算数だ。国語とか社会なら得意なのになぁ。
「今日の宿題配るぞー…明日までだからな。」
「じゃあ理玖!今日理玖んちね!」
「いいよー」
「隼人写すなよ?」
「分かってまーす!」
「あとこの後隼人と拓郎は校長室な。先生も行くから」
「はーい…」
この後盛大に怒られたのは分かるだろう、




