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そして依頼の日
―こん―
手慣れた手つきでふたを開ける少女。
「今日はカレーよ」
そこには美味しそうなカレーが湯気を上げていた。
「美味しそう!」「「いただきまぁす!」」
今日も一日が過ぎてゆく。
さて今日は昨日の依頼をこなす日だ。
現場に着いてから依頼者に会って作業をスタートする。
現場に残されたわずかな手がかりから犯人を特定するのだ。
事前に未解決になる可能性を伝えてはある。
暫く捜索するうちにわかったことは二つ。
痕跡がほぼないことと、計画的に行われたであろうことだ。
こればかりは・・・と諦めかけたとき
「ねぇ・・・これ」
少女が持っていたのは懐中時計。
犯人につながるかもしれない決定的な証拠だ。
「この懐中時計の所有者リストだせる?」
興奮気味に問いかける少女に同意して少年がリストを出す。
「この中の誰かね」
少女は言った。
ある程度絞れたことに安堵しつつ報告する。
それで依頼は達成となった。
あまり深入りするのはこの世界では禁物だ。
身を危うくするためだ。
「今日も働いたね」
少女は満足そうだった。