表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/16

episode 10

ようやく部屋から出てきたルイードは、すっかりやつれてしまっていた。

食事をむさぼるように食べ、そこでようやくダイニングのソファーで大人しく座った。

フェミュールは彼の横に腰を下ろした。

「ルイード、よかったわ、病気とかではないようで・・・。」

「あぁ・・・。」

「私、また新しい歌を覚えたのよ!」

「あぁ・・・。」

「お母様が育てていたバラがようやく花を咲かせたの!」

「あぁ・・・。」

何を言っても上の空の彼に、フェミュールは少し不安になった。

彼の頬に静かに触れる。

それでようやく我に返ったのか、ルイードは飛びのいて、その反動でソファーから転げ落ちた。

「ルイード、大丈夫?」

駆け寄った彼女からも逃げてしまう。

フェミュールはだんだん悲しくなってきた。

それでも笑顔でそこから話しかけた。

「何かあったら呼んでちょうだい。

私、部屋で歌の練習をしてくるわ。」

ルイードは彼女の背を見て、自分が傷つけてしまったことに気付いた。

しかし彼には何も言えなかった。

彼女を手に入れるために伯爵がしたことは、決して許されることではない。

出来ることなら彼女を連れてこの家を出てしまいたいと思った。

だが彼はまだ若く、今は魔導士になる為に試験勉強をしている最中だ。

収入などあるはずもなく、彼女と二人で暮らせるだけの金を手に入れることなど安易ではない。

魔力の記録が国にある限り、S級である自分などあっという間に見つかって連れ戻されることだろう。

ルイードは頭を抱え、その場にうずくまった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ