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第1話 NTRメッセージ

 俺、赤岩陽太は平凡な高校2年生だ。


 今日も日曜日にも関わらず、誰も遊ぶ友達など居らず、自宅の部屋で1日の大半を過ごした。


 少し小腹が空いたので、夕方の18時過ぎ頃に自宅を出発し、コンビニ向かい、適当に軽食を購入して、今に至る。


 只今コンビニから自宅への帰路に就いている。


 ブブッ。


 俺のズボンのポケットの中のスマートフォンがバイブ音と共に振動する。振動が俺の太もも辺りに伝わる。


「なんだ? 」


 俺はズボンのポケットからスマートフォンを取り出す。立ち止まって画面を確認する。


 青井佑太からのメッセージが届いていた。


 青井佑太。俺のクラスのカーストトップであり、男女共に認めるイケメンである。

 

 普段からクラスの中心であり、俺のような陰キャを見下している。そんな態度が頻繁に見受けられる。


 俺は青井に対して良い印象が無かった。苦手な部類だ。それに、モーインの友達として追加した覚えもない。


 だが、メッセージが届いたからには、無視する訳には行かない。


 俺はロック画面から通知バーをタップし、開くを選択する。


 青井とのトーク欄が画面に表示される。


青井佑太『いきなりだが、お前の彼女を寝取ってしまったぜ。ほら証拠』


 衝撃的なメッセージと共に、1つの画像も添付されていた。


 その画像には、青井と俺の彼女の岡あまねが、裸でベッド上に寝転がる姿がズームされた画像だった。


「な、なんだよ。これ…」


 俺は動揺を隠せない。ワナワナと震えながらトーク欄で存在感を放つ画像から目が放せない。


 彼女のあまねが青井によって寝取られた。


 そんなの有り得ない!


 あまねとは付き合って半年が経過している。


 入学して一目惚れして、人生で初めて、これでもかと勇気を振り絞って告白して付き合った人生初の彼女だ。


 最近の関係も良好だった。


 週に2回はデートに行ってたし、会話が減ったことも無かった。逆に時間を重ねる度に会話の量も増えていたと思う。


 そんな彼女のあまねが俺を裏切り寝取られるなんて有り得ない。


 こいつの言うことなんて信じるな。


 俺は青井とのトーク欄を閉じ、スマートフォンの電源もスリープしようとする。


 ブブッ。


 再びスマートフォンが振動し、2つの通知が届く。


 今度は彼女のあまねからのメッセージだった。


「あまね…」


 俺は通知を見つめながら、ボソッと呟く。


 嫌な予感がした。良い予感はいつも当たらないのに、悪い予感は当たりやすい。これが現実だ。今は完全に後者だ。

 

 ゴクッ。


 俺は嫌な汗を頬に垂らしながら、生唾を飲み込み、あまねからのメッセージが届く。


 しばらく時間を要して、あまねとのトーク欄が画面に表示される。


あまね『佑太君からメッセージが届いてると思うけど。見た? あたし佑太君と一線超えちゃった♡ 流石に、このまま陽太と付き合うのは罪悪感あるから、今日をもって別れて欲しいの。お願いね』


 嫌な予感は的中した。あまねからの別れのメッセージだった。


「ふざけるな…」


 俺は居ても立っても居られずメッセージを入力する。


赤岩陽太『ちょっと待ってよ。本気で言ってる?』


 俺はメッセージを送る。既読は付かない。


赤岩陽太『ねぇ別れるって本気なの? 寝取られたって本当なの? 正気? 』


 堪らず次のメッセージを送る。


 しかし、既読も付かず、反応もない。


「この! 」


 俺はモーインのアプリを操作し、あまねにギフトを送る設定をする。もし、ギフトが送れなければ、あまねにブロックされてることになる。既読が付かない理由を明らかにできる。


 俺は送るボタンを押す。しばし結果を待つ。


 画面が変わり、エラーが表示された。送れませんと、注意書きも表示される。


「そん…な…」


 俺は力無く両膝から崩れ落ちる。


 道の真ん中で動けなくなる。


 周囲から怪訝な視線を向けられる。


 しかし、それどころではない。そんな視線など気にしてられない。


 なんて日だ。


 なんで俺が彼女を寝取らなきゃいけないだ?


 なんで浮気して寝取られた彼女に別れを切り出されなきゃいけないんだ?


 なんなんだよ! この理不尽な世界はよ!!


 俺は悔しさから道端にも関わらず、蹲って顔を伏せる。そのまま道のど真ん中で大泣きする。


 ちくしょう〜ちくしょう〜。なんで俺だけが損しなきゃいけないんだよ! 悪いのはあいつらじゃないか!! なのに! なのに! なのに〜!!


 俺は心の中で叫びながら、そのまま周囲に引かれながらシクシク泣き続けた。


 無慈悲にも涙は一向に止まらなかった。

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