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第三話:【第四幕:四翼の一角獣(ユニコーン)。『魔力粒子』理論の最終形態】(挿絵あり)

 それは視覚的な衝撃だけではない。

 彼には、その馬が一度呼吸をするたびに、熱波が顔に吹き付けてくるのが感じられた。


 空気中には、雷雨の前触れの空のような、特有の匂いが充満している。

 その馬は生きているようにリアルで、炎で構成されたたてがみが風の中で狂ったように舞い、鼻息のたびに細かくも絢爛な火花を噴き出し、周囲の温度をさらに数度上昇させていた。


 エンジニアの視点から、アーガスは目の前の現象を解析デコードしようと試みた。


(これは単なる元素の組み合わせではない……風元素がここでは酸素の役割を果たし、持続的に炎に供給を行っている。そして火元素は風の流動性を利用して形を形成レンダリングしている……これは完璧な熱力学循環システムだ!)


「炎蹄の駿馬よ、駆け抜けよ!」


 アマラが指差すと、その声には有無を言わさぬ威厳がこもっていた。


 火の馬が首を上げて長鳴きする。その声は遠古の戦場の角笛のようだった。

 それは練習用の的へと向かって駆け出し、一歩着地するごとに燃え盛る蹄の跡を残していった。


 最も驚くべきことは、走っている途中で、なんと知恵を持っているかのように二度も方向転換したことだ。


 最初は試験場の中央の柱を完璧な弧を描いて迂回し、次に急カーブを切って壁の魔法灯を避け、最終的に的の中心に正確無比に命中したのだ。


 的全体が瞬時にして灰と化し、一抹の残渣さえ残さなかった。


「えっ……こんなことって、ありえるんですか?」


 ミリーは衝撃で声を震わせた。


「途中で勝手に曲がるなんて……私の知ってる魔法の常識じゃ、絶対にありえません……!」


「これこそが詠唱派の方向制御よ」


 アマラは淡々とした表情で言い、少し間を置いてから、何かを思索するように付け加えた。


「人体を原点とし、言語の力を用いて大まかな方向の校正を行うの。学びやすいように見えて、極めるのは非常に難しいわ。でも一度習得すれば、あなたが今目撃したような効果に達することができる」

「これは四年生の上級技法で、通常はこれを操れるようになるまでに五年以上の修練が必要よ」


 彼女は振り返り、試験場の反対側の壁へと歩いていった。


「でも、これが限界だと思っているなら、それは大きな間違いだわ」


 アマラは右手を上げ、虚空で描き始めた。

 複雑な幾何学模様が何もない空間に浮かび上がる。その線は、神の職人がコンパスと定規で自ら描いたかのように正確無比だった。


 一つではなく、二つの魔法陣が空中で同時に構築され、その過程は息を呑むほど精密だった。


 一つの魔法陣は灼熱の赤い光を放ち、火元素の狂暴さを表している。

 もう一つの魔法陣は澄み切った青い光を放ち、風元素の自由を象徴している。

 それらはそれぞれゆっくりと回転し、まるでお互いに呼応する精密な歯車のようだった。


 続いて、アマラは二つの魔法陣の縁に、装飾的とも見える紋様をいくつか追加した。

 優雅な蔓の図案と星の装飾が施され、全体が華麗で芸術感に満ちて見えた。


 アーガスは微かに眉をひそめた。


 エンジニアの視点からすれば、それらの装飾は魔法陣の機能性に何の助けにもならず、むしろ魔力の流動効率に悪影響を及ぼす可能性すらある。

 しかし、これがこの世界の魔法使いたちの伝統的な習慣であるらしい。実用性の基礎の上に、常に華麗な装飾を加えたがるのだ。たとえそれらの装飾が完全に余分なものであっても。


「魔法陣派は、陣面の角度を絶対的な基準とし、正確な図形推論を通じて照準を行うの。これは学ぶのは難しいけれど、極めるのは易しいわ」


 彼女の手の動きの微細な変化に伴い、二つの魔法陣の角度が微調整され始めた。


 アーガスはここで初めて、試験場の二つの隅にそれぞれ小さな的が立っていることに気づいた。

 それらは以前からそこにあったのだが、あまりにも目立たなかったために無視されていたのだ。


発射ファイア


挿絵(By みてみん)


 二つの全く異なる光束が同時に魔法陣から射出された。

 それぞれが異なる角度、異なる弧線を描いて飛行しながらも、ほぼ同一の瞬間に、二つの反対方向にある的に命中したのだ。


 その正確さは完璧と呼ぶにふさわしく、それぞれの的のど真ん中が貫通され、縁には微塵の焦げ跡すらなかった。


 ミリーは完全に言葉を失い、ただ呆然とその二つの完璧な丸い穴を見つめることしかできなかった。


 アーガスもまた、深い衝撃の中に沈み込んだ。

 彼が誇りに思っていた「魔法の滑腔砲」も、このような卓越した技芸の前では、まるで子供が木の枝で作ったおもちゃのようだった。


「二つの体系、二つの哲学」


 アマラが手を収めると、二つの魔法陣はたちまち煙のように消散した。


「詠唱派が追求するのは人と魔法の調和と共鳴であり、魔法陣派が追求するのは図形構造の絶対的な正確さよ。そしてあなた、アイアンソーン君。あなたは今、第三の道、工芸技術エンジニアリングの道を開拓しつつあるのね」


 彼女は再び二人に向き直り、その目には深い思索が宿っていた。


「そこに高低や貴賎の差はないわ、ただ選択が違うだけ。でも理解しておきなさい。前の二つの道はすでに千年の伝承があり、無数の先人たちの知恵の結晶が蓄積されているの」

「でもあなたの道は、まだ始まったばかり。あなたが直面しなければならない挑戦は、あなたの想像以上に過酷なものになるわ」


 試験場の中の三人は依然として静止していた。

 先ほどの衝撃的なデモンストレーションの魔法の余韻が、まだ空気中を彷徨っていた。


 ミリーはついに自分の声を取り戻したが、依然として隠しきれない衝撃を帯びていた。


「教授……あんなにすごい魔法が使えるのに、どうして『魔力精製』みたいな基礎の授業しか教えてないんですか? 戦闘魔法の先生にだってなれるはずなのに……」


 彼女の目には理解できないという思いと敬意が溢れていた。


「私はこれほどまでに極められた魔法の技芸を見たことがありません。二つの全く異なる発動体系があなたの手の中ではこれほど完璧に機能し、あなたは詠唱派の柔軟性と魔法陣派の正確さを同時にマスターしている。これはまるで……まるで伝説の中の大魔法使い(アークメイジ)のようです!」


 アマラの手がティーカップの縁で止まり、その目には複雑で深遠な感情が浮かんだ。

 彼女はまずミリーの胸にある一角獣の紋章を見て、それからアーガスを見つめた。その眼差しには、ある種の躊躇と決意が交錯していた。


「実はね、私ずっと適切なタイミングを待っていたの」


 彼女は小声で言った。その声には解放されたような安堵感が漂っていた。


「今日、アーガスが『フィルター説』を提唱して、ミリー……あなたの家紋がすべてを語ってくれたわ。今、私はようやくあなたたちの前で肩の荷を下ろすことができる。もう、これらの秘密を一人で背負う必要はなくなったのね」


 彼女は深く息を吸い込み、心の中に長年隠し続けてきた秘密を一気に解放するかのように言った。


「私が教えている講義の本当の名前はね、『魔力粒子の淬錬すいれん』よ。これこそが、一角獣学派の核心を成す基礎技術なの」

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